13時50分、川根小山駅に停車しましたが、停車時間が長かったので、下り列車とすれ違うのかなと思って時刻表を見ましたが、その通りでした。
ただ、向こうが1分遅れで来たようでした。時刻表通りならば、向こうが先に駅に着いてこちらを待っているはずでした。接岨峡温泉駅までの列車でした。
あれ、初めてみるデザインのヘッドマークを付けているな・・・。全国登山鉄道パーミル会・・・なるほど・・・。
全国登山鉄道パーミル会とは、鉄道事業者のうち「観光地が沿線にあり、かつ登山鉄道としての性格を有している」という条件を満たす6社が、山岳鉄道路線の魅力をお伝えすることを目的として、南海電鉄が発起人になって2009年9月に結成した会です。現在は南海電鉄、叡山電車、神戸電鉄、箱根登山電車、富士山麓電鉄、アルピコ交通、そして大井川鐡道の7社が参加しています。
これらのうち、私が乗った事が無いのは富士山麓電鉄だけですね・・・。
全国登山鉄道パーミル会の公式サイトはこちら。
この列車の客車の中に旧型のスハフ1形客車が含まれていました。なかなか走ってる姿を見かけませんから思わず撮ってしまいました。昭和の井川線の雰囲気を伝えるレアな車輌ですので、一度乗ってみたいですね。
最後尾のDD20形機関車はトーマスファミリーのトビー号仕様でした。
川根小山駅を出てからは、集落の車道沿いに進みましたが、その車道も奥の高台へと消えていきました。
13時57分、土本駅に着きました。この駅も周辺に民家が少ししかなく、乗降客は皆無でした。
土本駅の待合小屋。「土本」と書かれた習字の貼り紙が印象的でした。
土本駅を出た直後に右手に見えた鉄橋、土本橋。土本駅へ通じる唯一のルートだそうです。
14時2分、澤間駅に着きました。この駅は、昭和六年(1931)の開業で、もとは千頭森林鉄道の前身であった寸又川専用軌道の停車場でした。四年後の昭和十年に井川線の前身である大井川専用軌道(後の中部電力専用鉄道)が開業して沢間停車場と同位置に沢間駅が開業し、これに寸又川専用軌道が乗り入れていました。
この寸又川専用軌道の後身が千頭森林鉄道で、いまの寸又峡温泉へと連絡していました。いま観光歩道となってゆるキャンの聖地ルートにもなっている夢の吊橋までの道も、その千頭森林鉄道の軌道跡なのですが、ゆるキャンの原作コミックやアニメではそのことに全く触れていないため、多くの巡礼ファンが軌道跡であるとは知らずに夢の吊橋を渡り、さらに飛龍橋を渡っているわけです。
千頭森林鉄道は昭和四十四年(1969)に廃止されましたが、いまも駅の内外にその遺構が残っており、廃線マニアの聖地にもなっています。
澤間駅の千頭側の端に、上図のコンクリート造のホッパーが見えましたが、これもかつての千頭森林鉄道の遺構であるそうです。ホッパーとは、生コンクリートや土砂などを一時的に仮受けし、それを下を通る貨車などに流して落とすための施設です。
14時9分、時刻表通りに目的地の川根両国駅に着きました。ここで下車しました。
井川駅から乗ってきたクハ603客車の運転台を記念に撮りました。
ホームから踏切を渡って向かい側のホームに移り、ここで列車を見送ることにしました。列車はこのあと終点の千頭駅へ向かいますが、私自身はここから歩いて、列車に乗ったままだと見られない幾つかのスポットを回りながら千頭駅へ向かう予定でした。 (続く)