野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

薬用植物園9月

2015-09-06 20:36:14 | 植物園

 雨の中咲き始めた秋の花に会おうと、小平にある東京都薬用植物園を訪ねた。

 秋の七草のひとつオミナエシが咲いている。

 

 ヒガンバナもわずかだが咲き始めている。蕊についた水滴が儚げで美しい。

 

イヌゴマは花や実がゴマに似ているところから名づけられた、シソ科の花。

 

 秋の七草のひとつススキに寄生するナンバンギセル。

 

カリガネソウ

 

ホトトギス。ホトトギス属植物は世界で19種知られており、いずれも東アジアに生育している。

そのうち日本には12種分布し、うち10種は日本固有種である。

 

キンミズヒキはミズヒキという名を持っているが、タデ科のミズヒキとは全く別の種で

バラ科に分類されている。ただどちらも晩夏から初秋にかけて咲くところは同じ。

 

ニラの花は花もニラ特有の香りを放っている。

 

クレオメ。西洋フウチョウソウの名もある。夏に咲き始めて、

秋になってもまだ咲いている花期の長い花だ。

 

 これはゴジカという名の花。漢字では午時花と書き、昼ごろ咲いて一日で凋んでしまう。

アオイ科の花で熱帯アジアが原産地。花びらが蕊を雨から守っているように咲いていた。

 

 オオケタデはもともとは中国やアジアが原産地で、薬草として日本に入ってきたが、

今では河原などで野生化しているものもある。タデの仲間だが、大きさは2mにも達する。

 

 

 今では死語となった感もあるが、お金のないことを昔はオケラといったが、この花の名も

オケラという。もっともこれはまだ蕾でこれから白い針状の花を咲かす。

ちなみにオケラの語源は虫のオケラから来たもののようだ。

 

トウテイランは海岸近くに咲くゴマノハグサ科の花で、日本固有種の花。

 

 マツムシソウ

 

 同じマツムシソウ科のラシャカキグサ。これは花後で花は薄紫色で

鉢巻のような形の花だ。

 

 マメ科のカワラケツメイは利尿作用があり、煎じて飲まれる。

 

 ユリ科のごく小さな花、ステゴビル。

 

サンダンカはアカネ科の花で赤い色の花が多いがこれは白花。

 

 

 ツノゴマ。角を持った果実の形から別名がユニコーンフラワー、悪魔の爪や旅人泣かせ。

 

シクンシ(使君子)。甘い香りを放ち、朝咲いた花が午後になると白からピンクや赤色に

変わっていく。

 

おなじみカカオの木の花。太い幹からじかに花を咲かす。

 

 温室の外では早くも秋の実が見られる。

色づき始めたコムラサキシキブの実

 

ウメモドキの真っ赤な実

 

 ゴンズイの実

 

  雨も少しだけ止んでセセリチョウが飛び始めていた。

 

 この辺で。


日光を歩く4

2015-09-02 10:00:16 | ハイキング

 三日目の朝は天気が良かった。宿の窓から男体山がすっきりと見えている。

 手前は中禅寺湖。今日と昨日の天気がいれ代わってくれたらとつい思ってしまう。

 

今日は帰宅予定日。半日は散策に割ける時間があるので、日光フリーパス券を使って

霧降高原に出かけることにした。日光東武駅から高原行きのバスに乗った。

同乗者は女峰山への登山者らしい一行が7,8人。そのほかはカップルが3組。

30分もかからず霧降高原に着いた。

 

前夜地図で検討して、ここから3台のリフトを乗り継いで丸山まで上がり、

標高2000m付近をトレッキングする予定でいたのだが…。何ていうことはない、

リフトが廃止になっている(後で調べると2010年に廃止)ではないか。代わりにあるのは

キスゲ平の天空回廊と名付けられた1445段の階段(2013年オープン)。

うーんしょうがない、 ここまで来ては戻るわけにもいかない。登山者の後をゆっくりと登ることにした。

 

 100段目、天気が良いのでもう汗が噴き出し始めてきた。

 

 既に季節は夏の終わりにかかり、夏の高原の花々のほとんどは咲き終わっている。

初秋の花は咲き始めているもののまだまだこれからといったところ。

 アザミにチャバネセセリの組み合わせはここでは最もポピュラー。至る所で出くわした。

 

 オヤマリンドウも咲いている。

 

キク科の花も多い、ノコンギクかな?

 

 これは戦場ヶ原でも見かけたテンニンソウの群生

 

 結構登ってきたつもりだが、まだ400段。やれやれやっと三分の一弱といったところ。

それにしても陽射しがきつい。

 

 キスゲ平の良い処は、中央の階段に交差するように左右に迂回路、散策路が設けられているところ。

そこを歩いて植物観察をしながらのんびり登ることにした。

ツリガネニンジンも花は終わり、そろそろ種をつけ始めている。。

 

 

 真っ赤なガマズミの実がこれからの秋を予感させる。

 

 アキノキリンソウ

 

先はまだ遥か。

 

ヨツバヒヨドリ

 

 暫らく休んでいたら、アサギマダラがやってきた。ちょっとこちらを警戒しながらも吸蜜はやめない。

 

沢山の昆虫たちを集めているのはセリ科の花

 

ヤマハハコが見える。向こうに見えるのはシカ除けの防護柵。

 この設置のおかげで、絶滅しかかっていた霧降高原のキスゲはだいぶ回復したそうだ。

 

やっと千段。夏の日差しの照りつける中、もう体中は汗まみれになっている

 

涼しげなオヤマリンドウ。この花は花びらをほとんど開かないので、蕊まで見えるなんてとてもラッキーなことだ。

 

 

 この辺まで来ると標高1550mは越えている。ヤマハハコ

 

タチコゴメグサ

 

1445段を登り終えるとシカ除けのゲートがある。その先は赤薙山、女峰山へ続いている。

 見晴を楽しむところまで来たら、残念なことにガスが出てきたようだ。

 

時間があれば目の前の赤薙山(2013m)までは登りたかったのだが残念。

ここからは右に折れ、丸山(1689m)を目指す。

 

少し登ったところで丸山の頂上。頂上では地元からきたふたりの登山者が挨拶してくれた。

 

 下山は八平ヶ高原を巡るコース。このコースはあまり歩かれていないのが、藪漕ぎの道が多かった。

 

 ガスをかいくぐる藪漕ぎを繰り返し、1時間ほどの下りで霧降高原のバス停まで戻って来ることができた。

この辺で。