FCC日記

子どもたちのクライミングスクールの活動記録と教育、スポーツ、そしてクライミングに関して想うこと。

キッズコンペ「神奈川カップ」2013 プロローグ

2013-12-06 12:52:52 | コンペティション参加報告
11月2日(土)ルートセット作業
セット手伝い:コーヘイ(中2)

年に一度のビギナーキッズのための大会。
まだ各県の大会に出場できないレベル・年齢の子どもたちのモチベーション維持のためのツールとして、神奈川県山岳連盟のジュニア強化部長であるY先生と数年前から始めた大会だ。
私は主にルートセッターとして協力しているが、このコンペの卒業生であるコーヘイ(中2)とユイちゃん(高2)、・・・そして今回は選手として出場するはずだったのに、怪我をして出場できなくなったタクミ(中2)の3人が、ボランティアスタッフとして手伝いに来てくれた

自分の生徒たちにはもちろん強く、上手くなってもらいたい
広く世界にも羽ばたいて、色々な経験をしてもらいたい
でも、自分さえ登れれば・・・強くなりさえすれば、そして勝ちさえすればそれで良い、とは決して思わない。
むしろそうしたメンタルでの勝利には意味を感じない。
その子のその後の人生の充実においてクライミングが深い部分で重要な役割を担って行くためには、周囲の協力に感謝し、必要とあれば自分の力を役立てて行ける柔らかい心を育てておくことが重要だと考えている。
そして、子どもたちは基本的に心が柔らかい
こうした手伝いを「やりがいのあること」と捉え、喜んでやってくれる心をキープするとともに、大会運営の大変さをそれとなく、身体で知っておく良いチャンスなのだ


さて、大会はみんなが登るルートがなければ開催できない。
そのルートは、ルートセッターが必要なのだが、一応公式な大会であるため資格をもったセッターが作らなければならないという規定がある。
以前神奈川の子どもたちのコーチをしていた時に神奈川ジュニア担当のY先生から相談を受け、一応資格のある私が主にルートセットを、Y先生が事務関係を、という役割分担で始めたのだが、なにしろ貧乏コンペのため、人手が足りない
ルートを作っても現場には私しか登れる人間がおらず、試登(試しに登ってみてグレードを確かめたり、ムーブの作りの甘いところを指摘してくれる役目の人)要員がいなくてかなり困ったことがある。やはり他者の批評は大切なのだ。
そこでここ2~3年は、キッズコンペを卒業したコーヘイが試登要員として前日から手伝いに来てくれている

ルートセットは重労働である。
特にこの大会の場合、セット作業が開始できるのが前日の夕方5時過ぎからなので、いつもほぼ徹夜の作業となってしまうのだ
今回のルートはトップロープの部2本、リードの部の予選が2本、そして決勝の計5本とした。
グレードはリードの部の決勝で12a/b、予選は10c/d と11c、トップロープの部は10a と10d/11aくらい。
修正しては試登を繰り返さねばならず、大人たち(一人神奈川の方がセットの手伝いに来てくださった)は結構ヘロヘロ
その中コーヘイが元気にこちらの注文にこたえて登り、しっかりした意見も言ってくれたので、大助かりだった
また、私が決勝ルートを作っている間、コーヘイにトップロープの分の原案を1本考えてもらったが、ほとんど手直しが必要ないルートを考えてくれたね

↓ルート製作中はそちらに集中してしまい、写真がありません・・・これは照明も落とし、片付け中のコーヘイ