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【ラノベ】ハイスクールD×D 12

2012-05-14 | ライトノベル
ハイスクールD×D 12  補習授業のヒーローズ (富士見ファンタジア文庫) ハイスクールD×D 12  補習授業のヒーローズ (富士見ファンタジア文庫)
価格:¥ 672(税込)
発売日:2012-04-20

 読了。

 イッセー、復活!

 まあ、イッセーがあのまま死んでしまうなんて、そんなふうには誰も考えていなかったと思いますが、予想通りのおっぱいドラゴン大復活。11巻を読んだ後で「こういう展開になったらいいな」というものが笑っちゃうくらいにメイっぱい(『HANDMAIDメイ』リスペクト)詰め込まれている満足度の高い一冊でした。
 もーホント、「(復活が予定調和だとしても)イッセーを失ったヒロインたちの喪失感を描いて欲しい」とか「オーフィスに味方になって欲しい」とか「やはり復活劇は思いっきり盛り上がるように」とか、あらゆる面で期待通りの展開を見せてくれたので読んでてテンション上がりっぱなしだったわー。これぞ最高のお約束。これぞ最高の王道というやつよ。
 以下雑感。

男キャラがかっこよすぎてヤベェ。木場に始まり、匙、ライザー、サイラオーグの要所を締める立ち居振る舞いに惚れた。特にサイラオーグは、リアスたちが立ち直るきっかけを作ったり英雄派の幹部をタイマンで倒してしまったり、色んな意味で優遇されてるキャラだと思う。

・ちゅうか、この手の「強さ」や「すごさ」を描写するときって、どうしても比較描写になるので、片方を持ち上げるために片方を下げてしまいがちですけど、ことサイラオーグに関しては上手い具合に描写できてますよね。このあたりは5巻のグレモリー眷属とシトリー眷属のレーティングゲームのときの失敗をちゃんと活かしてるように感じて好印象。べつに策を駆使して戦うキャラが嫌いなわけではないんですが、それが賢しいじゃなくてセコいレベルになると引っかかってしまうんだよなあ。

・ともあれ、上で書いたように「ヒロインたちの喪失感」というのは是非とも描いて欲しかったので読めてよかったなと。リアス、朱乃の半廃人状態や、アーシアの打ちひしがれ方も想像通りだったけど、小猫とレイヴェルのやり取りは予想の上をいかれた感じ。「いつかこうなるんじゃないかと思ってた」という小猫の台詞には一番グッときた。小猫は11巻からワリと出番多いので、最近はアーシアよりイッセーと絡んでるように感じてしまうわー。

・アジュカとサーゼクス強すぎワロタ。いやー、たとえご都合主義でも、こういう主人公たちを見守る〝良い大人〟が出てくる作品は安心して読めますね。某『半分の月~』みたいにクズな大人が子供の足を引っ張る話は胸糞悪くなるんで。

・しかし、意外にも曹操はあっという間にやられちゃいましたね。頭脳戦を書けない作家さんの作品に登場するこういうキャラって、強いといっても後出しジャンケンで勝つだけだし、勝つにせよ負けるにせよあまり小気味いい展開にはならないタイプの敵ってことで、早めに退場させることにしたんだろうか。個人的には、英雄派の「俺たち人間の世界に悪魔や天使が介入してくるのは許せない。ふざけんな」っていう主張そのものは頷けただけに、もう少し掘り下げて欲しい気もしたんですけどね。最終的に、英雄派を外道として描くことによる勧善懲悪に近い形になってしまったのは残念。転生悪魔のイッセーはともかく、人の世界に勝手な理由で介入しているリアスたち悪魔や、アザゼルたち堕天使なんかは「痛いことを突かれた」みたいに感じる描写があってもよかったかも。

 次に繋がる伏線も提示されましたし、続きが楽しみですということで一つ。
 もっとも13巻は短編集らしいですけどねー(^q^)