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乙嫁語り 4巻 (ビームコミックス) 価格：￥ 651（税込） 発売日：2012-05-12 |
一週間も前に発売していたのに、完全に見過ごしていたのだわ。参った参った。
つーわけで、描き込み半端ない嫁漫画の第4巻です。
3巻ではスミスさんが可哀想なことになってしまい、この人の旅路はこの先一体どーなってしまうんだろうと思っていたら、新たな街でまさかまさかの展開ですよ。初登場時からやたらとアグレッシヴだった双子の姉妹が、コマの中を所狭しと跳ね回る『乙嫁』らしからぬコメディな内容に驚きっぱなし。
……かと思ったら、最後はキッチリと〝嫁〟の話で終わるあたりが見事だったなあ。途中経過が騒がしかった反動か、最後の母と娘のやりとりには思わずホロリとしてしまいました。
しかしあれですね、今回はこれまで比較的スルーされていた結納金の話なども出てきたりして、この漫画を読んでいるとホントあり得ないくらい「この時代の嫁関係の知識」がついてきているような気がしないでもないです。最近は荒川さんの『銀の匙』といい、マイナー分野を取り扱った漫画が注目されているような気がします。こういった雑学的な知識を得ることができるのも漫画読みの大きな醍醐味であると言えましょう。
どうやら続きの5巻は双子の結婚式から始まるようで、ついについに〝嫁〟がテーマの今作において重要なファクターのひとつでもある結婚式の様子が盛大に描かれることになりそうな雰囲気。スミスさんはすげー楽しみにしてるっぽいけど、読者ももちろん楽しみですね！
あと、おそらくファンが多いであろう、行き遅れ気味パン娘ことパリヤさんのエピソードが番外編的に挿入されていたのも何気に嬉しかったり。これまで作中で散々「こんな気性じゃ嫁ぎ先は見つからない」と強調されていましたけど、今回はむしろ、そういう性格面が評価されたみたいで嬉しかったわー。そうですよね、どんな時代でも色々な嗜好がありますよね。
真面目な話、取っつきこそ悪いけどパリヤさんって誠実だし、多少極端なところがあるけど働き者だし、いい乙嫁になること請け合いだもんなあ。なかなか目のつけどころがいい坊主もいたもんだぜ。
こんな微笑ましいカップルの行く末に期待を膨らませる反面、半分当たり屋みたいな真似をする恐ろしい風習も明かされたりしましたが。あの嫁は美人だから許されるけど、もしもあれが……ごくり……。
そんなわけで、恋も仕事も一生懸命です！（エスター死）ということで一つ。