Monochrome Myst 1 (電撃コミックス) 価格:¥ 599(税込) 発売日:2011-07-27 |
電撃文庫などで活躍中の大人気美麗絵師椎名優初コミックス。
〝人には見えないもの〟が見える、オカルト小説家・シルフレイヴ。ある日、彼の元をひとりの少女が訪れる。彼女の名はアンジェリカ。シルフレイヴの噂を聞き、自分以外には見えていない黒猫について相談しにきたのだった。
人の言葉を話す黒猫がシルフレイヴの元を訪ねてきたのは、それから間もなくのことだった。
「お前の力を貸して欲しい」
自らの不始末で両親を死なせてしまい、それを今でも悔やんでいるアンジェリカ。彼女を闇の世界に堕とそうと〝黒い霧〟をまとった〝闇の住人〟が動き出す――。
以上。帯の煽り文句からそのまま抜粋。
……まあなんつうか、ぶっちゃけこんな話です!
ここだけの話、件の電撃文庫では絵に不釣り合いな微妙な原作ばかり担当している気がする椎名優さんですが(個人の感想です)、ようやく『サクラダリセット』で絵と文章が互いに高め合う相乗効果を得るに至り、初のコミックを刊行することになったらしいです。
ここだけの話、『月と貴女に花束を』から追いかけている絵師さんだけに、こりゃ読まなきゃアカンだろということで買ってみました。
どうでもいい話、エロゲとかでも珍しくないけど、作家さんと絵師さんのいわゆる固定コンビみたいなのって、ハイリスクハイリターンな関係だよあなと思ったり。誰とは言わないけど、それこそ椎名優さんだったり、画野郎さんだったり、橋本タカシさんだったり。もちろん絵師さんも納得済みでコンビ組んでるんだろうけど、このへんの方々って良原作と出逢っていたらダイバージェンス変わってたんじゃなかろうか。
閑話休題。
とにかく、好きな絵師さんってのは間違いないので買ってみたんですが、結論から言うとあまり面白くはなかったです。あらすじを見たときから感じていたんですけど、実際に読んでみて核心に至ったというか、身も蓋もない言い方をするとスゲエどこかで見たことあるような話で新鮮味がゼロ。
べつにこういったある種のテンプレを否定するわけではないですが、雰囲気重視の作品において、物語的に取り立てて見るところがないってのは相当キツイかも。漫画を書き慣れてない、みたいな部分はまったく気にならないんですけど、既に世の中には似たような物語が沢山あるので、そういう意味ではホント、「椎名優が絵を描いてる」という部分以外にウリがない漫画ですよねと。
これでまあ、作品の色がコメディ寄りだったりすれば気楽に楽しむこともできるんですが、最初から最後まで徹底して重苦しい雰囲気が漂ってるからなあ。こういうシリアスな流れが僕の好みに合わないっつう意味でも2巻以降はべつに買わなくてもいいかなーという感じ。
つーわけで、僕にとっては微妙でしたけど、『GOSICK』とか『BLOOD ALONE』みたいな系統の作品を求めている人は気に入るかもしれませんねということで一つ。