津軽ぐだめ記

青森県の南津軽は「田んぼアートの里」、田舎館(いなかだて)村から冴えない”おっさん”の「ぐだめき」を。

2016年4月

2016年04月02日 | 日記
 3月26日、新青森~新函館北斗間 149キロを結ぶ北海道新幹線が開業した。最速で1時間1分と言うから驚きである。津軽海峡の波に揺られて4時間の船旅の往時を偲べば、正に隔世の感がある。
 思えば、海底トンネルを掘って列車を走らせるきっかけとなったのは、我が国海難史上最大(悪)の事故となった昭和29年の青函連絡船「洞爺丸」沈没事故であった。
 トンネル工事は北海道側で昭和39年、青森側は同41年に始まり、同63年に開通した。工事は決して順風満帆ではなかった。否、むしろ困難・苦難の連続であった。その事は高倉健さんの映画「海峡」に細かく描かれている。
 此度の開業それ自体は喜ばしい事であり、祝賀ムード、華やかさが強調されるのは無理もないが、トンネル開通の裏で殉職された尊い人命があった事を忘れてはいけないと思う。北海道側で16人、青森側で18人の計34人の方が不幸にも亡くなられている。正に命懸けの難工事と言っても過言ではなかったのである。
 竜飛崎には殉職者慰霊碑が建てられており、毎年夏には慰霊祭が執り行われている。
 このトンネル工事に限らず、大きな工事の陰には常に犠牲者の存在があると言う事を我々はつい忘れがちである。
 北海道新幹線を利用する機会があったら、このトンネルで少なくない方々が殉職された事に思いを巡らすのも一つの慰霊となるのではないだろうか。
 何はともあれ、事故がないように祈りたい。
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