津軽ぐだめ記

青森県の南津軽は「田んぼアートの里」、田舎館(いなかだて)村から冴えない”おっさん”の「ぐだめき」を。

2003年10月

2003年10月01日 | 日記
秋、収穫の時である。実るほど頭を垂れる稲穂かな、と言うか、今年は冷夏のせいか、津軽の稲穂は例年ほど頭を垂れていない。農家の人達には収量が気になる所である。
今では稲刈りも機械が殆どやってくれるが、かつては鎌を使っての作業で、正に猫の手も借りたい忙しさであった。
当時(昭和30年代前半)、稲刈りの時季になると農繁休業と言って、農家の子供達は一斉に稲刈りの手伝いに駆り出される為、学校は何日間か休校になったものである。併し、私の様に非農家の生徒達は出校となる。只、この場合授業はない。では何をしたかと言われても、今ではまるで記憶がないが、一つ丈鮮明に憶えている事がある。それは先生が幻燈を見せてくれた事だ。幻燈・・何と懐かしい言葉だろう。その時の"上映"作品がラフカディオ・ハーンの「耳なし芳一」であった。幻燈だから勿論音声もなければ一コマ一コマも静止画であるが、先生の弁士ぶりが効果大であったのか、とに角やたらに恐くて、机の下に潜りこんで見たのを今でも思い出す。
現在では、子供達が稲刈りを手伝っている光景は稀と言ってもよい位だ。
時代は移り、また幾ら機械化されたとは言え、出来秋に農家の人達が忙しいのに昔も今も変りはない。
冷夏ではあったが、生産者の人達と自然の恵みに感謝しつつ、食欲の秋に舌鼓を打ちたいものである。
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