津軽ぐだめ記

青森県の南津軽は「田んぼアートの里」、田舎館(いなかだて)村から冴えない”おっさん”の「ぐだめき」を。

2009年6月

2009年06月01日 | 日記
 敗戦の傷跡がまだ色濃く残る昭和23年、岡春夫の鼻に抜ける歌声が日本中に流れて大ヒットしたのが、「憧れのハワイ航路」だ。作詞したのが先頃亡くなった石木美由紀氏。これが氏の出世作となったが、この前に小畑実が歌った「長崎のザボン売り」があり、どこか異国情緒溢れる歌であった。他に岡春夫の「東京の空青い空」、小畑実の「アメリカ通いの白い船」「バラを召しませ」等、氏の作品には、敗戦で打ちひしがれた国民を明るく元気づけようと誌が多い気がする。特に「憧れのハワイ航路」は、海外旅行なぞ夢のまた夢の時代、船でのハワイ旅行と言うロマンチックな想いを当時の国民に抱かせた事であろう。この曲は、年配の方にはカラオケの定番の一つとなっているが、私個人も好んでマイクを握る一曲だ。私事をもう一つ記せば、氏の作品では伊藤久男の男らしい豪快な歌声の「オロチョンの火祭り」も好きな曲だ。
 氏が作詞の道に入ったきっかけは、戦時中海軍の病院に入院していた時、慰問に訪れた東海林太郎の歌に傷病兵達が生き生きした目になったのを見て、心を動かされたからだと言う。
 イヴ・モンタンのシャンソンに「詩人の魂」があるが、優れた誌には詩人の魂がこもり聴く人の心を揺さぶるものがある。最近の若い歌手やグループの、何か訳の分からない誌に石木氏はどんな思いでいたのだろうか。
 ご冥福をお祈り申し上げます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする