津軽ぐだめ記

青森県の南津軽は「田んぼアートの里」、田舎館(いなかだて)村から冴えない”おっさん”の「ぐだめき」を。

2014年8月

2014年08月05日 | 日記
 6月分で、青森市郊外の別荘で起こった謎の怪電話について書いたが、文末で、私も不思議な体験をした、と記した。そこで、今回はその事について書いてみたい。とは言ってもゾクゾクッとするような怪談話ではないので悪しからず。
 今から40余年前。私がまだ20歳の時(年齢がばれてしまうが)。暑い夏も終わり、初秋の空気が漂い始めた頃。1歳年下で近所の幼馴染みが、不幸にも若くして重い病を患い、弘前市の某病院に入院していて、何回か元気づけを兼ねて見舞いに行っていた。
 そんなある晩、部屋でレコードを聴いていた時、突然、屋根に樹木でも倒れてきたような「ドーン」ともの凄い音がした。当時、家の裏に結構太くて背の高いアカシアの木が数本立っていたので、それが倒れたのかと思った。間髪を容れず、今度はトタン屋根を爪でひっかくようなキーと言う耳をふさぎたくなる実に嫌な不快音がした。飼い猫が屋根で爪を立てているのかと部屋を出たら、猫は居間で寝そべっている。とに角、アカシアの木はどうなっているのか、と外に出たが何の変わりもなく、勿論屋根に倒れてはいなかった。家に入って、オヤジ、オフクロに「今の音は何だろう」と話したら二人とも「そんな音は聞いていない」と言う。あんな大きな音が聞こえない筈はあるまいと念を押したが、「何も聞こえなかった」と同じ返事。それじゃ、自分一人だけが聞いたと言う事か。
 さて、翌日である。幼馴染みの家は私の所から見えるのだが、何かいつもと様子が違う。何かあったのかと行ってみたら彼の父親いわく「夕べ亡くなった」との事。そして更にびっくりしたのが、亡くなった時刻と私が例の音を聞いた時刻がほぼ同じであった事だ。
 思えば、あの音から察するに、死の間際、余程苦しんだのだろうと想像する。そして彼の”霊”が最後の別れを告げに来たのだ、と今も信じている。あれは決して幻聴などではなかったと。
 人生はこれからと言う時に夭逝した彼の無念さは察するに余りある。今年も又、何十回目かのお盆が巡ってくる時季となった。
コメント
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