津軽ぐだめ記

青森県の南津軽は「田んぼアートの里」、田舎館(いなかだて)村から冴えない”おっさん”の「ぐだめき」を。

2006年1月

2006年01月01日 | 日記
津軽地方に伝わる極めて短い会話(と言えるかどうか)を一つ。
A「どさ」
B「ゆさ」
何の事か珍粉漢の人が殆どだと思う。これは雪の降る寒い日、知人同士がすれ違った際の“会話”なのだが、訳すと
A「どちらまで?」
B「湯(銭湯)まで」となる。
いくら津軽人は無口とは言っても、もう少しまともな会話を交わしてもよさそうなものだが、これは冬なればこその会話なのである。雪が降り、しばれている寒中、立ち止まって話に花を咲かせるなんて冗談ではない。Aは早く家に帰って暖まりたいし、BはBで銭湯へ行って早く湯につかりたい。穿った言い方をすれば、雪国の冬の厳しさが、この短い会話に凝縮されていると言っても良い。
さて、12月の記録的な大雪には、雪国津軽の私も驚かされてしまった。各地で12月の積雪としては何十年ぶりとの事で、実際ニュースを見て、これが12月の雪かと唖然とする他なかった。北極圏が冷気を吐き出す時期で、それが偏西風に乗って云々と、むずかしい気象学の話はよく分からないが、とに角大変な事に変りはなく、同じ雪国に住む者として他人事ではない心境だ。
今では近くの温泉へ皆車で行くから「どさ」「ゆさ」の会話の時代ではなくなりつつあるが、冬の厳しさは何も変っていない。今から春の訪れが切に待たれる厳寒これからが本番の津軽から、新年のぐだめき第一声でした。
末筆となりましたが、新年おめでとうございます。
コメント
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