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シネマ座椅子

座椅子に座り、酒を飲みながら日々映画鑑賞。
映画の結末を待たずに酒の力で本日の結末を迎えることもしばしば。

シャイニング

2011-09-10 | ふつう
再びキューブリック作品を鑑賞。

最近洋画というとキューブリックしか観ていないことに気づく。



さて、本作「シャイニング」。
シャイニングと言ったらコレだよね、ジャック・ニコルソンのこのジャケ写真。一度見たら忘れられぬインパクト。


一体何がどうなってこーなったんだニコルソン。ホラーらしいということ以外何も知らずに見るこの予習ゼロっぷりを誇る座椅子的に、これは期待大。

開始5分くらいのところ、ニコルソンは極めて理性的な紳士の役である。
なるほどここから何かの理由でトチ狂ってあのジャケ写真の様相にまで辿りつく、恐らくそーゆー映画なのだなコレは。





などと勝手な解釈のもと、映画を観てみる。





そしたらホントに色々な理由でトチ狂ってあの様相に辿りついたニコルソン。おいおいホントにそうだったのかよ。
当たるはずないだろうと思っていた予想が当たってしまったバツの悪さを感じつつ、最後まで観賞。


何とも含みを持たせた映画です。
「果たしてあのシーンは何の意味があったのか・・・?」と考えさせる観衆に解釈するためのバッファが大きいとでも言うか。


しかしさすがキューブリック、映像美がすさまじい。どんだけ作り込んでんだよ。
こんなカッコ良すぎるホテル、絶対冬場に閉鎖しない方がいいぞ。ロビーがステキなのは当たり前、部屋もステキ、部屋の風呂もステキ、バーもステキ、バーの近くの便所の中までステキ。


しかし、序盤~中盤においては、映像がのどかなのに音ばっか緊張感煽ってくる感じで、そりゃ確かにこれからおっかない事が起きるのだろうが、いささか映像と音楽のアンマッチが先立っているような感じがしてならなかった。やや観てて消耗します。


「2001年宇宙の旅」が、あの圧倒的な映像美と視覚効果、そして観衆が負う解釈のバッファの桁外れの大きさ故に神格化された映画であるとすると、この「シャイニング」もそれに通ずるものがあると言えるでしょう。そーゆー映画が好きか嫌いかは、また別の話です。


まぁ、ムズいことはさておいて、一番身近であるはずな人がトチ狂って己の命を脅かす存在と化していくというホラーとして、映像美に酔いしれながらボーっと観るのが、きっとキューブリック監督が一番喜んでくれる観方なんじゃないかなと思うのです。さぁみんな、ボーっとしようじゃないか。


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