私の記憶を頼りに驚くべき体験を報告したい。これからお伝えすることは想像を絶するような世迷言と受け取られるかもしれない。だが、それは実際に起きた事実なのである。
無線師と私は、飛行機から連れ出された後きわめて丁寧に迎えられた。そして車輪のない(!)プラットフォームに似た小さな交通機関に乗船した。それは驚くべき速度で私たちを光り輝く都市へ向かって運んでいった。
私たちが近づくにつれて、クリスタルのように輝きで街が歓迎しているように見えた。すぐに私たちはこれまで見たこともないようなタイプの巨大な建物に到着した。それはまるで、フランク・ロイド・ライトの設計したビルか、もっと正確にはバック・ロジャースがデザインしたセットのようだった。
"Buck Rogers in the 25th Century" by Syd Dutton
私たちはこれまで味わったことのないおいしさの暖かいドリンクをサービスされた。10分ほどたって、2人の驚くような姿をしたホストが私たちに近づいて、私は彼らのミーティングに参加することになると告げた。私はその申し出を受け入れる他にすべがなかった。
無線師を後に残して、少し歩いてエレベーターのような乗り物に乗った。少しの間、下方に降りて機械は停止して、ドアが音もなく上がった。長い廊下を進んでいる間、バラ色の明かりが私たちを照らしていた。それは、まるで壁そのものが放射している光のように思えた。
ホストの1人が巨大なドアの前で立ち止まるように合図をした。読むことのできない線刻文字がドアを覆っていた。ドアが音もなく開いて、私は中に入るように手招きされた。ホストの1人が私に語りかけた。
「少佐、何も恐れないでください。あなたはマスターの1人として会議に招かれたのです。」
私は部屋の中に入って、部屋全体を完璧に彩っている美しい配色に目を慣らそうとした。やがて周囲の光景が見えてきた。私を歓迎している部屋の光景はこれまでの人生で最高の美観であった。あまりにも美しすぎて言葉で表すこともできない。絶妙かつ精工なデザインと言う他はない。その光景を公正に詳しく言い表す表現は人間の言葉にはないだろう。そして私の思考をメロディアス(旋律的)で豊かな心のこもった暖かい声が中断した。
「私たちの街へようこそ、少佐。」
繊細な年輪の刻まれた顔立ちの男性が長いテーブルの前に座って語りかけた。彼は私に椅子の1つに腰を下ろすように合図をした。私が椅子に座ると彼は指先を組んで微笑んだ。そして柔らかい声で次のメッセージを伝えた。
「私たちがあなたをここへ招待したのは、あなたが高潔な人柄で地表世界で名の知られた方だからです、少佐。」
地表世界!私は半分息を呑んだ。
「そうです。」マスターは微笑んで答えた。
「あなたが現在いる場所は、インナーアース(内部地球)のアリアニの領土です。私たちはあまり長くあなたの任務を中断させるつもりはありません。私たちはすぐにあなたを、少し離れた地表世界に送り戻す予定でいます。
しかし、少佐、今私はあなたになぜここへ案内されたかを説明したいと思います。私たちの重大な関心は今、皆さん地球人類が日本のヒロシマとナガサキに最初の原子爆弾を投下したという事件に注がれています。
その緊急時に私たちは、”フラグラッズ”と呼ばれる飛行船を地表世界に送って何が起きたかを調査しました。親愛なる少佐、それはもちろん、もはや過去の歴史となっています。でも話を続けさせてください。
お分かりのように、私たちは皆さん地上人類の戦争を始めとする野蛮な行動に干渉することは避けてきました。しかし、今、私たちは介入せざるをえません。皆さんは人類には許されていないレベルのテクノロジー、とりわけ原子力エネルギーを手にしたからです。すでに私たちの密使が地上の権力者にメッセージを伝えています。今あなたは選ばれて、ここで私たちのインナーアースの世界が実在することを目撃しています。
お分かりのように、私たちの文化と科学は地表人類より何千年も先に進んでいます。」
そこで私は話をさえぎって質問した。「しかしマスター、そのことが私と関係があるのですか?」マスターは私の心を深く突き通すように見つめてから、答えた。
「皆さん地上人類は、もはや引き返すことのできない地点にまで到達しました。地上の権力者たちは自分たちの権力を失うよりも、自分たちの世界を破滅させる方が良いと考えています。1945年以来、私たちは皆さん地表人類とコンタクトを試みてきました。しかし私たちの努力は敵愾心によって妨げられたのです。私たちの飛行船”フラグラッズ”は攻撃され、敵意にあふれた戦闘機によって追跡さえされました。
わが息子よ。ですから、今あなたに告げます。皆さんの世界には巨大な嵐が襲いかかっています。尽きることのない黒い憎しみがこれから長い年月にわたって続きます。皆さんの手の内には解決の方法がありません。皆さんが手にした科学力には安全対策はありません。やがて危険なテクノロジーが皆さんの実らせた文化の果実を踏みにじるでしょう。そして人類のすべてが巨大な混乱の中に投げ込まれます。
皆さんの今回の世界戦争はこれから人類に訪れる危機のほんの幕開けにすぎないのです。私たちはここにいて、すべてを明らかに見通しているのです。違いますか?」
「いえ」私は答えた。「それがこれまでに起きたことです。暗い時代が訪れて、5年以上にわたって続きました。」
「そうです、息子よ。」マスターが答えた。
「暗い時代は再び世界に戻って覆い幕のように世界を包むでしょう。でも、皆さん地表人類の中に嵐を突き抜けて生きようとする人々が現れます。
私たちは廃墟と化した皆さんの世界に新しい世界が生まれ出る光景を遠い先に見通しています。
彼らは失われた伝説の宝を求めにここを訪れるでしょう。それは私たちが安全に保管してあるものです。
その時が来たら、私たちは再び前に出て、皆さんの文化と生活を蘇らすでしょう。その時までに皆さんはもう戦争の無益さを学び終えているはずです。
その時から皆さん地球人類は、再び科学と文化の豊かな果実を取り戻して新しい地球史を開始することになります。
わが息子よ。ぜひ、お伝えしたメッセージを携えて地上に戻ってください。」
この結びの言葉で私たちのミーティングは終わりを迎えたように思えた。私は夢見心地でしばらく佇んでいた。それでもそれが現実に起きたことだと分かってはいた。我とも知らず私は軽く会釈をした。それが敬意からか親近感からかも分からないままに・・
突然、私は自分をここに連れてきた2人のホストが傍らに戻っていることに気づいた。
「こちらです。」
ホストの1人が手振りで知らせた。私は立ち去る前にもう一度マスターを振り返った。彼の繊細で年季の刻まれた顔にやさしい微笑みがあふれていた。
「ごきげんよう、わが息子よ。」彼は愛情深いほっそりとした手で合図しながら語りかけた。そしてミーティングの終了をジェスチャーで伝えた。
急いで私たちはマスターの部屋の巨大なドアを歩き過ぎて、再びエレベーターに乗った。ドアが無音で閉まって、私たちは上昇した。ホストの1人が再び語りかけた。
「少佐、急ぎましょう。マスターはあなたのタイムスケジュールをこれ以上遅らせることを望んでいません。あなたはぜひ地上に戻ってメッセージを人類に伝えなければなりません。」私は何も答えずにいた。今起きていることが、自分の理解を超えていたからである。再び部屋に入って無線士と再会した時に私の思考は中断した。彼の表情には気遣いが溢れていた。
私は彼に近づいて言った。「大丈夫だ、ホウイー。大丈夫。」2人のホストが私たちに合図で待機している乗り物を知らせて、私たちは乗り込んで、すぐに飛行船に着いた。エンジンはアイドリングを続けていて、ただちに私たちは乗船した。
大気全体がチャージされて緊急事態に備えているかのようだった。貨物ドアが閉まって飛行船は未知の動力で私たちを2700フィートの高度に上昇させた。
私たちの帰路に寄り添って2機の飛行船が距離を置いてガイド飛行を続けていた。ここでお伝えしなければならないが、この時の飛行速度を示すインジケーターは判読不能だったが、極めて早い速度で私たちが移動していたことは確かである。
ー215時間
無線のメッセージが届いた。
「少佐、私たちはここでお別れです。もうあなたは自由に飛行機をコントロールできます。ごきげんよう!」
私たちは姿を消して青空へ戻っていく飛行船をしばらく眺めていた。飛行船は強い下降気流に一瞬呑まれたように見えた。
私たちはしばらく口を利かず、それぞれが自分の思考の中で時を過ごしていた。
フライトログの継続ー220時間
私たちは再び氷と雪の壮大な景色に戻っていた。ベースキャンプは約27分間の距離だった。無線チームと連絡が回復した。私たちはすべての状況が正常だと報告し、ベースキャンプはコンタクトが確立して安心したようだった。
ー300時間
私たちは、スムーズにベースキャンプに着陸した。そして私は任務を預かっていた。
ーログ最終:1947年3月11日
私は立った今、ペンタゴンのスタッフミーティングに出席して、自分の発見のすべてとマスターのメッセージを報告した。そのすべては公式に記録された。
大統領は助言を受けた。私は数時間(正確には6時間39分間)拘留されている。 私は国家安全機関のトップと医療チームに執拗な調査を受け続けている。職務命令を受けている!
私はアメリカ合衆国の国家安全保障条項に基づいて厳重な監視下に置かれている。私のすべての体験を口外してはいけないという命令を受けた。(人類条項1111)信じられない!しかし私は軍人だから命令に背くことはできないという注意を受けている。
1956年12月30日(最終エントリー)
1947年以来の数年間はあまり楽しい期間ではなかった。そして今私は自分の日記を公開して自分の体験を世に伝えよう思う。
最後に申し述べたいことは、私はこの数年間、命令に忠実に従って自分の体験を秘密にし続けてきたという経過である。しかしこのメッセージを伝えずにおくことは、自分の価値観と道徳意識に反するのである。
今、私は人類の長い夜が訪れようとしていると感じている。そしてこの秘密を道連れにして私は死ぬわけにはいかないのだ。
すべての真実がそうであるように、必ず真実が勝利を果たす。このメッセージは人類にとっての唯一の希望となるからである。そして、その信念が私に行動を急がせると共に、私の心を自由に解放してくれている。
私は怪物のような軍事産業複合体への義務を果たした。今、人類の長い夜が近づこうとしている。そしてその夜は終わりなく続くのだ。
北極の長い夜が終わるように、真実の輝きが立ち昇る朝日のように再び地球を照らすと信じている。その光の中で暗闇に属する者たちは、地表から消え去っていくであろう。
私はその世界を現実に目撃した!
北極の中心からその巨大な未知の世界に入って、地表に戻ってきたのだ!
リチャード・E・バード少佐(アメリカ海軍)
1956年12月24日
Admiral Richard E. Byrd
United States Navy
24 December 1956
World Top Secret: Our Earth Is Hollow!
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フライトログ:北極ベースキャンプ1947年2月19日
6時:北へ飛行する準備完了。6時10分燃料タンク満タン。
6時20分:スターボード・エンジンの燃料過剰による不具合を調整。プラット・アンド・ホイットニー順調に作動中。
7時30分:ベースキャンプのラジオ点検完了。受信機は正常に作動。
7時40分:スターボード・エンジンのオイル漏れを点検。オイルインジケーター正常を確認。
8時:高度2321フィートでかすかな東方への乱気流発生。高度を1700フィートに修正。乱気流停止。追い風が増加。スロットル・コントロールを微調整。航空機、極めて順調に飛行。
8時15分:ベースキャンプのラジオ点検。正常に受信。
8時30分:再び乱気流発生。高度を2900フィートに修正。正常な飛行に復帰。
9時10分:巨大な氷と雪を下に確認。黄色がかった自然の色彩。線状の図形が分散。下の図形を確認するために進路を変更。赤と紫の色彩が追加。この地域の周囲を全速で回転して予定した進路に復帰。ベースキャンプに位置確認。氷と雪の色彩図形を報告。
9時10分:磁石・ジャイロの両方のコンパスが回転・動揺。進路の装置による固定不能。サンコンパスを使用して進路調整。順調に作動。コントロールの反応は緩慢だが凍結の心配はなし。
9時15分:遠くに山脈の眺望。
9時49分:最初の目撃から29分後も山脈の眺望が続く。蜃気楼ではない。目撃しているのはこれまでに見たこともないほどの規模の山脈だ。
9時55分:高度2950フィートで再び強い乱気流発生。
10時:小さな山脈を横切って北への飛行を継続。山脈の向こうに小さな川の流れる谷間を発見。ここは何か異常な場所だ!私たちは氷と雪の上を飛行しているはずなのだ!山の斜面には広大な森林が広がっている。ナビゲーション装置は回転し続けている。ジャイロスコープは前後に振り子運動をしている。
10時5分:1400フィートに高度を修正。下の谷間を観察するために左に進路を変更。谷間に生えているのは苔とニットグラスだ。ここは光が違う。もはや太陽は見えない。再び左に進路を変更。下に巨大な生物を確認。ゾウのようだが・・・違う!マンモスのように見える!ありえないが今見ているのはマンモスだ!高度を1000フィートに変更して双眼鏡で動物を観察。まちがいなくマンモスであることを確認。ベースキャンプに発見を報告。
10時30分:さらに多くの緑色の丘陵に遭遇。外部の気温は華氏74度(摂氏23・3度)。前方への飛行を継続。ナビゲーション装置、現在は正常に作動。装置の作動変化は理解不能。ベースキャンプに連絡。ラジオが機能停止!
11時30分:平坦で正常な田園風景が下に見える。(「正常」という言葉を使っても良いのなら・・・)町のような風景を目撃!ありえない!航空機が軽くなったように感じてから奇妙に弾み始める。コントロール不能!神様!ポートとスターボードの向こうに奇妙なタイプの航空機を目撃。急速に傍らに接近!円盤の形をしていて光沢があり輝いている。
現在、充分に観察可能な距離に接近。スワスティカ・タイプだ!驚くべき遭遇だ!私たちは今どこにいて、何が起きているのか?再びコントロールを試行。反応なし!目に見えない罠にかかったようだ!
11時35分:ラジオがパチパチと音をたてて、ノルウエー又はドイツ語なまりの英語の放送を受信。メッセージが流れる。「ようこそ、少佐、私たちの世界へ。あなたはこれから正確に7分で着地します。くつろいでください。私たちを信頼してまかせてください。」航空機のエンジンは停止していた。航空機は奇妙なコントロールを受けていて自動的に飛行をしている。こちらでコントロールすることはできない。
11時40分:再びラジオメッセージを受信。着地に向かっている。航空機が寸簡的に微振動。未知の巨大なエレベーターに乗っているように降下。降下の動きはほとんど感知できない。ほんのわずかな振動で着地!
11時45分:フライトログの最終。数人の男性が歩いて航空機に接近。背が高くてブロンドの髪。虹色に輝く巨大な街並みが見える。これから何が起きるのかはわからない。ただ近づいてくる男たちは武器を持っている様子がない。航空機のドアが開いて私の名前を呼ぶ声が聞こえる。私は応じた。(ログ終了)
FLIGHT LOG: BASE CAMP ARCTIC, 2/19/1947
画像:Operation ”Highjump” & The UFO Connection
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