あれは、30年近く前になるだろうか・・・大学を卒業して教員採用試験を受けたが、中学校に口が無くて小学校の臨時採用教師をした。いきなり一年生を受け持ってしっちゃかめっちゃかになって3ヶ月で退職した。失意を癒すためもあって、一人で三鷹で塾を開いた。当時の婚約者も離れていって、一人で子どもたちだけとすごした毎日だった。そんな頃、一匹の猫が足を怪我して倒れていた。ミルクをやるとそのまま住みついた。小さな黒い猫だった。それからも足の傷は癒えずびっこを引きずっていたが、子猫らしい明るさを取り戻した。心の傷と足の傷・・・傷ついた時こそ人はやさしくなれるのかもしれない。
組合にあこがれた頃
組合にあこがれた頃