2000年11月6日
タイムトラベラーが正体を隠したがる点については、容易に理解いただけるだろう。始めのトラベルで使った自動車は2036年に見つけたもので1975年でも目立たないように選んだものだった。残念ながら2000年では通用しないので売り払って新しい車に代えた。
歴史を書き換えることは誰にもできない。私がこの世界に影響を与えられるのはみなさんができる程度を超えるものではない。どうしてこの時代の人々はタイムトラベラーが歴史に干渉することを恐れるのだろうか。それは、誰もが毎日行っていることにすぎないのに・・・
私はあなたがたに言うことを信じてもらおうとしているのではない。大部分の人々はこれから始まる戦争の話を聞きたがらないが、それが避けがたいものであることを誰も否定できないと思う。これからの戦争の期間には重要な発明と発見はなされない。どうやって新しいやり方で人を殺し傷つけるかを考える時代には、それはありえないのである。
私は大きな電気会社に勤務しているわけではない。チップ株のようなものが、あなたの知りたい重要な未来情報なのだろうか?この時代に生きるあなたの質問が何を表すかおわかりだろうか?今のこの時代は未来からは、“利己主義が慈善と協力を不可能にした時代”と記録されているのだ。
ジョンはチップ株についての質問に激怒していました。彼の気持ちでは読者は彼のメッセージの真意を理解しないでその情報から利益を引き出そうとしていると感じたのです。情報を知らせようかとも思ったらしいのですが、結局断固しませんでした。
極冠の溶ける速さは現在と変わらない。2036年にはスモッグと産業廃棄物ははるかに減る。
ジョンは並外れた嗅覚の持ち主でした。ぜんぜん違う場所の、火・たばこ・石鹸のにおいをかぎわけました。私たちにはまったく気づかないときに彼は空気の変化を説明しました。
北極の氷についての質問を受けたが、環境問題の存在を否定はしない。水が凍るとき膨張しないだろうか?もし極冠の氷が溶けたら水位は下がらないだろうか?問題が生じるほどの氷があるかどうかはわからない。私は地球温暖化の専門家ではないのである。
(写真は極冠の氷)
John Titor A Time Traveler's Tale
タイター概略