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フラナガン水素 長寿村フンザの水を再現

健康と美しさをいつまでも、水素と酵素で細胞を生き生きさせる還元の発想
食べる水素(水素サプリ)と水素製品全般を紹介

もう一つの水素セミナー、健康博覧会2013

2013年03月18日 | 学術発表

3月13-15日にビッグサイトで開催された「健康博覧会2013」で、水素関連のセミナーが二件ありました。

もうひとつセミナーの紹介文に水素と書かれていないものの、水素に関するセミナーがありました。2013年3月13日に東京ビッグサイト会議棟6Fで開催された、(社)日本食物繊維学会理事長 奥恒行氏による「食物繊維の新しい視点~ルミナコイド研究の展望」では、食物繊維、オリゴ糖、糖アルコール、レジスタントプロテイン、難消化性デキストリン、希少糖などを包括する「ルミナコイド」についての解説です。

この中で、難消化吸収性の糖質が腸内の微生物によ発酵で、代謝産物のひとつとして水素ガスをあげ、これが抗酸化作用を発現している可能性を解説しました。ヒトがセルロースを食べると、14時間後に水素が呼気から排出される相関関係を図示しました。
また別の研究事例として、名寄市立大学の西村直道教授がラットにペクチンを与えたとき、酸化障害が軽減されることをグラフで紹介しました。

水素水の水素ガスは体内で30分程度しか発生できないのに対して、腸内発酵によって大腸内で発生した水素は、生体内で持続的に酸化ストレスを軽減できる点が大きく異なります。

【関連記事】
大腸内発酵による水素生成で生活習慣病予防の可能性
体内発酵で水素が発生すると、より水素を吸収しやすい
腸内発酵による水素発生と呼気中の水素ガスは代謝に関連する


第3回分子状水素医学シンポジウム開催

2013年02月11日 | 学術発表

2013年2月9日と10日の二日間にわたり、東京品川区の「きゅりあん(品川区立総合区民会館)」で、第3回分子状水素医学シンポジウムが開催された。

プログラム
第1日 2月9日(土)
開会挨拶・会長挨拶
第3回分子状水素医学シンポジウム世話人 大澤郁朗
分子状水素医学シンポジウム会長 太田成男

ミニシンポジウム
抗酸化とシグナル伝達-水素の作用機序解明を目指して-
オーガナイザー 伊藤雅史
座長:伊藤雅史(東京都健康長寿医療センター研究所)、野田百美(九州大学薬学研究院)

MS-1. 水素によるシグナル伝達の制御
伊藤雅史
東京都健康長寿医療センター研究所老化機構研究チーム

MS-2. 水素とビタミンC の抗酸化、シグナル伝達への関与
石神昭人
東京都健康長寿医療センター研究所分子老化制御

MS-3. ガス状分子によるシグナル伝達制御:NOによるS-ニトロシル化修飾
松本明郎
千葉大学大学院医学研究院薬理学

一般演題1 15:15~16:51
座長:市原正智(中部大学生命健康科学部)、上村尚美(日本医科大学)

OS-1. 水素水による視神経虚血障害保護効果
野田百美、藤田慶大 、Margaret A. Hamner、山藤芽実、城戸瑞穂、田中義典、中別府雄作、 Bruce C. Ransom、九州大学歯学研究院分子口腔解剖学分野、Dept. Neurology, Univ. of Washington Sch. of Med.,Seattle, Washington, USA、九州大学歯学研究院分子口腔解剖学分野、パナソニック電工株式会社電器R&D センター美容科学研究室、九州大学生体防御医学研究所脳機能制御学分野

OS-2. 発達期の脳における麻酔薬の神経毒性とその対処法の開発
佐藤泰司、与那嶺龍二、風間富栄
防衛医科大学校麻酔学講座

OS-3. 急性呼吸窮迫症候群モデルマウスを用いた分子状水素の炎症軽減効果の検討
祖父江沙矢加、土肥健太郎、望月利晃、大桑哲男、市原正智

OS-4. ラットモノクロタリン誘発肺高血圧モデルにおける飽和水素水の効果
岸本泰明、東慶輝、深澤佳絵、伊藤美佳子、大野欽司、加藤太一

OS-5. ラット心停止モデルを用いた水素吸入療法と低体温療法の予後改善効果の検討
林田敬、佐野元昭、上村尚美、横田隆、太田成男、福田恵一、堀進悟

OS-6. 水素水による抗がん剤ゲフィチニブの副作用抑制
鈴木徹也、寺崎泰弘、川口英夫、大澤郁朗

OS-7. 水素水投与は筋萎縮性側索硬化症モデルマウスの発症を遅らせる
岡田有以,伊藤美佳子,後藤沙絵,大野欽司,平山正昭

OS-8. 糖尿病モデルマウスにおける分子状水素の効果と遺伝子発現誘導の網羅的解析
上村尚美、一宮治美、太田成男
日本医科大学大学院医学研究科加齢科学系専攻細胞生物学分野

招待講演
座長:大澤郁朗(東京都健康長寿医療センター研究所)
水素分子の気相ラジカル反応と重水素同位体効果
三好 明
東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻

教育講演
座長:石神昭人(東京都健康長寿医療センター研究所)
水素の臨床応用の現状と将来
大野欽司
名古屋大学大学院医学系研究科神経遺伝情報学

最後に基調講演として日本医科大学の太田成男教授が「水素医学研究update」と題して最新の情報を講演した。


ミトコンドリア機能低下とがん化・がん進行の仕組みを解明

2013年01月19日 | 学術発表

科学技術振興機構(JST)課題達成型基礎研究の一環として、神戸大学の井垣 達吏 准教授らは、がん組織で高頻度に認められるミトコンドリアの機能低下が周辺組織の悪性化(がん化)を促進することを発見し、その仕組みを解明しました。

本研究の成果は、がん細胞中のミトコンドリア機能低下ががん化やがんの進行にどのように関わっているかを示した点、しかもその具体的な仕組みを解明した点、さらにこれを生体中で証明した点で、世界で初めてです。

今後、ショウジョウバエで明らかになったメカニズムを哺乳類の実験系で確認することで、ミトコンドリア機能障害やそれによって炎症性サイトカインや細胞増殖因子が放出される機構、すなわち前がん細胞同士の相互作用を標的とした、これまでにない新しいがん治療法の確立が期待されます。

JST発表「細胞間の相互作用で良性腫瘍ががん化する仕組みを解明」より
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20121001/index.html

Mitochondrial defect drives non-autonomous tumour progression through Hippo signalling in Drosophila
http://www.nature.com/nature/journal/v490/n7421/full/nature11452.html


第11回日本機能水学会学術大会で、カロリンスカ研究所との共同実験を発表

2012年10月31日 | 学術発表

10月20日~21日、岐阜市・じゅうろくプラザで第11回日本機能水学会学術大会が開催された。
大会長の早川享志 岐阜大応用生物科学部教授による講演「健康的・活動的であるための水戦略」に続き、27のセッション発表と、3つの特別講演が行なわれた。

中でも、2日目の教育ランチョン・セミナーが興味深い。
座長の吉川敏一教授 (京都府立医科大学学長)と、カロリンスカ研究所神経科学部 (スウェーデン)のステファン スパルバー研究員による、「神経炎症及びマウスにおける病気挙動に及ぼす分子状水素の効果(原題:Effect of molecular hydrogen on neuroinflammation and sickness behavior in mice)」が発表された。
九州大学農学部とスウェーデンのカロリンスカ研究所の研究グループは、マウスをつかった共同研究で、水中に含まれる分子状水素(水素ガス)が、脳神経細胞の炎症を抑制し、回復を早める効果をもつことを突き止めた。この研究は、8月に「Plos One」誌で「電解還元水中の分子状素は脳神経炎症を抑制し、疾病行動から回復促進する(原題:Molecular hydrogen reduces LPS-induced nueroinflammation and promotes recovery from sickness behaviour in mice)」として掲載された。
実験に際して、電解還元水機器販売の日本トリム(大阪市)が資金や機器の一部を援助した。

一過性の炎症を起こさせたマウスに水素豊富電解還元水を飲ませると、神経炎症が早く消失したことが実験で確認されている。
カロリンスカ研究所との共同実験で、水素の効果が確認されたことは大きな意義がある。

カロリンスカ研究所がノーベル医学・生理学賞を発表
脳神経細胞の炎症、水素ガスで抑制 九州大学など研究チーム


医療新時代の扉を開いたiPS細胞

2012年10月26日 | 学術発表

その原点は、アメリカ時代に恩師から受けた言葉にありました。
科学者の成功の秘訣は「VとW」。
長期の目標(Vision)を立て、がむしゃらにやる(Work)こと
サンフランシスコのグラッドストーン研究所ロバート・メーリー名誉所長
NHKスペシャル「ノーベル賞・山中伸弥 iPS細胞"革命"」10/21放送

長期的な展望と しっかりした目標を持ち、
懸命に努力を重ねれば、その一念は必ず叶う

月刊致知2012年11月号・山中伸弥(ノーベル賞受賞者/京都大学 iPS細胞研究所所長)

ニュートン2012年12月号では、30ページにわたってiPS細胞と山中伸弥教授の特集をしている。
その記事に続いて、ミトコンドリアが20ページにわたって特集されている。
健康や運動能力にかかわる細胞内の”エネルギー工場”
今、解き明かされる最重要の細胞内器官

・体重の1割を占める、細胞内の”エネルギー生産工場”
・約5万倍に拡大して内部をみてみよう
・極小の”水車”をまわして、エネルギーの運び手をつくる
 私たちの体内では食べ物のエネルギーを直接使うことができない。体は「ATP(アデノシン三リン酸)」という分子をエネルギー源としてさまざまな活動を行っている。食べ物のエネルギーをもとに、体内で使用できるエネルギー源ATPを合成するのが、ミトコンドリアだ。

 ミトコンドリア内でATPをつくりだすのは、内膜にある「ATP合成酵素」というタンパク質である。このタンパク質の存在は、1960年代にはすでに明らかになっていた。しかし、ATP合成酵素がATPをどのようにつくるのかという問題は非常にむずかしく、長い間、世界中の研究者を脳ませてきた。

意外だった!回転して合成するタンパク質
 1981年、アメリカの化学者ポール・ボイヤー(1918年~)が、「ATP合成酵素が回転してATPをつくる」という回転説をとなえたとき、だれもこの説を信じなかった。「回転する酵素などは前代未聞で、真剣に受けとめる人はいませんでした」とATP合成酵素の研究を行う京都産業大学の吉田賢右教授は話す。

 世界中の研究者の間で議論がつづくなか、吉田教授らのグループは世界ではじめてATP合成酵素が回転するようすの観測に成功した。この研究が回転説の決定的な証拠となった。ボイヤーの回転説は正しかったのだ。吉田教授らの研究が発表された1997年、ボイヤーはノーベル化学賞を受賞した。ボイヤーは吉田教授から送られたATP合成酵素が回転するビデオを見て、「長い生涯で最も感動した映像だ」と話したという。

ATP合成のしくみは水力発電に似ている
 ATP合成酵素が回転して、ATPをつくるしくみは、水力発電に似ている。水力発電はダムにためた水が流れ落ちる勢い(エネルギー)を使って水車(タービン)を回して、発電する。一方、ミトコンドリアは、食べ物に由来するエネルギ一で水素イオンをミトコンドリアの外側に運びだし、外側に水素イオンをためる。ためた水素イオンがATP合成酵素の中を通ってミトコンドリア内部へと流れる勢いで、ATP合成酵素内の“タービン”が回転して、ATPをつくるのだ。

・ミトコンドリアを増やせば持久力、体力が増強される
・老化やがんをひきおこす「活性酸素」。その源はミトコンドリア
・カロリー制限で寿命がのびる?ミトコンドリアとの関係は?
 2009年7月、アメリカの科学雑誌『Science』に「力□リー摂取量を30%制限したサルは、老化の症状がおさえられ、長生きする」という研究が発表され、大きな注目を集めた。

カロリー制限で長寿遺伝子がはたらく!?
 カロリー制限と長寿を結ぶ鍵はミトコンドリアがにぎっているらしい。ミトコンドリアは、通常、食事由来の糖を使って、エネルギー源であるATPを生みだす。だが、カロリーを制限すると、体内の脂肪などを使ってATPを生産しはじめる。すると、長寿遺伝子「サーチュイン」がはたらき、その結果、ミトコンドリアの合成に必要な遺伝子たちがはたらきはじめ、新しいミトコンドリアがどんどんつくられていくのだ。新しくできたミトコンドリアは活発にATPをつくり、活性酸素の排出も少ない“高効率”のミトコンドリアになるという。効率の良いミトコンドリアができることで、細胞のはたらきが保たれ、老化しにくくなると考えられている。
 長寿遺伝子のスイッチを入れるのは、カロリー制限だけではないようだ。動物実験にょると、赤ワインなどに含まれるポリフェノールの1種(レスベラトロール)も長寿遺伝子のスイッチを入れ、高効率のミトコンドリアをつくらせるらしい(ただし寿命はのびないとの報告もある)。 2011年、レスベラトロールを肥満の男性に服用させると高血圧が下がったという報告もあり、老化との関係がますます注目されている。

単純ではない寿命の延長
 しかし2012年8月、イギリスの科学雑誌『nature』に「カロリー制限してもサルの寿命はかわらない」という研究結果が発表された。カロリー制限と寿命の関係について、相反する結果が出たことになる。老化の研究を行う京都大学の近藤祥司助教は「食べすぎている場合にのみカロリー制限の効果があるということかもしれません」と解説する。「カロリー制限やレスベラトロールが長寿遺伝子を活性化して、ミトコンドリアをふやすこと自体はまちがっていないでしょう。ただ霊長類のカロリー制限が本当に長寿に結びっくのかはわからなくなりましたね」(近藤助教)。サルの実験はどちらもまだ中間報告である。さらなる結果が待たれるところだ。

・細胞に「死」の指令を出して、個体の生命を守る
・精子のミトコンドリアは卵子に食べられてしまう
・糖尿病や記憶力低下もミトコンドリアが原因か

ニュートン 2012年12月号より


カロリンスカ研究所がノーベル医学・生理学賞を発表

2012年10月09日 | 学術発表

iPS細胞を開発した京大の山中伸弥教授がノーベル医学・生理学賞を受賞した。
毎年この時期に発表されるが、この分野で日本人は二人目の受賞になる。

ところで、ノーベル医学・生理学賞が発表されるとき、必ず書き出しが「スウェーデンのカロリンスカ研究所は・・・」と始まるのは、意外と知られていない。ノーベル賞の各部門は、物理学賞と化学賞はスウェーデン王立科学アカデミー、医学・生理学賞はカロリンスカ研究所、文学賞はスウェーデン・アカデミー、平和賞はノルウェー国会が選出することになっている。

そのカロリンスカ研究所で、水素に関する研究発表が三度行われている。
九州大学の白畑實隆教授の記事より。

2007年5月15日
第一回目は、カロリンスカ研究所環境医学研究所のステン・オレニウス名誉教授の招聘により、環境医学研究所でセミナー「酸化ストレス関連疾患の予防及び改善効果を持つ還元水の作用機構(原題は英文)」が開催された。セミナーには多くの教授や研究員、学生が参加し、細胞内活性酸素を消去し、酸化ストレス関連疾患を抑制する電解還元水及び天然還元水の作用機構について熱心な討議がされた。ステン・オレニウス名誉教授は、カロリンスカ研究所(カロリンスカ医科大学)の医学部長、環境医学研究所長を歴任されたミトコンドリアの活性酸素研究の大家である。

2009年6月4日
スウェーデン生理学会が後援した招待セミナーは、カロリンスカ研究所神経科学科で開催された。招待者は神経科学科神経毒性学教室のサンドラ・セッカテリー教授で、「酸化ストレス関連疾患の予防及び改善のための水素及び白金ナノ粒子を含む還元水(原題は英文)」であった。多くの教授や研究員が参加して、予定の1時間を超える熱心な討議が行われた。

2011年5月12日
環境医学研究所毒性学教室のボリス・ツィボトスフキー教授の招待で開催されたセミナー「動物細胞における新規レドックス調節因子としての水素及びミネラルナノ粒子の作用機構(原題は英文)」には多くの教授や研究員、学生が参加した。招待者のツィボトスフキー教授はミトコンドリアの機能不全による細胞死の機構解析で著名な科学者である。セミナー終了後、オレニウス名誉教授、准教授の先生方及び学生と討議を行った。オレニウス名誉教授から「この4年間で還元水に関する研究が大変進歩した。なかでも活性水素の作用が興味深い」とのコメントがあった。

電解還元水には水素分子やミネラルナノ粒子が含まれており、その相互作用により強力な還元物質である活性水素(原子状水素)が発生する。電解還元水中の水素は水素ガスボンベから吹き込んだ水素水よりも還元活性が高いことが報告されている。また、微量のミネラルナノ粒子はSOD酵素やカタラーゼ酵素と同様な触媒活性を持つほか、ヒドロキシルラジカルを消去する活性も極めて高いことを当研究室で明らかにしている。また、水素化ミネラルナノ粒子は活性水素を供与する新しい抗酸化剤として注目されている。無害な飲料水を用いて作製される電解還元水は電気エネルギーを水素やミネラルナノ粒子の形で保持した水であり、天然還元水(いわゆる奇跡の水と言われている水の一部)は地下の岩石エネルギーにより地下水が還元されて水素やミネラルナノ粒子を含むようになったエネルギー水であると考えられる。

今年の7月には、カロリンスカ研究所と九州大学・日本とリムとの共同論文がオンライン科学雑誌「PLoS ONE(プロス ワン)」に掲載されている。

電解還元水中の分子状水素は脳神経炎症を抑制し、疾病行動からの回復を促進する
http://www.kyushu-u.ac.jp/pressrelease/2012/2012_07_23_2.pdf

【関連記事】
脳神経細胞の炎症、水素ガスで抑制 九州大学など研究チーム
九州大・白畑實隆教授、酸化ストレス疾患を抑制する活性水素について講演
「健康に良い還元水研究の進歩」総説論文を発表


水素水、高濃度で氷に 廣瀬名誉教授が特許申請

2012年10月03日 | 学術発表

 金大大学院客員教授・同大名誉教授の廣瀬幸雄氏は28日までに、水素水を高濃度で凍 らせる技術を特許申請した。今年5月、加賀市の山中温泉が老化防止作用のあるとされる 水素を豊富に含むことを確認した廣瀬氏は、さらなる活用策を模索。温泉水を凍らせ、水 素を閉じ込めることを思い付いた。氷は飲用のほか、魚介類の鮮度を保つ効果も期待でき 、廣瀬氏は「湯治の里」を目指す山中温泉と連携し、「温泉氷」の活用に乗り出す。
  廣瀬氏は5月、同温泉長谷田町の「第2菊の湯」に1リットル当たり397ppb(p pbは10億分率)と、湯治場として名高い秋田県玉川温泉の5倍以上の水素が含まれる ことを確認。各地の有名温泉と比べても突出していた。

  8月に廣瀬氏は田中實山中商工会長らの立ち会いで再調査。総湯「第1菊の湯」では5 月と測定場所を変え、男性浴場前の飲用場で測ったところ、1リットル当たりの水素量は 604ppbと、「第2菊の湯」を大幅に上回る極めて高い数値を示した。

  しかし、廣瀬氏が飲用として温泉水をペットボトルに入れて持ち帰ったところ、密封し なければ2日、ふたをしても1週間程度で水素量はほぼゼロになり、水素の保存法が課題 となっていた。

  冷凍方法を検討した結果、冷凍庫内に磁場を発生させ、水分子を細かく振動させながら 瞬時に凍らせる「過冷却」の手法で、より多くの水素が保存できることも判明。1日置い た山中温泉水(1リットル当たりの溶存水素量495ppb)を凍らせ、溶けた時点の水 素量を測定したところ、過冷却では409ppbの水素が残り、通常の冷凍庫の1・3倍 となった。

  水素には、生活習慣病などさまざまな病気の原因とされる過剰な活性酸素を消去する作 用があるなどの研究が進み、入浴、飲用による効果が注目されている。廣瀬氏によると、 水素水で作った氷で魚を保存すれば、抗酸化作用によって鮮度を長く保つ効果も期待でき るという。

  山中温泉はNPO法人「健康と温泉フォーラム」(東京)の「日本の名湯百選」に選ば れ、北陸大と連携した「湯治の里」を目指す地域振興プロジェクトも始まった。廣瀬氏は 「温泉水の健康効果を多くの方に味わってもらえるよう考えた。『健康』をテーマにした 温泉地活性化に期待したい」と語った。
http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20120929104.htm


目からウロコ! 「ラクして健康、ラクして美しく」アカデミックシンポジウム2012

2012年09月17日 | 学術発表

2012年9月16日、「アカデミックシンポジウム2012」(主催:株式会社 統合医療推進機構)が有楽町・よみうりホールで開催された。統合医療推進機構の理事長に就任されたテレビでおなじみのアンチエイジングの権威・久保明先生をはじめ、各ジャンルで水素と健康について研究されている先生方が一堂に会し、興味深い研究結果を発表した。

■アカデミックシンポジウム2012 目からウロコ!
 「ラクして健康、ラクして美しく」 ~水素を知らなきゃ損をする~


■講師・演題一覧(講師名敬称略)
久保明
演題:老化への挑戦:健康情報を活かして~元気なあなたをつくる6つのヒント~
プロフィール:医学博士。(株)統合医療推進機構理事長。東海大学医学部 抗加齢ドック教授。厚生労働省 薬事・食品衛生審議会専門委員。新潟薬科大学客員教授。内分泌・糖尿病専門医。日本抗加齢医学会評議員。日本総合健診学会評議員。

健康情報は
”本当にそうなのか?”、”自分にあてはまるのか?” と、たちどまってとらえる

正反対の説がある。
従来の抗酸化物質は、本当に有効なのか?

活性酸素種のうち、生体に必要なものもあるので、すべてを叩いてしまっては不都合。

水素は最も毒性の強いものだけ還元する。

佐々木裕子
演題:水素による毛髪ミネラルの変動について
プロフィール:株式会社統合医療医学推進機構顧問。仙台白百合女子大学 人間学部健康栄養学科 准教授。障害学博士。管理栄養士。

佐久間一穂
演題:水素の糖尿病に対する治療効果
プロフィール:(株)統合医療推進機構DACメンバー。日本心身医学会認定医。日本精神神経学会専門医。日本内科学会会員。ミチワクリニック 心療内科・内科 院長。

那須美行
演題:水素サプリメントの細菌に対する抗菌作用
プロフィール:(株)統合医療推進機構DACメンバー。1974 年臨床検査技師国家資格取得。二級臨床病理技術士 ( 微生物学・寄生虫学 )。認定臨床微生物検査技師。感染制御認定臨床微生物検査技師 (ICMT) 取得。

福島光章
演題:水水素のはたらき ~なぜ水素は溶存量が大切なのか~
プロフィール:(株式会社アッチェ顧問。プラズマ水素研究会代表。物理学研究者。


水素水が活性酸素除去 病気予防への応用に期待

2012年08月18日 | 学術発表

 強い酸化力で細胞を傷つけ、老化やがんの原因になるとされる活性酸素を、水素で効率よく除去できることが最近の研究で分かってきた。さまざまな病気の予防や症状の悪化防止への応用が期待されている。

 「水素は体に悪い活性酸素だけを選んで除去するのが特徴」と話すのは日本医科大学の太田成男教授(細胞生物学)。

 活性酸素にはいろいろな種類があり、酸化力が強いものは体に悪さをするが、弱いものは細菌など外敵を退治する“善玉”の性質がある。太田教授は5年前、水素が善玉の活性酸素には作用しないことを培養細胞の実験などで確認。活性酸素を除去する成分といえば、ビタミンC、Eやポリフェノール類も知られている。だが、これらは善玉も悪玉も一緒に攻撃してしまう。

 では、どんな方法で水素を体に取り入れたらいいのか。太田教授によると、水素を溶け込ませた水(水素水)の形で摂取するのが最も手軽で便利という。

 「水素は分子が非常に小さいため、細胞の隅々まで入り込んで作用します。活性酸素を除去した後は“水”に変わり、他の物質を攻撃したり体内に蓄積したりすることもありません」

 水素水の影響をマウスの実験で調べたところ、興味深い結果も出た。水素水(1リットル当たり水素1.6ミリグラム含有)を飲ませたマウス(36匹)と、飲ませないマウス(同)の双方に高脂肪のエサを与えて比較。水素水には寿命を延ばす働きがみられた。最近では水素を新しい治療法などに役立てる研究も広がっている。例えば高齢者に多い神経難病の一つ「パーキンソン病」の患者に対し、臨床試験が順天堂大学などで進められている。

 「心筋梗塞や脳梗塞、認知症の治療に利用する動きも出ています」と太田教授。水素水は市販品も数多くあるが、「含有量が明示され、水素分子を通さないアルミ製の容器に詰められた商品を選ぶといいでしょう」と話す。(中山忠夫)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120810/trd12081016320012-n1.htm


震災関連死は「避難所疲れ」原因47%、復興庁の調査

2012年07月13日 | 学術発表

2011年3月の震災後に、肉体的影響より深刻な心のストレス、敵は「根拠ない恐怖心」と記事を書いた。

中でも印象的なのは、チェルノブイリ原子力発電所の避難命令区域に勝手に戻って今も生活している女性の言葉だ。
「避難した人の多くは死んでしまったけど、私は今も生きてるわ」

これを裏付けるような調査結果が、復興庁の調査でわかった。

「避難所疲れ」原因47% 復興庁、震災関連死529人調査
毎日新聞 2012年07月13日 東京朝刊

 復興庁は12日、東日本大震災の被災者が避難所などで体調を崩して亡くなる「震災関連死」について、原因調査の中間報告を発表した。

 死亡原因として「避難所生活の肉体・精神的な疲労」が半数近い47%に上り、最多。次いで「避難所への移動による疲労」(37%)、「病院の機能停止による既往症の悪化」(24%)の順となった。死者の9割が70歳以上の高齢者だった。

 中間報告は12日、関連死の原因・対策に関する関係省庁の検討会で報告された。復興庁は3月末に震災関連死と認定した1632人のうち、岩手、宮城、福島の3県18市町村の1263人を調査。6月末までに529人分の死因を集計した。

 死亡診断書などによる調査で最も多かったのは、避難所生活の肉体・精神的疲労による249人。具体的には「断水してトイレが不備な環境で水分を控えた」「避難所の狭いスペースに詰め込まれ疲労困憊(こんぱい)した」などの事例が報告された。

 病院の機能停止による127人については、病院職員がほとんど避難し適切な治療が受けられなかったり、食事がままならず、余震の危険から点滴も外されるなど、深刻な事例が相次いだ。
【岡崎大輔】

これについて、池田信夫氏が書いている。

事故に続く25年の状況分析によって、放射能という要因と比較した場合、精神的ストレス、慣れ親しんだ生活様式の破壊、経済活動の制限、事故に関連した物質的損失といったチェルノブイリ事故による社会的・経済的影響のほうがはるかに大きな被害をもたらしていることが明らかになった。

アパグループ 第4回「真の近現代史観」懸賞論文で受賞した札幌医科大・高田純教授のコメント。

誰一人核放射線で死んでいないし、今後も健康被害を受けない低線量との結果が見えたはじめた最初の4月初旬の福島現地調査以来、住民の線量検査をする科学者の私と人道支援する仲間は何度も福島を激励に訪れました。国内は、似非専門家たちが煽る放射線恐怖の報道を受けて集団ヒステリーに陥り、原子力発電停止による電力不足、東北の農水産物、そしてハイテク産業も風評被害を受けました。 http://www.apa.co.jp/book_ronbun/vol4/2011japan.html

避難地域を厳重に管理すべきかどうか、答えはすでにわかっているはずだ。
住民に「自己責任による判断」という選択肢を与えたらどうなのだろうか。

【関連記事】
放射能に勝つ「食材」「水」-細胞生物学の権威が緊急報告(週刊文春)
チェルノブイリ原発事故で最大の被害をもたらしたのは放射能ではない


元・ピッツバーグ大学の中尾篤典氏が健康博2013で特別講演

2012年07月03日 | 学術発表

このセミナーは、講師の都合により中止となりました。(2013/01/10)

来年の健康博覧会2013で、元・ピッツバーグ大学の中尾篤典氏が特別講演を行う。

水素フォーカス企画“第1弾”

“水素”医療実践のトップランナー
元・ピッツバーグ大学 移植外科 准教授
中尾篤典氏の特別講演が決定!!

健康博覧会オフィシャルサイトより

日程:2013年3月14日 13:00~13:50
会場:健康博覧会2013会場内(東京ビッグサイト4・5・6ホール)
   イベントステージ
協力:株式会社FDR・フレンディア


中尾篤典氏はピッツバーグ大学で、宇宙放射線の障害を予防するのに水素が有効とする可能性について、アメリカ航空宇宙局(NASA)と共同で研究した。2010年9月、その論文が学術誌に掲載され、その半年後2011年3月に福島の原発事故が発生して、放射線障害に対する水素の有効性がにわかに注目を浴びるきっかけとなった。

【関連記事】NASAが宇宙の放射線障害予防に水素が有効とする可能性を発表


NASA発表の「放射線に対する水素療法の可能性」の記事

2012年06月11日 | 学術発表

2010年12月の記事で、「NASAが宇宙の放射線障害予防に水素が有効とする可能性を発表」を書いた。

その3か月後に東日本大震災が起こり、福島で原発事故が発生した。
人々は放射能の恐怖におびえ、特に在日外国人が多数出国するパニックも起きた。

そんな中、「放射線障害予防に水素がいいらしい」と、このブログの記事が数多く転載された。
なぜブログの転載と言えるのか、冒頭の一行を見て欲しい。

宇宙放射線による酸化ストレス増加は、DNAや脂質の損傷を引き起こすこと知られており、宇宙旅行の主要な懸念である。

私のつたない英語力で、原文の「space travel」を直訳して宇宙旅行としていたのだが、よくよく考えて現時点で宇宙旅行はまだ一般的ではない。そこで震災のあとしばらくしてから今の宇宙飛行に修正した。

[修正後]
宇宙放射線による酸化ストレス増加は、DNAや脂質の損傷を引き起こすこと知られており、宇宙飛行の主要な懸念である。

このブログからNASAの記事が転載されたのは、修正前の「宇宙旅行」の文章がウェブ上に実にたくさんあることからわかる。このブログの注目度が意外にあるものだと感心したと同時に、誤字脱字にも気をつけなければならない。

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腸内発酵による水素発生と呼気中の水素ガスは代謝に関連する

2012年05月24日 | 学術発表

 腸内細菌による発酵で、炭酸ガス、水素ガス、メタンガスが発生する。奥教授は、腸内細菌が生成する水素ガスが代謝と関連することに注目し、糖質の代謝と排出される呼気水素ガスの関連を機能評価に利用できることを明らかにした。この研究を2011年5月の第65回 日本栄養・食糧学会大会で発表し、功労賞を受賞した。

難消化吸収性糖質の生理機能と生体利用に関する研究

奥 恒行
長崎県立大学シーボルト校 大学院人間健康科学研究科 栄養学専攻

 難消化吸収性糖質(難消化性オリゴ糖、糖アルコール、食物繊維など)は、小腸を通り抜けて大腸へ到達し、そこに棲息する腸内細菌による発酵を受けて酢酸、プロピオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸の他、炭酸ガス、水素ガス、メタンガスなどへ代謝される。これらの代謝産物のうち、短鎖脂肪酸が大腸から吸収されて肝臓や筋肉組織でさらに代謝され、エネルギーを産生する。すなわち、消化・吸収されない糖質であっても腸内細菌によって短鎖脂肪酸へ転換されると宿主のエネルギー源として利用される。ショ糖やでんぷんなど消化吸収性糖質の生体利用は、消化・吸収の概念で説明できるが、腸内細菌を介して利用される難消化吸収性糖質は発酵・吸収によって生体利用されるという概念を導入する必要がある。受賞者はこの発酵・吸収の概念を栄養学に導入すると共に、この考え方に基づいて、わが国で開発された単糖・オリゴ糖、糖アルコールおよび食物繊維などの難消化吸収性糖質のエネルギー評価を試み、エネルギー換算係数を提示した。また、受賞者は、腸内細菌を介してさまざまな機能を発揮するときに生成する水素ガスに注目し、呼気水素ガス測定の妥当性を様々な角度から検討して難消化吸収性糖質の機能評価指標に利用できることを明らかにした。血糖上昇やインスリン分泌を刺激するような糖質は大腸へ到達しないので呼気水素ガスを排出することはないが、呼気水素ガスを排出する糖質は血糖上昇やインスリン分泌を生じない。したがって、これら3つの指標を組み合わせることによって難消化吸収性糖質の生体利用性を評価することが可能となる。いずれもエネルギー源として利用されるが、その利用のされ方と有効エネルギー量が異なることを明らかにしている。
第65回 日本栄養・食糧学会大会 抄録誌より

これに関連して、カレーに含まれるターメリックの呼気水素への影響が報告されている(2006年、国立循環器センターと神戸女学院大学・名古屋大学)。カレー摂取と生体微量ガス成分の関連に関する調査の結果、「カレーに含まれるターメリックは呼気水素産生を亢進し,小腸通過時間を短縮させる」としている。

最近,分子状水素ガスは活性酸素種の中でも主にヒドロキシラジカル(hydroxyl radicals,・OH)を消去する作用をもつことがOhsawa らにより報告され,従来,不活性と考えられていた生体内分子状水素に新たな機能としての視点が加わった。この結果に相応するものとして,Kagaya らは若年女性では高齢者と比較し,ベースラインのみならず日本食摂食による呼気水素濃度の上昇反応の第1 相と第2 相が共に高くなることを報告している。これらの報告は呼気水素として評価される生体内水素分子は生体にとって有利に働いている可能性を示唆している。水素吸入の抗酸化ストレス作用と同様に,腸内醗酵による水素も抗酸化ストレス作用を発揮しているものと推察できる。

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マイナス水素イオンは存在しない?

2012年05月17日 | 学術発表

「マイナス水素イオンは存在しない」と言う人がいます。

岩波書店の理化学辞典には、こう記述されています。

通常、水素イオン(H)はK軌道に一個の電子(e-)が入っていて、H+になっているが、マイナス水素イオン(H)の場合、2個の電子(e-)が入っていてHになっています。H+H→H(水素ガス)となることでその存在が証明できます。

ブリタニカ国際大百科事典にも、マイナス水素イオンについて説明が書いてありました。

最近の研究で、マイナス水素イオンは存在しなくなったのでしょうか?
それとも理化学辞典やブリタニカ国際大百科事典は何十年も間違いを掲載し続けているのでしょうか?


「健康に良い還元水研究の進歩」総説論文を発表

2012年04月26日 | 学術発表

 九州大学の生命機能科学部では、16年以上研究をしてきた健康に良い水・還元水に関する研究成果と内外の研究動向をまとめた総説論文「Advanced research on the health benefit of reduced water」を食品科学工学分野では高いインパクトファクターを持つTrends in Food Science & Technology誌に発表した。
2012年4月26日
九州大学大学院 農学研究院 生命機能科学部門 システム生物学講座 細胞制御工学分野

英語論文:
Advanced research on the health benefit of reduced water

和文論文:「健康に良い還元水研究の進歩

日本では機能水、なかでも還元水に関する研究が急速なペースで進展している。電解還元水や天然還元水などの還元水は培養細胞中の活性酸素種を消去することができる。還元水は酸化ストレス疾患、例えば糖尿病、ガン、動脈硬化症、神経変性疾患や血液透析の副作用に対して予防および改善効果が期待されている。還元水中の活性物質は水素(原子及び分子)、ミネラルナノ粒子及びミネラル水素化物であることが示唆されている。

総括及び展望
蓄積した証拠から、還元水は健康に有益な水であり、糖尿病、ガン、動脈硬化症、神経変性疾患、アレルギー症および血液透析の副作用などの酸化ストレス関連疾患を抑制するということが示唆されている。活性酸素を除去する還元水の作用機序は複雑であると考えられる。電解還元水は水素分子及びミネラルナノ粒子を含んでいる。水素分子は抗酸化酵素の遺伝子発現を誘発できる新しいレドックス制御因子であることが明らかになりつつある。水素分子は金属ナノ粒子の触媒作用によってより強力な還元性を示す活性水素に変換されて生体内で作用する可能性がある。ミネラルナノ粒子自体も新しいタイプの多機能抗酸化剤である。ミネラル水素化物ナノ粒子はアスコルビン酸(ビタミンC)のような有機抗酸化物質などと同様な還元物質であり、還元水中の活性物質の候補でもある。天然還元水は上記の活性物質の1 つまたは幾つかを含み還元作用を示す可能性がある。電気、磁場あるいは光による水の活性化方法に関する更なる研究は、我々の健康により有益な高エネルギー水の開発に貢献すると考えられる。還元水は羊水と血液を浄化することによって、妊娠女性の健康状態を改善し、胎児の環境汚染に起因する障害を抑制できる可能性がある。
ガン、糖尿病、動脈硬化症、神経変性疾患、アレルギー症などの酸化ストレス関連疾患は多数の病因が絡み合っているために、従来の分子標的医薬では有効に対処できない疾患である。著者らが還元水に関する研究を始めたきっかけは、水道水の代わりに、還元水を日常的に飲用するだけで、上記の難治性疾患が改善されるという報告にあった。その後、酸化ストレス関連疾患の原因の一つである活性酸素を、電解水中の水素分子が何らかの機構で活性化されて生成する活性水素が消去することにより生体の恒常性を回復させるという活性水素還元水説を提唱し、さらにミネラルナノ粒子の関与を明らかにして活性水素ミネラルナノ粒子還元水説へと発展させた。還元水は生体内に速やかに取り込まれ、生体のあらゆる細胞を活性化して生体の恒常性の維持・回復に寄与する可能性がある。還元水に関する研究は、現在スウェーデンのカロリンスカ研究所をはじめ、世界各国で真剣な研究が開始されている。従来の抗酸化物質は活性水素を放出して活性酸素を消去した後に、プロオキシダントとして作用し、逆に酸化ストレスを増大させるという両刃の剣の性質を有している。還元水は主として還元力のみを示す温和な抗酸化物質として今後世界的に普及する可能性が考えられる。
還元水は食品の味、レオロジー、保存性を改善することによって、食品業界にも貢献しうる。産業においては半導体の錆を抑制するための洗浄水としての電解還元水の利用が期待される。環境の分野では、還元水によって還元的雰囲気を醸成することにより、腐敗菌や有害菌の増殖を抑制し、川と湖の水の水質改善に効果が期待される。地球創成の頃は水素ガスが豊富に含まれている還元的雰囲気にあり、地球で最初に生まれた原始細胞は水素分子を豊富に含んだ還元水中で生まれたと推測されている。

Trends in Food Science & Technology
Volume 23, Issue 2, February 2012, Pages 124-131
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0924224411002408/