科学技術振興機構(JST)課題達成型基礎研究の一環として、神戸大学の井垣 達吏 准教授らは、がん組織で高頻度に認められるミトコンドリアの機能低下が周辺組織の悪性化(がん化)を促進することを発見し、その仕組みを解明しました。
本研究の成果は、がん細胞中のミトコンドリア機能低下ががん化やがんの進行にどのように関わっているかを示した点、しかもその具体的な仕組みを解明した点、さらにこれを生体中で証明した点で、世界で初めてです。
今後、ショウジョウバエで明らかになったメカニズムを哺乳類の実験系で確認することで、ミトコンドリア機能障害やそれによって炎症性サイトカインや細胞増殖因子が放出される機構、すなわち前がん細胞同士の相互作用を標的とした、これまでにない新しいがん治療法の確立が期待されます。
JST発表「細胞間の相互作用で良性腫瘍ががん化する仕組みを解明」より
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20121001/index.html
Mitochondrial defect drives non-autonomous tumour progression through Hippo signalling in Drosophila
http://www.nature.com/nature/journal/v490/n7421/full/nature11452.html
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