2012.8.2 02:20
■マウスで効果
水中に含まれる分子状水素(水素ガス)が、脳神経細胞の炎症を抑制し、回復を早める効果をもつことを、九州大学農学部とスウェーデンのカロリンスカ研究所の研究グループがマウス実験で突き止め、1日発表した。電解還元水機器販売の日本トリム(大阪市)が資金や機器の一部を援助した。
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脳神経細胞の炎症が一因となるパーキンソン病の症状緩和などへの効果が期待されるといい、研究成果は科学雑誌「プロス ワン」に掲載される。
実験はカロリンスカ研究所で実施。マウスに分子状水素を豊富に含む水を1週間以上飲ませた後、脳神経細胞に炎症を引き起こす「リポ多糖」を投与し、マウスの運動量を調べた。
炎症の影響で、通常のマウスは運動量が6割以上も低下したが、分子状水素が含まれる水を飲んだマウスは、低下率が4割程度だった。
また、マウスの体重の変化を追うと、通常のマウスでは炎症による食欲不振で減少した体重が元に戻るのに9~10日かかったが、分子状水素を含む水を飲用したマウスは、3日後にはほぼ炎症前の体重に戻ったという。
カロリンスカ研究所神経科学科のステファン・スパルバー研究員は「炎症を抑制するメカニズムはまだはっきりしていないが、免疫機構に分子状水素が働きかけたと考えられる」としている。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120802/fkk12080202200001-n1.htm
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Molecular hydrogen reduces LPS-induced nueroinflammation and promotes recovery from sickness behaviour in mice.(PDF)(PMID:22860058)
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