2011年3月の震災後に、肉体的影響より深刻な心のストレス、敵は「根拠ない恐怖心」と記事を書いた。
中でも印象的なのは、チェルノブイリ原子力発電所の避難命令区域に勝手に戻って今も生活している女性の言葉だ。
「避難した人の多くは死んでしまったけど、私は今も生きてるわ」
これを裏付けるような調査結果が、復興庁の調査でわかった。
「避難所疲れ」原因47% 復興庁、震災関連死529人調査 毎日新聞 2012年07月13日 東京朝刊 復興庁は12日、東日本大震災の被災者が避難所などで体調を崩して亡くなる「震災関連死」について、原因調査の中間報告を発表した。 死亡原因として「避難所生活の肉体・精神的な疲労」が半数近い47%に上り、最多。次いで「避難所への移動による疲労」(37%)、「病院の機能停止による既往症の悪化」(24%)の順となった。死者の9割が70歳以上の高齢者だった。 中間報告は12日、関連死の原因・対策に関する関係省庁の検討会で報告された。復興庁は3月末に震災関連死と認定した1632人のうち、岩手、宮城、福島の3県18市町村の1263人を調査。6月末までに529人分の死因を集計した。 死亡診断書などによる調査で最も多かったのは、避難所生活の肉体・精神的疲労による249人。具体的には「断水してトイレが不備な環境で水分を控えた」「避難所の狭いスペースに詰め込まれ疲労困憊(こんぱい)した」などの事例が報告された。 病院の機能停止による127人については、病院職員がほとんど避難し適切な治療が受けられなかったり、食事がままならず、余震の危険から点滴も外されるなど、深刻な事例が相次いだ。 |
これについて、池田信夫氏が書いている。
事故に続く25年の状況分析によって、放射能という要因と比較した場合、精神的ストレス、慣れ親しんだ生活様式の破壊、経済活動の制限、事故に関連した物質的損失といったチェルノブイリ事故による社会的・経済的影響のほうがはるかに大きな被害をもたらしていることが明らかになった。 |
アパグループ 第4回「真の近現代史観」懸賞論文で受賞した札幌医科大・高田純教授のコメント。
誰一人核放射線で死んでいないし、今後も健康被害を受けない低線量との結果が見えたはじめた最初の4月初旬の福島現地調査以来、住民の線量検査をする科学者の私と人道支援する仲間は何度も福島を激励に訪れました。国内は、似非専門家たちが煽る放射線恐怖の報道を受けて集団ヒステリーに陥り、原子力発電停止による電力不足、東北の農水産物、そしてハイテク産業も風評被害を受けました。 http://www.apa.co.jp/book_ronbun/vol4/2011japan.html |
避難地域を厳重に管理すべきかどうか、答えはすでにわかっているはずだ。
住民に「自己責任による判断」という選択肢を与えたらどうなのだろうか。
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