ちょっと前の出来事ですが…。
トリノオリンピックでスケルトン競技の金メダルの有力候補であったアメリカのザック・ランド選手がドーピングで陽性とされ、トリノまで来たが出場でできなかったニュースをおぼえてますか?
彼がドーピングで陽性とされたものは、「飲む育毛剤」。商品名は「プロペシア」(輸入販売元 万有製薬)。日本でも昨年暮れより販売されている商品である。普通ではなぜ?と思われるかもしれないので、ちょっと調べてみました。
簡単に言うと、育毛剤成分のフィナステリドが禁止薬物で、DHT(デヒトロテストステロン-男性ホルモン作用物質)の隠蔽剤(いんぺいざい)として使われているからであるようだ。
また、痛風の治療に使われるプロベナシドも禁止物質の尿中排泄を抑制する作用があるので隠蔽剤としても使われるらしい。
日常何気なく使ってしまう医薬品の中にも、ドーピング違反になるものが多いという事である。
ドーピングという筋肉増強剤とか体重コントロールの為の利尿剤などが一般的であるが、近年は、ドーピングが巧妙化していて、ドーピングしている事を隠す薬品がたくさん使われてわかりづらくなっている。
ドーピング検査がある事によって、スポーツ選手は最低限の薬しか飲むことができない。正直いって、あまり効き目が強くない薬ばかりである。本当につらくても、なかなか薬を飲むことさえできない。トップアスリートほど体調を崩しやすい状況にあるともいえる。
日本では、国体や全日本選手権でドーピング検査が行われる程度である。トップアスリートでないから問題ないではなく、競技者としてスポーツをするのであれば、自分の飲んでいる薬やサプリメントなどにも十分に気をつけなくてはならない。ドーピングという言葉は十分に知れ渡っているのであるから、「知らなかった」では、済まされない状況になる事もあるかもしれない。