神社の世紀

 神社空間のブログ

平成23年初もうで

2011年01月27日 06時02分43秒 | 徒然

 今さら初もうでも何もないだろーが、と言われそうだが、22日の土曜日に大和の諸社をまわったのが、本当に俺の今年の初もうでだったのだから仕方がない。

 日中は奈良県南部のまだ行ったことのない神社をまわった。五條市湯谷市塚町の岩神神社は現地までは行ったものの、捜しきれなくて断念したが(ななかまどさんに聞いてから行けばよかった。)、後は荒木神社、丹生川上神社下社、天河神社、伊波多神社、櫛玉命神社、檜原神社を順調に参詣してきた。どノーマルのタイヤで行って大丈夫かと不安だったが、心配したほどの雪もなく、なんとか無事に天川村から戻ってこれた。

 意図したわけではないが、今回、行った神社には水との関係を感じさせるものが少なくない。参詣中からそのことがずっと印象に残った。水かぁ、今年は水についてもっと真剣に考えようかな、と思い立って新年の抱負とする。

 

 で、大神神社。

 到着したのは五時半ごろだったが、着くと睡魔に襲われたので、社頭の駐車場でシートを倒して寝てしまう(最近、ちょっと睡眠時間が足りてないからなぁ。)。ちょっと一寝入りのつもりが、起きたらば八時過ぎになっていた。何だかものすごく良い夢を見たらしいが、内容はまったく覚えていない。ただ、そうとうドーパミンが分泌されたようで、起きてからもワクワクした気分だけはずっと残った。着いたときはたくさん停まっていた他の車もほとんどいなくなっている。

 さっそく参拝に向かう。

 社頭
暗くて見苦しい写真だが、ストロボも三脚もなしにこれだけの
画像を撮ったことを考えれば、今のデジカメの性能はおそろしい。 

 鳥居をくぐって、両側に常夜灯が灯された参道に足を踏み入れる。それほど光量は多くないので、すぐ外側に原初の混沌をたたえた闇が広がる。この雰囲気、私は身が引き締まる感じがして好きだが、怖いという人がいても不思議はないだろう。

大神神社、夜の参道

 足許で砂利を踏むザクザクという音が夜のしじまを縫ってながれてゆく。いつもは向こうからも、参拝を終えて帰還する人のたてる同じ音が聞こえてくるものだが、この日は結局、社殿に着くまで誰とも会わなかった。まだ八時過ぎくらいの時間帯なのだから、こうしたことも珍しい。

 ヘビの手水舎につく。夜のここにいると、闇に覆われた三輪山のほうからオオモノヌシ神にじっと見られているような感覚におそわれる。

へびの手水舎

おなじみのヘビ

水面 

 社殿には兔の大絵馬がまだ飾ってあり、正月の名残を感じさせた。他の参拝客は熱心に祈っている二十代後半くらいの美人が1人だけ。思わず、まだ本当に八時くらいなのか、と腕時計を確認してしまう

大神神社社殿

同上 

 参拝を終えて、摂社の狭井神社へと向かう。この時も途中、誰にも会わなかった。というか、狭井神社にも他の参拝客はまったくいなかった。普通はくすり井のところで水をくんでいる先客がいるものだが、今回は終始、完全に貸し切り状態である。こんな日もあるのだなぁ

狭井坐大神荒魂神社

同上

同上

 狭井神社の参拝を終え、拝殿の裏にまわってくすり井にゆく

くすり井

ボタンを押すと水がでてくる。正面は飲む人用で、
水をくむ人は他の場所を使わなければならない。
よく工夫されたデザインだな、といつも感心してしまう。

 持参してきたペットボトルを慎重にセットしてから、ボタンを押して水をいれる。容器にだんだん水が溜まってゆく様子を見ていると、心が落ち着く。山頭火に「水音しんじつおちつきました」という句があったなあ

 

 総じて私はあまり神頼みということをしない性格だが、去年の秋、うちの部署に突然ものすごい予算がついて、それ以来、仕事に追われまくる日々を送っている。業務量は倍以上になのに、私の向かいの席にいた筆頭の主幹は4月から鬱病で休職のまま、── その分の業務もこなさなければならない。肉体的にも精神的にも正直キツイっす。夜中にこんなブログの原稿を書いているのも、はっきり言って逃避なのだ。(-_-;)

 とにかくそういう中で今回、「そうだご縁をいただきに大神神社に行こう。」と思い立って、今回の奈良への小旅行を敢行した。くすり井の水は毎朝、コーヒーを淹れて職場にもっていくつもり。これで4月まで何とか乗り切ろう

 狭井神社から大神神社への道。いつものことだが、ここを歩いて戻る頃にはそれまで抱えていた心のわだかまりやモヤモヤの類が雲散霧消している。やっぱり来て良かった

 再度、大神神社を参拝。感謝 ── 。  

 神杉のところで祝詞をあげている女性に出会った。  

  帰路、カーナビの指示に従っていたら、たまたま石上神宮の前を通りかかった。大神神社に参拝して、石上神宮に行かなかったら片詣りになるな、と思ってこちらも参詣。ここでも途中、一組のカップルとすれ違っただけで、後は全然、人に会わない。一月の中旬というのは神社仏閣に参詣する人が減る時期なのか。

 ここは楼門は閉まっているので、その外から参拝

 

 定番のアングル。奥の楼門ではなく、手前の手すりにピントを合わせるのがコツなのさ

 

 摂社、出雲建雄神社。気になる伝承、気になる祭神

 

 お気に入りの手水石。

 それにしても今回の神社参詣記を書いていて痛感したが、今のデジカメの性能はすごい。あまり照明の当たらないこの石だって三脚を使ってないんだから。これまで神社参詣は日が落ちたら終了だったが、これだけの画像が撮れるなら外灯さえあれば夜間もいけるかも