南野島男のGood Times

日常感じたことを面白おかしくエッセイ風に書きつづります。
これぞ笑いと勇気の玉手箱!

猫も杓子もプリウス

2009-07-08 00:16:27 | Weblog
エコカーの代名詞、トヨタのプリウスが軽自動車の売り上げを抜いて1位に躍り出た。
そういえばどこを見てもプリウスが走ってる近頃の道路。
若者からファミリー、そしてシルバー世代までが乗っている。
エコカー減税と環境のためにという大義名分で誰もがプリウスに乗る社会現象にまで発展しそうである。
近い将来、ショッピングセンターの駐車場にはプリウスばかりで、自分の車を捜すのに一苦労する時代がやってくる。
テレビでもやたらプリウスの販売を後押ししているが、今回のプリウス販売戦略はどうも素直に見ることはできない。
全てはトヨタという一企業のためのものでしかない気がしてならないのだ。
毎年巨額の政治献金を自民党に上納するトヨタだし、経団連のトヨタだし、日本郵政の役員でもあるトヨタだし、かんぽの宿を二束三文で身内のオリックスに横流ししようと企んだ西川社長のお友達だし、ただならぬ何かがある。
あたかもプリウスに乗ることが即ち環境のことを考えている人間であるかの如き錯覚に陥るがとんでもない。
プリウスに乗れば全てが環境にいいということではない。
現にプリウスという車は製造段階における環境負荷は普通の車に比べると3倍以上かかってしまうのである。
エコというのは燃費がいいから自分の家計が節約されるというだけの話である。
今年の一連の自公政権の政策を見ると、ばらまき定額給付金、裏が見え見えの高速道路1000円に乗じたETC販売計画、エコポイント、かんぽの宿売却などなど一部の誰かが得するための筋書きが存在する気がしてならない。
日本人は右に習えが好きな人種だから「もうみなさんプリウスに乗られてますよ」なんて言葉でころっと騙されてしまう。
ちょうど前回の総選挙で郵政民営化が正義で、郵政民営化に反対するのは抵抗勢力で悪と言われればそれを鵜呑みにしてほとんどの国民が小泉元首相を支持してしまった現象に良く似ている。
ところがここへきて郵政民営化がとんでもない売国政策だった事実に気がついた国民はやっと目を覚ました。
たぶん数年後にプリウスに乗っている人たちも「何でこんな猫も杓子号みたいな車に乗ってるんだ?」と気づく時がくるはずである。
その昔ぶら下がり健康棒が大ヒットし、全国津々浦々の家庭ではお父さんたちが健康棒にぶら下がるという社会現象が起きた。
ところがいつしか「何で俺、こんなものに毎日ぶら下がってるんだ?」と素朴な疑問が起き始めるのである。
あるものがヒットして社会現象のように流行するのは構わないが、今回のプリウスの様に利権が絡んで一部の人間だけが儲かる仕掛けはどうも好きになれない。
僕なんかプリウスを見るとどうしてもトヨタの奥田元会長やキャノンの御手洗会長や日本郵政の西川社長の顔が浮かんでしまう。

このままプリウスが売れ続けると、どこまで販売実績を上げるのかわからないが、ある時点に来ると潮が引くみたいにプリウス離れが起こることは間違いない。
全国のプリウスドライバーは、ぶら下がり健康棒に疑問を持ち始めたあの朝を必ず迎えるのだ。

『あおる麻生に、乗る麻生、同じアホなら乗らにゃあ損損』