南野島男のGood Times

日常感じたことを面白おかしくエッセイ風に書きつづります。
これぞ笑いと勇気の玉手箱!

帰ってきた朝青龍

2009-01-25 21:07:49 | Weblog
朝青龍が今場所見事優勝した。
場所前のけいこ総見でのめちゃ負けぶりで誰もが「朝青龍は終わった」と思っていた。
というか、今になって思えばあれは朝青龍が自分で書いた大芝居じゃなかったのかと疑いたくなるほどのドラマチックな初場所の復活劇であった。
けいこ総見で朝青龍をこてんぱんにやっつけていた力士たちは完璧にしてやられたことになる。
稽古場の隅で悔しそうに「チクショー!」と声を上げていた朝青龍は正に役者であった。
と、こういう見方ももしかしたらあるかもしれない。

今場所は朝青龍の行く末を見届けたいという多くの観客で満員御礼が続出した。
良くも悪くも朝青龍という相撲取りは本当に注目を浴びる人間である。
場所が始まり、今日沈むか今日沈むかと毎日多くの相撲ファンが朝青龍の最後を見届けに足を運んでいたら、中日を過ぎたあたりから全く事情が変わってきたのである。
もしかしたらこのまま行くんじゃないのと、逆に朝青龍が復活することをマジに予想する人が増えてきた。
そしてついにはあの朝青龍が優勝して「帰ってきた朝青龍」を現実のドラマにしてしまったわけだ。
昔、ウルトラマンシリーズでも「帰ってきたウルトラマン」というのがあったが正にそれに匹敵する。
そのシリーズでは後から「ウルトラマンタロウ」というのが出てきたが、今日もタイミングよくタロウは出てきた。
内閣総理大臣杯はなんと麻生タロウが直接登場し「横綱は強くなくちゃ」という名台詞を残して注目を浴びた。
しかし、国民の誰もが思ったのが、賞状を読み上げるときの麻生タロウちゃんがちゃんと漢字を読み間違えないかってこと。
たぶん秘書が気きかせて賞状にフリ仮名をふっていたに違いない。
「帰ってきた朝青龍場所」ともいえる今場所は本当に面白い場所であった。
しかし、個人的に言わせてもらうならば、今場所に最も感動した「帰ってきた力士」はあの輪島のNHK登場であった。
なんと23年ぶりに大相撲に帰ってきた輪島は全国の相撲ファンを喜ばせた。
NHKも粋なはからいをするもんだと感心したのだが、この伝説の横綱輪島の「帰ってきた劇」があってこそ「帰ってきた朝青龍」が実現したのである。
23年ぶりに帰ってきた輪島、そして23回目の優勝を果たした帰ってきた朝青、そして花を添えたウルトラKYタロウ。
最後の最後まで劇的な2009年初場所であった。