開業医の妻のたわごと

@目標→脳天気

@妄想女なり

@人間万事塞翁が馬

この世界はデジャヴー?

2010年01月09日 10時43分26秒 | Weblog
昨日、コメ返しをして「脳の話」に触れた時、

2年ちょっと前に観たTVの内容を思い出した。


私は年1回、近隣の開業医が発刊しているエッセイ集にエッセイ(のようなもの)

を大量に載せてもらっているが(無理矢理送りつけているというのが実情)

その時に書いたエッセイのひとつが下記のもの。


よければお時間のある時に読んでくださいませ。



<現代のサイボーグ技術と立花隆氏の最前線報告>

11月3日(金)午後10時~11時15分まで、NHKで放映された

「NHKスペシャル:サイボーグ技術が人類を変える」を観た人がいるだろうか?

衝撃的な内容だった。

私はテレビにクギ付けになって1時間15分見続けた。

私があまりに一生懸命観ているものだから、夫も不思議がって隣にやってきた。

科学と医学の融合した話だったので、

途中で、夫が意見を言い出したり、解説したりしようとする。

ウルサイ。だからTVはひとりで観たいのだ。


サイボーグという言葉から、私は「ロボット」や「破滅的利用」などしか連想しなかった。

が、障害を持つ人がサイボーグ人間になることによって健常生活が送れるという事実が

有ることを知った(心臓に入れるペースメーカーもその種のものだと思うが)。


生まれつき聴覚に障害のある幼児の脳のある部位に電気刺激を与える手術をし、

コンピューター制御で聴覚を取り戻すと人の言葉が聞こえ、その幼児は話す能力を

身につけていけるという技術があるという事を初めて知らされたのだ。

幼い子供たちが危険な手術を受け、機械を身体につけているということは

非常に過酷な事ではあるが、聴覚障害のある子供たちが普通に言葉を習得していく

発達過程を見たのは感動的だった。


また、パーキンソン病を患った人が、脳に同様の手術を受け、

麻痺していた身体の機能を健常状態に戻せ、

普通の生活ができるようになっていた症例も紹介された。


サイボーグ手術を受けたひとりの米国人男性(55歳ぐらいだったと思う)の家を

立花隆氏が訪ねた。

その米国人は

立花氏の目の前で自分の病気をコントロールしている胸に埋め込んでいる機械

(大きさはペースメーカぐらい)をリモコンを使ってその動きを止めてみせた。

たちまち、彼の身体が普通から異常(パーキンソン病の状態)になっていく。

見ていて怖かった。

立花氏も早く機械のスイッチをONにして欲しいとたのんだ。

そして、対談で米国人の男性は立花氏に自分がサイボーグ人間になって

いかに幸せな生活をしているかを話し続けた。

話している男性の目に涙。立花氏も涙ぐんでいる。

私も I'm really moved.だった。

泣ける。


科学技術的な事はわからないが、機械を身体につけているとなると

電磁波の無いところにいる限りは安全だろうが、家から一歩出たら

色んな電磁波にやられそうで怖い。

誰もが携帯を持参して乗っている電車なんかには乗れないだろうな。

あんな映像を見せられたら切なくて、そして彼らが逞しくて、

五体満足なのにバカな生活をしている自分がちょっとなさけなくなった。


そのTV番組の後半は人間の脳の感情、情緒などを破壊し、

戦争などに向かわせる人間を作っていく事ができる・・・という話だった。

軍事利用・・・確かにこれが一番の恐怖だ。

現在アメリカの軍事技術の開発をになっているDARPAでは、

ブレインマシーンインターフェースに1兆円もの開発費を投じているそうだ。


さて、サイボーグ技術をどこまで使っていいかという事が

今我々につきつけられた課題であるが、平和的な利用をして欲しい、としか

私には言えない。原子力問題と同じだ。


少し前、やはりTVで、

湯川秀樹氏が「原子力を平和利用の方向に持っていくのは我々科学者の責任だ。」

と死ぬまで案じていたと言っていた。


色んな技術が高度に発達して、それをすべて使ってすべて消滅し、無から有が生まれ

また原始時代が始まり、そこから新たな文明が興り、

現代のような高度な技術が発展した社会に繋がっていく。


人間というようなものが何度も何度もそんなことを繰り返しているのではないか。

今、見ているこの世も、もしかして”デジャビュ”(既視体験)ではないか・・・?
 
そんな風に思った夜だった。

(平成18年11月9日・記)
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 仲間の皆様へ | トップ | 話の糸口 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (tone)
2010-01-09 22:10:10
こんばんわー。

BMI(ブレインマシンインターフェース)は夫が現在、某大学で研究してるんですよね~。


うーーーん、一応、私は脳科学の最前線にいたわけですが、今離れてみて思ったのが、結局人類の持ってる知識の総数みたいなものは原始も現在もかわらなくて、あたしたちは新しいこともたくさん知っていってるけれど、大切なこともたくさん忘れていっているのじゃないのかなぁ、ということでした。

私の専門はemotionでしたぁ。大したことはやってないです
返信する
toneちゃんへ (えりりん)
2010-01-10 01:13:08
>BMI(ブレインマシンインターフェース)は
>夫が現在、某大学で研究してるんですよね

↑非常に高度な研究をされていると思うだけで、凡人の私には何が何だか判りませんが、
そんな研究をされている能力のある方に憧れと尊敬の念がわいてきます。toneちゃんも同じなのね。

emotionねぇ・・・。
心は脳にあるワケだから、脳がすべての指令を出しているのでしょうけど、脳科学そのものは、本当に難しくて、私には魑魅魍魎です。

ただ、自分のemotionを自由自在にコントロールできれば・・・いいなって思います(^。^)

そうそう、一昨日は、禁止ワードも数個設定していたのですが、その為か、私もリコメを書いたら、拒否されました。で、そのワードは削除しました。
禁止ワードを設定していた為、toneちゃんが「バイリンガル脳」について、せっかくここでコメを書いてくれたのに、拒否されたんですね。ごめんなさいでした。m(__)m
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Weblog」カテゴリの最新記事