=118 ~木の因数分解~(家具工房つなぎブログ)

南房総でサクラの家具を作っています。ショールーム&カフェに遊びにおいでください。

ジャムスプーン&バターナイフ 制作工程

2014年11月01日 | 【製品】家具工房つなぎのプロダクト
「ちょっと小粋なジャムスプーン作ってもらえませんか」

館山で無添加ジャムを作る「フルーツ工房」さんからのご相談。


いろいろお話をしているうちに、
スプーンだけでなくヘラもついているほうがいいよね
とか、
ジャムの素材が地元産だから、木の材料も地元産がいいよね

なんて具合に話は膨らみながら、
実は家具工房つなぎにとっては仕事としてカトラリーを作るのははじめて。

いろいろ本読んだり、カトラリーを見に行ったり。。。
その制作工程をかいつばみながらご説明いたします。

①まずはデザイン開始!

既製品のスプーンも握ったりしながら、厚みやらを決めていきます。

②材料は、「地元産」にこだわり、
南房総に多生している、どんぐりの木マテバシイに。
でもこの木、雑木でほとんど薪用なので、板にきれいに製材されたものなんてない。
お知り合いのストーブ屋さんに、大き目の薪を頂き、
どこから平らにしていこうか?なんて考えながら材料づくり
写真左が原木、右が2面を平らにしたところです。



③そして程よい大きさに加工したものから、粗どり。

こちらは最初に作ったスプーンタイプですが、残念ながらボツに。右側は型紙です。

④中量生産とはいいながらも基本は手仕事。
糸鋸で成形していきます。


⑤ナイフや反り鉋で削ったりサンダーで形を整えたら、
鉋でジャムスプーンやバターナイフの部分を傾斜をつけながら薄く削っていきます。
小さい材料なので抑えるところがなく、これが結構な作業になりました。


⑥あらかたできあがったところですが、
ここに彫刻刀で段差を入れていきます。


⑦亜麻仁油の塗装
一本一本塗りながら、手触りを検品確認しささくれがあれば修正。

普段の家具用オイルも基本的には安全なんですが、カトラリーには特に安全性を考慮して食用のモノが使われることが多いです。
よく使われる「胡桃油」も優秀で、しかもオシャレな感じがするのですが、
カトラリーは日々使われすぐにご自身で再塗装してもらったりするメンテナンスが発生すると思われるので、
よりスーパー等でも入手しやすい「亜麻仁油」にしました。
「胡桃油」ってなかなかなさそうですもんね。
そのかわり、やっぱり家具用オイル等とは違うので、
「お湯で洗ったり」、「洗剤でゴシゴシ洗ったり」、「食器洗浄機はもちろん禁止で」、
お水でやさしく洗って頂ければと思います。
そして、毛羽立ちが目立ってきたら市販の亜麻仁油を塗布してください。

と⑧、その前にサイン入れの工程がありました。
既存の「TSUNAGI」焼印は、カトラリーには大きすぎるので、結局一本一本直筆サインになりました。
半田ごてのようなペンで書いていきます。
楽しいけど、ちょっと大変。


⑨完成!
手前のが本作、その後ろに並ぶ3本は試作した形状違いです。


一本一本微妙に異なる形状を手で確認しながらお選びするのも楽しいと思います。
よろしくお願いします。

⇒ジャムスプーン&バターナイフ商品紹介
⇒家具工房つなぎホームページ
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