縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

企業文化、社風、あるいは共通の価値観(その2)

2006-07-04 22:31:58 | 最近思うこと
 2度目の転職をした。

 6月で前の会社を円満退職し、今月から新しい会社に勤めている。そんなこんなで、6月中旬以降、ブログを休む日が多くなってしまい誠に申し訳ない。当分の間、書くペースが落ち間隔が空いてしまうかもしれないが、ご容赦願いたい。

 さて、今回の退職の挨拶で社内を回った際、その反応は大きく次の二つだった。「どうして辞めるの」と「辞めて良かったね」である。前者は事情をよく知らない女性社員が多かったが、後者は男性社員、それも40代より上の世代や中途入社の社員が多かった。中には、この会社で僕がこんなに持つとは思わなかった、といった人までいた。悪気ではない、僕のことを心配してである。

 多くの社員に「辞めて良かったね」と言わしめたもの、それはまさしく“企業文化、社風、あるいは共通の価値観”に他ならない。

 この会社の最大の特徴、それは“理屈を越えたところで一人の人間により意思決定がなされる”ことである。まさに、無理が通れば道理が引っ込む、の世界であり、ワンマン社長の典型言える。自分が正しいと思うことを理路整然と話しても、一言「嫌だ」と言われればそれでおしまい。逆にひたすら熱意を示し、社長の琴線に触れると、とんでもないことまで通ってしまう。これを信じられないと思うか、おもしろいと思うかで、この会社に勤め続けられるか否かが決まる。

 また、社長はどうも自分の金は自分の金、会社の金も自分の金、と思っている節があり(これもワンマンなオーナー社長に多いが)、自分は野放図に金を使うものの、社員が金を使う分には極めて厳しい。時に必要な分まで支払わない、認めないことすらある。
 もちろん、これだけだと社員の心は離れてしまう。が、そこは人事権から金繰りまで会社のすべてを抑える社長、アメとムチを上手く使い分け、社内を管理、操縦している。更に、会社をここまで大きくしたのは社長の力だと考える社員も多く、古参の社員の中には社長を慕う者も多い。

 一方でほとんどの社員は、こんな会社は他にない、ウチの会社は変わっている、と思っている。自分たちはこの文化で育って来たから良いが、外から来た人間には普通付いて来れないだろうと考えている。つまり、これはいわば宗教と同じで、すべてを信じるかすべてを否定するか、と問われたとき、彼らはすべてを信じ、僕はそれが信じられなかっただけである。別に良い悪いの問題ではない。
 彼らはまじめで一生懸命働いているし、僕は彼らが好きだ(当然、変わり者で好きになれない人間も中にはいたが)。会社に対しても恨みはない。自由にやらせてくれたので良い経験が出来たと感謝さえしている。ただ、そろそろ潮時だと思っただけだ。

 「辞めて良かったね」という言葉が真実になるよう、新しい会社で老骨に鞭打って頑張るつもりでいる。この会社に骨を埋める覚悟で(って、前もそう思っていた気が・・・・)。

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