縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

移民の効用?(北欧の話その3)

2016-09-22 11:10:32 | もう一度行きたい
 コペンハーゲン2日目、市内散策。
 この日、2人のイタリア人と出会った(デンマークでの話です、念のため)。

 一人目はシェフ。
 出会ったのは、早めの昼食で訪れたシーフード料理の店。市内中心部、ストロイエ通り(世界一長い歩行者天国らしい)のデパート「イルム(ILLUM)」のレストラン街にある。時間が早かったせいかお店の人が少なく(因みに客も僕らだけ)、奥にいた彼に質問したのがきっかけだった。
 彼はコペンハーゲンに経済学を勉強しに来たという。経済学ならイギリスでは?と思ったが、そもそもなんでシェフを?と思い尋ねてみた。すると、彼曰く「なんでって、イタリア人だからさ。」うん、妙に納得。

 二人目はバーテンダー。
 “Ruby”というバーで、中心部のはずれ、クリスチャンスボー城を臨む運河沿いにある。店の看板もなく入口が極めて分かり難いが、オリジナルのカクテルが美味しい店だ。コペンハーゲンに行く機会があれば、お酒好きの方は是非訪ねてみて欲しい。
 僕らはカウンターに座ったが、30代くらいのきれいな女性が目の前でカクテルを作ってくれた。シェーカーを振る姿がとってもクール。聞けば、彼女もイタリア人。ブーツのかかとと言うから、プーリアの出身だろう。

 単なる偶然なのか、コペンハーゲンで話したのが続けざまにイタリア人だったとは。それとも、イタリア人は暑いイタリアに疲れ、涼しさ(寒さ?)を求め、ここデンマークに大挙してやって来ているのだろうか。

 最近のデンマークは移民や難民の受け入れに極めて厳しい。外国人は、たとえデンマーク人と結婚しても、簡単にデンマークに住むことができないという。偽装結婚を恐れているのである。以前は労働力として移民を歓迎していたデンマークであるが、高福祉へのただ乗りと批判され、また最近では犯罪やテロの問題もあり、移民への規制が強まっている。
 もっとも日本と同じ単一民族国家で人口僅か 570万人のデンマークに既に60万人近い外国人がいるというから、人口の2%弱しか外国人の居ない日本がとやかく言える話ではない気もするが・・・。

 しかし、イタリアなどEU加盟国の人間に移民規制は関係ない。なぜならEUは基本目標の一つとして、EU市民がEU内を自由に移動し、居住し、働くことを可能にする「域内国境のない領域」を掲げているからである。つまり、EU全体が一つの大きな国のようなものである。
 ただEU内での移民についても、加盟国間の経済格差の存在により、今なお種々議論がある。事実、移民問題はイギリスがEUを脱退した理由の一つであった。

 一般に、食材の豊かな国の方が料理に懸ける情熱、探究心が強く、必然的に料理人の腕が上がると思う。そう考えると、デンマーク人の作る料理より、イタリアやフランスのシェフの料理の方が断然美味しい気がする。気候が厳しく農業に向いていない北欧は、食材の種類に乏しく、料理はいたって素朴である。
 そうそう昔イギリスに行ったとき「食べるならイタリアンか中華が良いよ。両方ともイギリス人が作ってないから。」と聞いたことを思い出した。なにせ1970年代にEC(EUの前身)に加盟するまで、新鮮な野菜を出すだけで“よく手に入ったね”とか“ご馳走だ”とか言われたイギリスの話である。デンマークなど北欧も大差ないであろう

 最後に、胃袋の出した結論:むやみに移民を規制してはいけない、移民には意味がある!



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