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縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

光る川(★★☆☆☆)

2025-04-25 23:10:17 | とある田舎のミニシアター
 大きな川の上流にある山あいの集落を舞台に、まだ幼い男の子が大好きな母のために川を一人で奥へ、奥へと遡り、集落に伝わる哀しい言い伝えと現実が交錯する中、不思議な経験をする物語である。
 川、滝、山など自然の美しさ、静寂、強さ、そして恐ろしさを、CGを一切使わず、実際の映像で描いている。すべて郡上市、山県市、下呂市など岐阜県でロケしたそうだ。この映画は、映像の美しさだけでハマる人にはハマると思うが、残念ながら僕にはあまり響かなかった。ところどころ脚本に無理がある気がしてしまったもので。

 まずは紙芝居の内容。これが小学生(それも低学年主体?)相手にお金を取ってする話だろうか。集落に住む娘と、山を渡り歩く木地屋(山から山へと渡り歩き、山の木を切ってはろくろでお椀などを作っている人たち)の青年との悲恋である。生活習慣や風習の違い、今でいう多様性を知るのは早いに超したことはない。が、青年は泣く泣く娘を諦めて次の山へと去って行き、それを知った娘が入水自殺する話である。この話が映画の柱となっているが、小学生にはちょっとハードではないだろうか。紙芝居ならもっと無邪気に楽しめる話が良い。これでは親からクレームが来そうだ。
 次に川を遡る男の子が、でこぼこで滑りそうな道を、ときに斜面や水の中もあるが、手に持ったお椀の水をこぼさないで歩くこと。そんなの僕でも無理だ。絶対水をこぼしてしまう。
 そして、ほかにも・・・・。

 木地屋の存在自体この映画で初めて知ったし、木に依存するがゆえに木を敬う彼らの生活習慣、風習も僕には新鮮だった。彼らにとって自然は開発や克服の対象などではなく、力を借りるもの、共に生きていくものなのである。この映画からは、森林伐採が洪水に繋がるなど、自らの利益、それも短期的な利益のために自然を利用してはいけないというメッセ-ジが感じられた。
 もっとも、美しく神秘的な自然の映像といい、悲恋の言い伝えに起きる変化といい、心に余裕のない僕のような人間にはあまり響かなかった。この映画を見て素直に感動できるやさしい人間に僕はなりたい。


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