縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

ニューハンプシャーを行く(後編)

2006-09-29 23:57:00 | もう一度行きたい
 漸くバスが来た。乗ろうとしたところ、「予約は?」と運転手の一言。「えっ?1時間半も待ったのに乗せないつもりか。バスはガラガラじゃないか。」と心の中では怒ってしまったが、ここは丁重にと思い、「予約はしていない。ナシュアまで行きたいんだ。乗せてもらえないか」と尋ねた。若干の沈黙。そして「OK。じゃあナシュアでその分の金を払ってくれ。」と運転手。どうやら車内では現金を扱っていないようだった。やれやれ、これでホテルに一歩近づいた。

 バスや鉄道の中では、ぼーっと窓から外を眺めていることが多い。このときもそうだった。バスは林の中を走っていく。初めての町だが妙に懐かしい感じがする。どうしてだろう。

 林の中に白い木の家が点在している。家はそんなに大きくなく、どちらかというと質素で、きれいに使われており、南北戦争当時の家だと言われても納得しそうな家が多い。そして、大抵の家の玄関脇には、くりぬかれた、オレンジ色のカボチャが無造作に置かれている。
 ハロウィンだ。10月31日のハロウィンの夜からまだ3日しか経っていない。お店ではなく普通の家に、それも あたりまえのように置かれているカボチャを見るのは初めてだった。とても新鮮な経験だが、それがあまりに自然なので何の違和感も感じない。
 わかった、不思議と懐かしさを感じた理由。ここは我々がイメージする古き良きアメリカ、いってみればアメリカの原風景のようなところだからだ。
 
 バスはナシュアに着いた。バス停からはタクシーでホテルへ。
 ナシュアは、日本のガイドブックにはまったく載っていないが、どうやら夏は避暑、秋は紅葉、冬はウインター・スポーツというリゾート地のようである。日本でいえば信州といったところか。大きなホテルが何軒かある。
 僕の宿泊兼試験会場はホリディ・インだった。明日は時差調整、そしてあさってから2日間試験、それも試験は1日7時間の長丁場である。まずは休もう。疲れた。

 試験会場でちょっとほっとしたこと。一つは色んな人間、例えばアフロや編み込みの髪をしたお兄ちゃん・お姉ちゃん、それに この人まっとうに学校行ってたのかなと思うような人までいて、なんだCPAって大した試験じゃないんだと思い、少し気が楽になった。
 もう一つ、たまたま日本人の女性と向かいの席になり、試験の合間に日本語で話せたのも良かった。試験ができたのできないのとか他愛のない話だが、それだけでも心が和んだ。
 逆に焦ってしまったこと。外人は英語の読み書きが速い。彼らはネイティブだから当然なのだが、ふっと斜め前の女性を見たら、僕よりずっと先のページの問題をやっていた。又、提出の際、ぎっしり書かれた答案用紙を見たら、こりゃだめだ、彼らには敵わないと思った(実際、一発合格はできなかった)。

 とにもかくにも試験が終り、僕はタクシーでマンチェスターの空港近くのホテルへと向かった。フロントでタクシーを頼むと、今、そこの人にタクシーを呼んだから一緒に行くようにとのこと。彼は空港に行く、つまり方向が同じだった。
 車の中で話して驚いたが、彼はレバノン人だった。僕は混乱した。中東のレバノンとアメリカのCPA試験が結び付かない(もっとも、これはお互い様かもしれないが)。
 彼は今回が2度目の試験。このあとはフロリダを観光してから帰国すると言っていた。翌日すぐ帰国する僕と違い優雅だ。といいつつ、彼は飛行機に遅れそうだと運転手を急かしていた。こうして僕のニューハンプシャー滞在が慌しく終わろうとしている。

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