縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

サン・セバスチャン到着、今宵の宿は?(バスク旅行その5)

2017-09-14 21:01:40 | もう一度行きたい
 かつてナポレオンが「ピレネーの向こうはアフリカ」と言ったという。これは、文化的な違いを言った、あるいは彼のフランス至上主義的な発言かと思う。
 実際ビアリッツからバスでサン・セバスチャンに向かったが、ピレネー山脈を越したからといって突然景色が一変するわけではない。突如として“灼熱の太陽”や“乾いた大地”が現れはしない。そこはアフリカではなく、同じヨーロッパの田舎が続いているだけだ。

 ただフランスからスペインに入ると、若干の違い、変化を感じた。全体にフランスの方が立派、きれいなのである。バスは国境を跨ぐ高速道路を走っていたが、スペインに入ると少し違和感が。路肩の広さであったり、両側の防護柵であったり、スペインの方が全体に作りが貧相である。またバスの車窓から見える建物も、元々なのか手入れの違いなのか分からないが、フランスの方が概してきれいだ。
 まあ 4人に1人が失業、さらに若者に限れば2人に1人が失業という今のスペインの経済状況を考えれば仕方ないことかもしれない。華やかなリーガ・エスパニョーラ(ロナウドやメッシが活躍するスペインのサッカー・リーグ)の世界がスペインの現実ではないんだ。などと考えているうちにバスはサン・セバスチャンに到着した。

 サン・セバスチャンは2回目。前回はシーズンオフだったので街中の良いホテルに安く泊まることができた。が、今回は7月下旬、ハイ・シーズン。飛行機を押さえてすぐ(昨秋?)、旧市街のバル街に近いホテルを探したが、その時点で空きがあったのは滅茶苦茶高いかボロそうな所ばかり。そんな中、苦労して見つけたのが今回泊まった FeelFree という会社が運営するアパートメント・ホテルである。
 最近日本で話題の“民泊”を組織的に運営している会社といえ、Airbnbより良く出来たビジネスモデルだと思う。簡単に紹介したい。

 僕らが泊まったのは、バル街から歩いて3分、海の見えるマンションである。このマンションの1フロア(3室)をFeelFreeが保有あるいはオーナーからの委託を受け、ホテルとして使っている。他のフロアには普通に人が住んでいた。
 マンションは、日本的に言えば1LDKであるが、とても広い(東京の我が家の1.5倍はある?)。鍋や食器、それに洗濯機もあり、長期滞在もOK。4星・5星クラスのホテルに泊まっている人を対象にしていると言うが、まんざら嘘ではないだろう。

 FeelFreeの予約はインターネット。物件が自己保有か委託かは明示されておらず、顧客対応はすべて同社が行う。利用者は予約時点で代金の3割を前払いし、宿泊日までに残り7割を支払う。後払いではないので取りっぱぐれる心配はない。また宿泊中の破損・汚損などのためクレジットカードの番号をデポジット代わりに取るので、万一の際の心配もない。
 チェックインは近くにある同社の事務所で行い、そこでパスポート等で本人確認した上で部屋のキーを渡すシステム。チェックアウトの手続きは特に必要なく、キーを部屋の中に置いて出るだけ(玄関の鍵はオートロック)。人件費を含めた事務所の経費を考えれば、違うキーの受渡(暗証番号やセーフティボックスの利用等)もあるのだろうが、しっかり本人確認することによる安心感、信頼性に重きを置いているのである。
 実はちょっとしたアクシデントで停電を起こしてしまったのだが、おかげで同社が保守要員を抱えていることもわかった。安心感さらにアップ!
 
 オーナーは賃貸に出す日を自分で決められるとのこと。1年中でも良いし、バカンスその他で家を空けるときや、逆に自分が使わないときに別荘を貸したいなど、自由に決められる。手数料がいくらかはわからないが、オーナーにとっては、至れり尽くせり、安心・便利のシステムである。サン・セバスチャンのように別荘も多い、人気観光地だからできるサービスだとは思うが、やり方次第では日本で流行るかもしれない。

 さて、こうしてバル街近くのホテルに落ち着き、再び僕らの“チャコリ”と“ピンチョス”の日々が始まった。


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