縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

黄砂が街にやって来る

2006-04-18 21:44:39 | 環境を考える
 東北地方から九州にかけ、中国大陸の砂が上空の偏西風に乗って日本に運ばれる黄砂が観測された。東京では6年ぶりだそうだ。都心では視界が通常の20~30キロから7キロまで下がり、東京タワーが霞んだとニュースになっていた。ビルの谷間にいるとあまり感じなかったが、どうやら東京もひどい事態になっていたらしい。

 もっともわが国への黄砂の影響は中国や韓国の比ではない。今回の黄砂、中国では北部10省、160万k㎡の範囲で2億人に影響が及んだという。北京では30万トンの黄砂が一面を覆い、またHaidian地区(どこ?)の視界はわずか400mまで落ちたらしい。まだ数日は影響が続くようだ。
 韓国は日本より中国に近い分、被害も大きい。もともと年間100数十名もの人が黄砂が原因で命を落とし、180万人が体調不良を訴えているという。ただし風向きの関係か、今回はあまり大きな影響はないようで、4/8の黄砂の方が深刻だったらしい。

 さて、この黄砂、原因はわかっているが、その影響はまだよく解明されていない。まず原因。中国のタクラマカン砂漠やゴビ砂漠、それに乾燥した黄土地帯で嵐により吹き上げられた多量の砂塵が、偏西風で中国国内は勿論、韓国や日本まで運ばれ、降下する。鉱物粒子が黄砂の正体だ。
 次に影響。一番わかりやすいのは黄砂による汚れ。これは一目瞭然。そして、日本ではあまりないと思うが、黄砂の量が多く粒子も大きい、中国や韓国などでは黄砂を吸い込むことによる健康被害も問題である。特に韓国では黄砂には中国の大気中の汚染物質が付着していると問題視されている。この黄砂に付着した汚染物質のわが国への影響は、まだよくわかっていない。

 しかし、悪い影響ばかりではないようだ。いずれも今後詳しい調査が待たれるものではあるが、酸性雨を中和する、温度上昇を緩和する、黄砂に含まれる鉄やリンなどのミネラル分が陸上では植物の、海上ではプランクトンの栄養になる、といった点も指摘されている。もっとも生態系への影響については定かではないが。

 ただ、この黄砂、二重の意味で人災であることには注意が必要だ。まずは砂漠の由来。昔、中国の人々が木を切り尽くしたことが、現在の黄砂の発生地、乾燥地帯を作ったのである。二つ目は中国での砂漠化が進み、黄砂が韓国や日本に降る回数が増加している点。中国の砂漠化は、過度の水の利用、大気や水質の汚染、酸性雨、それに森林破壊が原因と言われ、人災的側面が強い。
 中国には軍事費に掛ける膨大なお金を環境保護のためにもっと使って欲しい。ん、それは日本も同じか。財政赤字を抱える一方、自衛隊の装備にはお金掛けてますね。ついでにアメリカへの思いやり予算もあるし。戦争も環境破壊もない世界がいい。

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