縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

長湯で長湯?

2007-02-17 20:12:01 | もう一度行きたい
 夫婦そろって温泉好きだ。なのに、もう4ヶ月も、それも1年で温泉が一番恋しくなる冬にもかかわらず、温泉に行っていない。そこで、せめて話だけでもと思い、今日は温泉の話。

 さて、どの温泉が好きかと聞かれても、それぞれ特徴があるし、又、行った時季、その時の体調や気分、更には温泉に入った宿や入浴施設の状態(質や管理は勿論、その時の混み具合なども)、等々にもよるので、一概にどこが好きとは言えない。ただ、歴史のある温泉、由緒ある温泉というのは、はずれの少ない気がする。近いところでは、草津や伊香保、遠くでは有馬、道後、別府などは良かった。
 外湯を回るのが好きだ。こうした古い温泉地にはたいてい外湯がある(特に草津や別府は外湯が充実している)。念のため、外湯というのは、早い話が銭湯、温泉による銭湯である。最近流行りの入浴施設というと、やれジャグジーだ、サウナだ、なんとか風呂だ、と様々な設備・サービスが整っているが、外湯はというと、ただ湯船があるのみ、きわめてシンプルだ。昔ながらの、という言葉が本当に相応しい。いつか、こうした古い温泉地、外湯の話をまとめて書きたいと思っているが、今日は別の話、珍しい温泉を一つ紹介したい。

 大分は僕ら夫婦の大のお気に入りで別府や湯布院にもよく行っている。確か2、3回目に大分に行った時だと思う、たまにはどこか違う温泉に行こうと言って、車を走らせたのが「長湯温泉」だった。湯布院から車で1時間くらい。炭酸泉?、あまり聞いたことないな、と思い、行って見ることにした。

 炭酸水は知っていても炭酸泉は知らない方のために。まずは定義、温泉1ℓ中に1,000 mg以上の炭酸ガスが溶け込んでいるものを“炭酸泉”といい、それより少ないと“炭酸水素塩泉”という。昔、化学の授業で習ったと思うが、気体は水の温度が低いほどよく溶ける(圧力一定の場合)。よって、そもそも炭酸は温泉に溶けにくいのだが、この長湯温泉には理論上考えられる上限に近い炭酸が溶けているそうだ。
 さらに凄いのは、源泉に溶けている炭酸の量だけでなく、実際に我々の入るお湯の中に残っている炭酸の量も多いことだ。昭和60年、花王が長湯温泉を「日本一の炭酸泉」と命名したほどである(因みに、花王のバブは昭和58年の発売だが、実はこの長湯温泉がヒントだったのではないだろうか?)。

 残念ながら長湯温泉には泊まっていない。『御前湯』という入浴施設で、正確には温泉療養文化館というが、温泉に入っただけである。長湯温泉は炭酸泉といっても、バブの溶け初めのように泡が浴槽の中でブクブクはしていないし、体に泡が付着することもない。もっとも浴槽全体に溶けている炭酸の量はバブのお風呂よりずっと大きいのであろう。湯に入っては炭酸ガスによる血行促進、湯を飲んでは胃腸の働きを活発にする効果がある。

 おそらく、これだけ聞いてもあまり感動しないだろう。フーン、でも遠いね、といった感じかもしれない。だが、是非、一度は長湯温泉に行って頂ければと思う。なぜか。それは不思議な経験ができるからだ。長湯では泡を体感できる、それもバブのような人工的な泡ではない、天然の泡を。体感と言ったのは、泡を見るのではなく、泡の音を聴けるからだ。
 長湯温泉は源泉かけ流しをモットーとしている。このため湯の注ぎ口からは常に源泉が流れている。そして源泉が湯船に落ちる側に行き、静かに耳を傾けて欲しい。ほら、聴こえる、泡の弾ける音が、プチ、シュワー、という音が。これは不思議だ。湯船に浸かりながら、中にコーラやサイダーをどばどば入れる人がいれば話は別だが、普通、こんな経験はできない。
 炭酸の効果で体はあったまり、加えて、他ではできない珍しい経験ができる、そんな長湯ワンダーランドを一度訪れてみては如何だろうか。

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