縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

ハーレムでゴスペルを聴いたけど・・・(ニューヨークの話その2)

2016-05-17 21:31:08 | もう一度行きたい
 ニューヨークで教会の日曜礼拝に行った。ハーレムにゴスペルを聴きに行ったのである。僕らはブログを調べ、とても評判の良かった教会、メモアリアル・バプティスト教会(Memorial Baptist Church)を選んだ。地下鉄の駅(116th Street)からのアクセスも良い。ハーレムも以前に比べ治安は格段に良くなったというが、やはり裏通りや路地を歩くのは避けたかった。

 駅から5分ほどで教会に着いた。まだ少し時間が早く、僕らは下の部屋で待つように言われた。そこは結構大きな部屋で、皆に朝食がふるまわれている。信者の方や教会の関係者の方が食事をしていた。僕らは信者でもないしホテルで朝食を済ませていたのでご馳走にはならなかった。が、これが日曜朝の教会の風景なんだ、慈善の食事なんだと、自分が教会にいることを妙に実感できて良かった。ゴスペルへの期待も高まって行く。

 と、ここまでは良かったが、実はここから先がちょっとがっかり。映画やテレビで観るのとは全然違う、観光化しすぎている、というのが僕の正直な感想である。

 さて、時間となり礼拝堂に入ろうとしたところ、なんと入場料として一人10ドル取られた。当然それなりに献金をするつもりでいたが、教会なのに入るだけでお金を取るんだと唖然とした。おまけに入口で係りの方に座る席まで指定される始末。教会というより、どこかのライブハウスにでも来ているような感じだ。
 外国人らしき団体客が入って来た。そして、あたりにはフランス語が響く。なんちゃって仏教徒の僕が言うのもなんだが、えっ、あなたたちはカトリックじゃないの?(注:ここはプロテスタントの教会)と思ってしまった。教会には200人近くいたと思うが、おそらく地元の信者の方は1割もいないだろう。

 そうこうするうちに牧師さんのお話というか歌が始まった。本当に教会で歌うんだなと改めて感心したのも束の間、すぐ聖歌隊も歌に加わった。手拍子が始まる。数少ない信者の方が立ち上がるのに合せ、皆も立ち上がる。会場内は俄然盛り上がり・・・と言いたいところだが、ちょっと違う。映画等で観るゴスペルの場面とは違い、一体感に欠けている。自ら進んでというより、やらされている感。全体に醒めた雰囲気である。
 でも、そりゃそうだよね、ほとんど観光客なんだから。それに宗教・宗派が違ったり、僕みたいに英語がよくわからない人間もいるのだから。

 それに歌詞にも違和感が。やたらジーザス、ジーザスと連呼したり、あなたが最高!と繰り返し歌ったり。不謹慎ながら、ジーザスはあなたのお友達でしたっけ、と聞きたくなってしまう。多神教の日本人は、一神教の感性にちょっとついて行けない気がする。また、一神教は唯一絶対の存在に従うため、良からぬ人たちに利用されやすいのかもしれないなどと思い、少し怖い気もした。そう、キリスト教もイスラム教も元は一緒だし。
 時間にして1時間くらいだろうか、ゴスペル主体の部が終わり、観光客はほぼそこで退場。若干消化不良気味のゴスペル体験だった。

 実は後で気が付いたが、この教会を絶賛していたブログはいずれも古いブログだった。10年近く前なら、この教会もアット・ホームな雰囲気で、信者の方との暖かい交流を楽しめたのである。どうも観光客が増えたせいで商業主義に走ってしまったようだ。次に行くときは、まだ観光客の少ない穴場の教会を探すことにしたい。


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