ラパロスコピストの夢

大阪梅田で子宮内膜症と闘うラパロスコピストのblog
子宮内膜症、子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術はどこまで進歩できるか?

子宮内膜症患者が腹腔鏡下手術を受ける価値があるのか?その9

2006-09-06 | 子宮内膜症
★癒着を剥離、深部病変を切除しても残る痛み
さて、子宮内膜症を出来るだけ切除しても残る痛みについて考えてみる。

★術後の月経痛
子宮内膜症をできるだけ切除しても術直後の月経では約4割の患者さんがVAS(*)5以上の痛みが残った。あまり治らなかったなぁとがっかりしていると次第に月経痛は改善し、3ヶ月後にはほとんど痛みがなくなってくる。その後も痛みは改善し一年後にはVASで2程度まで下がる。(術前の平均はVAS8くらい)

*VAS(visual analog scale):死ぬほど痛い痛みを10とし、痛みがない状態を0としたときに、その痛みの程度を数字で表現してどれくらいになるか

月経以外の痛みは、術後早期に改善することが多いが、月経痛自体は手術直後にはあまり変わらないことも少なくない。しかし、数ヶ月のうちに痛みも引いていく。何故なのかはよくわかっていない。手術侵襲による炎症がある程度影響しているのではないかと思われる。

だから子宮内膜症が確実に切除できていたのなら、手術直後の月経で痛みがあまり変わらなかったとしてもあまり悲観することはない。

★しだいに再発してくる(もしくは術後も変わらない)月経痛
さて、私が術後フォローした患者さんの中でよくなった月経痛が、しだいに強くなってきた方も1名おられた。術後1年の時点で月経痛がVASで5以上の方は40名中3名であった。月経痛の改善不良(といっても術後は鎮痛剤はよく効くようになるが)例は少数だがある。

★子宮内膜症をできるだけ切除したにもかかわらず残る痛み
このように少数例では、できるだけ子宮内膜症を切除したにもかかわらず月経痛は残る。これにはいろんな原因がある。
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2 コメント

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Unknown (しい)
2006-09-09 18:59:33
以前書き込みましたが覚えていらっしゃるでしょうか。結局ラパロで病変部切除しました。(ついでに母指大の筋腫も)術後の最初の月経痛は術前と変わり無いレベルでやってきました。

内膜症患者のラパロを受ける価値があるのか・・・。不妊治療も含めて考えると意味があるようにも感じますが、どうなんでしょうね。
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今回はマシでした (chi-chi)
2006-10-04 14:47:36
先生、8月には手術していただき、大変お世話になり、ありがとうございました。



退院後の検診で、生理痛がひどくなった、と訴えて、先生にご心配をおかけしておりましたが、今回は27日周期できて、痛みもマシになり、術前とあまり変わらなくなってきましたよ。私の場合、元々の生理痛がVAS「2~3」でしたが、時によっては「5~6」ってこともあり、そんなときは鎮痛剤飲んで気合いで出かけてました。で、今回はいただいたロキソニンを飲めば、なんとか甲子園まで出かけて「参戦」できましたし(^^;)、「5~6」程度だったように思います。(甲子園行きがすべてのバロメータな私です。)ロキソニンは2日で5錠程度飲みましたかね。生理が始まって2日目まではしんどかったですが、3日目以降からすっかり痛みもなくなり、鎮痛剤も不要でした。



「手術侵襲による炎症がある程度影響しているのではないかと思われる。」ってこと、体感しています。先生は心配してくださっていましたが、私はこちらのブログをあらかじめ読ませていただいていたこともあり、術後2週間で生理になったので、傷は治っていてもしばらくは刺激に弱いんじゃないかな、なんて思っていました。だって、手などの皮がむけたとき、皮が張って傷が治っても、まだしばらくはそこがしみたりしますもの。前回はそれと似たような感覚の生理痛でした。



おかげさまで、右中臀筋辺りの鈍痛や慢性的なコリはすっかりなくなったのが、ありがたいです。座っていられないほどの腰の痛みもほとんど感じなくなりました。



今は、手術したことなど全く忘れて飛び回っております。これも一重に先生のおかげとひたすら感謝しております。

ありがとうございました。



詳しくは、次の検診のときにまた申し上げますが、ご心配いただいておりましたので、取り急ぎご報告まで。



過酷なスケジュールをこなされている先生。

どうか、くれぐれもお体を大切に、内膜症に悩む女性を1人でも多く助けてあげてくださいね。
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