ラパロスコピストの夢

大阪梅田で子宮内膜症と闘うラパロスコピストのblog
子宮内膜症、子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術はどこまで進歩できるか?

はじめにお読みください

健保連大阪中央病院に勤務するラパロスコピスト(腹腔鏡術者)のブログです。婦人科腹腔鏡下手術、子宮内膜症、慢性骨盤痛等の治療を専門としています。

このブログでは腹腔鏡下手術、子宮内膜症、子宮筋腫に関する基本的な事柄については解説していません。まず、下記のウェブサイトをご覧になることをお勧めします。
日本子宮内膜症協会
子宮筋腫・内膜症体験者の会 たんぽぽ

手術を希望される方はこちらをご覧ください。

医療相談、ご質問にはお答えしませんのでご了承ください。

おすすめの本はこちら?ブックス・ラパロスコピスト

第2回オンライン西梅田婦人科ラパロセミナー

2020-07-08 | 大阪日記

2020年6月13日午後9時より第2回オンライン西梅田婦人科ラパロセミナーを開催しました。

第2回のテーマはMyoma Pseudocapsule(MPC)、我々はエム・ピー・シーとか、ミオーマ・シュードカプセルといいますが、日本語だと、うーん、偽被嚢とかというのかな?

子宮筋腫の周囲に生じる結合織のことをいいます。子宮筋腫核出術のときに子宮筋腫と子宮筋層の間すなわち境界になるものであり、最近ではこのMPCをきちんと温存することが妊孕性にとって重要であると言われています。また、この中には血管が豊富に含まれておりMPCをできるだけ傷つけないようにすることが大事であると考えられています。

腹腔鏡下子宮全摘術は術者の技術が高ければ、術中出血についてはコントロール可能であり、ほとんど出血のない手術も可能ですが、子宮筋腫核出は、巨大なものや数の多いもの、変性していたり、境界の不明瞭な筋腫だとどうしても出血量が多くなる可能性があります。そこで、最近、MPCについて優秀な研究をしている先生をお招きしてZoomで講演していただくことになりました。

プログラム

1. Myoma pseudocapsuleを意識した筋腫核出と縫合 〜Bottomを拾わない〜

南長野医療センター篠ノ井総合病院産婦人科 西村良平先生

2. Intracapsuler Hysteroscopic Myomectomy

高木病院産婦人科 野見山真理先生

3. 総合討論&追加発言

 Myoma Pseudocapsuleについて 富山県立中央病院産婦人科 谷村悟先生

 名手達のLMトロッカー配置 大阪中央病院婦人科 松本貴

講演1の西村先生は、この演題で昨年の日本産科婦人科内視鏡学会ビデオ部門で学会賞を受賞、また、講演2の野見山先生は九州ではおそらく子宮鏡ではナンバー1の術者だと思います。谷村先生は西村先生の指導医であり、MPCについて、詳細な解説をしていただきました。

(ファシリテーターを務める私)

参加者は150名を大きく超え、懇親会(という名のZoom飲み会)も盛り上がりました。参加者が多かったのも嬉しかったけど、勉強になりました。ああ、またオペが上手くなってしまうかもな。

第3回は8月、テーマは『卵巣に優しい嚢腫核出術』です。これも楽しみですわ。

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ウェビナー初体験

2020-07-05 | 大阪日記

ジョンソン・エンド・ジョンソン E-live 『境界線を見極めるー The microsurgical dissection for Total Laparoscopic Hysterectomy ー』でお話させていただきました。

学会のランチョンセミナーや研究会などでの講演はいくつもやってきましたが、企業主催のウェビナーは初体験です。自宅からですので、セットアップがもう面倒!グリーンスクリーンを用意したり、LANをWi-Fiから有線に変えたり。また、スライドを共有してスライドショー にすると実際に放映されている画面は見えないので確認用のもう一台のPCを用意したりと。

1時間半くらい前には、打ち合わせを開始して実際の放映画面をチェック、途中で投票を入れたり、スライドショーやムービーの見え具合、作動の具合をチェック。なんか、エンジニアの役までこなして、「なんか、割りに合わんなあ」と思っているころに、司会役の谷村先生(富山県立中央病院)登場!谷村先生と話しているうちに気分も盛り上がり打ち合わせ終了。緊張しながら開場を待つことになりました。

7月3日午後7時ちょうど、ウェビナー開始です。谷村先生の紹介の後、講演を開始することになりました。

(↑スマホから見たウェビナーはこんな感じです。)

(生殖器と泌尿器の境界線の解説)

ウェビナーは視聴者の顔が見えないので、演者はすごく孤独感を感じるということでしたが、谷村先生がところどころ質問やコメントを入れてくださったので、孤独を感じる暇もなく、むしろ対談や座談会のような雰囲気でスムーズに講演は進みました。

学会のランチョンセミナーなどはスケジュールがきっちり決まっていて時間オーバーは許されませんが、ウェビナーの場合は多少の融通が効きます。時間は気にせず、ムービーをもう一度再生して、細かなところを再度分かりやすく説明してみたり、ちょっと講演を止めて質問に対して答えてみたり。これってウェビナーならではの利点かもしれません。

無事終了し、Q&A。かなりマニアックな質問もありましたが、まるで、学会の懇親会で雑談してるような、どこかのサロンでくつろぎながら臨床解剖談義をしてるような気分でした。ああ、楽しかったわー。

ほんと、今までで講演してきた中で一番楽しかったかもしれません。これからもこんな楽しさを追求してみたいと思いました。

谷村先生、ジョンソン・エンド・ジョンソンの皆様、視聴していただいた先生方、ありがとうございました。

 

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