ラパロスコピストの夢

大阪梅田で子宮内膜症と闘うラパロスコピストのblog
子宮内膜症、子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術はどこまで進歩できるか?

はじめにお読みください

健保連大阪中央病院に勤務するラパロスコピスト(腹腔鏡術者)のブログです。婦人科腹腔鏡下手術、子宮内膜症、慢性骨盤痛等の治療を専門としています。

このブログでは腹腔鏡下手術、子宮内膜症、子宮筋腫に関する基本的な事柄については解説していません。まず、下記のウェブサイトをご覧になることをお勧めします。
日本子宮内膜症協会
子宮筋腫・内膜症体験者の会 たんぽぽ

手術を希望される方はこちらをご覧ください。

医療相談、ご質問にはお答えしませんのでご了承ください。

おすすめの本はこちら?ブックス・ラパロスコピスト

よくわかるTLH

2023-02-13 | 腹腔鏡
3月3日メジカルビュー社から単著でTLHの手術書を刊行させていただくこととなりました。自分のイメージをお伝えするのにすごく苦心しました。今回は子宮全摘術の本ですが、いずれ、子宮筋腫や卵巣嚢腫の核出、子宮内膜症手術の本も出せたらと思います。
 
 
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こだわりのTLH

2021-05-21 | 腹腔鏡

最近、手術書の分担執筆の依頼が多くありまして、その中でもかなりぶっ飛んだ『こだわりのTLH』が出版されます(6月2日)

アマゾンではすでに予約可能になっております。腹腔鏡下手術に興味を持つ産婦人科医の皆様、ぜひ、ご覧ください。来月には、出版記念のZoomセミナーも行います。

そのほか、昨年3月出版の『いきなりTLH』、今年3月の出版の『子宮内膜症・子宮腺筋症-診断アトラス&新たな治療戦略-』でも分担執筆させていただきました。

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メディカルノート

2021-03-30 | 腹腔鏡

メディカルノートという医療検索サイトでご紹介いただきました。

子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣嚢腫などの疾患、腹腔鏡下手術の情報なども載せています。

メディカルノート の記事はこちらです。

 

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かの如く2

2020-06-24 | 腹腔鏡

『患者さんに見守られているかの如く手術をする』

手術中、患者さんは麻酔がかかっているので意識はありません。(手術中に覚醒してしまう『アウェイク』というスリラー映画がありましたが)でも、患者さんが起きているかの如く、手術をする。これは、見張られているかの如くではありません。つまり、「患者に見られてるから変なことは出来んで。」という意味ではないです。

手術は職人技のように思われていますが、術者というのはアーティストやアスリートに喩えられることがよくあります。もし、私たちがアスリートだったら、ファンには感謝するはずです。誰が一番応援してくれるでしょう?そりゃ、当事者である患者さんに違いありません。もし、患者さんが起きていたら、手術のことは分からなくても阪神ファンの応援どころではないはず。

そうであれば、自然に患者さんには感謝の気持ちが湧き上がってきますよね。

感謝するのは、オペやらしてもらえるから?(おいおい、お前の練習台かよ?)売り上げ上がるから?(おいおい、金儲けのための患者さんかよ?)学会発表や論文のネタ?(おいおい、あんたの自己顕示欲のために患者さんは存在してへんで)患者さんに見守られているかの如く手術する、すなわち、患者さん本人が応援してくれているかの如く手術する。その応援に対して、自然に感謝の念が湧いてくるはず。

いつも見守ってくれて、ありがとうございます。これからもそういうつもりで手術室に入ります。

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かの如く

2020-06-23 | 腹腔鏡

『麻酔がかかっていないかの如く手術する』

腹腔鏡下手術をしているときには、患者さんには当然のことながら麻酔がかかっています。もし、麻酔がかかっていないのに手術操作をしたらどうでしょうか?痛いですね。臓器や組織をむやみやたらと引っ張ったら、、、とてつもなく痛い!でしょうね。年長の外科医なら必ず知っている「ゲバルティッヒ」という言葉があります。ドイツ語で乱暴なという意味です。そういう言葉があるのは、乱暴な手術というのが昔からあったからでしょう。

でも、臓器や組織に優しく手術していたらどうでしょうか?不必要に引っ張ったり、押し込んだり、臓器や組織が動かされることなく手術操作が淡々と進んでいくビデオを観ると、「これ、ひょっとして麻酔覚めてたとしても痛くないんじゃない?」と錯覚してしまうかもしれません。できることなら、そんな風に見える手術がしたい、と思います。そういう手術は実際に麻酔科医は麻酔を深くしすぎる必要もなく、結局は患者さんにとって負担のない手術になると思います。

麻酔がかかっていないかの如く手術する。腹腔鏡下手術の場合、鉗子操作にはどうしても制限がありますから手術操作はついつい乱暴(ゲバルティッヒ)になりがちです。優しい手術をしたいのなら、もし、患者さんが起きていたとしても痛くない手術をする、そういう配慮があってもいいですよね。

 

 

 

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オンライン西梅田婦人科ラパロセミナー

2020-05-31 | 腹腔鏡

大阪中央病院婦人科では、若手の産婦人科医を対象に西梅田婦人科ラパロセミナーを開催してきます。今年も6月に開催する予定としていましたが、新型コロナ感染症の流行拡大により無期限延期となってしまいました。

そこで、最近、流行りのZoomを使ってオンラインセミナーを5月7日に行ってみました。

講師は、北海道大学消化器外科IIの渡邊祐介先生です。60分のFUSEセミナー(米国消化管内視鏡外科学会SAGESの電気メスの講義)を行っていただきました。ファシリーテーターはもちろん私が務めます。

渡邊先生の身振り手振りのプレゼンテーション、分かりやすいですね。演者が孤独ではないかと、途中で質問も挟んだ私、ちょっと邪魔してたかも?

無事に講演終了、登録90名、参加者は75名でした。渡邊先生、参加の皆さま、ありがとうございました。次は、6月13日、子宮筋腫核出術におけるMyoma Pseudocapsuleがテーマです。

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動く骨(コツ)手眼足編

2018-03-11 | 腹腔鏡

手術にはセンスが必要だとか言われます。上級者のオペを見てるだけで上手くなっていく人もいれば、なかなか上手くならず、いつまで経っても同じことやってる人もいます。じゃあ、そのセンスって何や?って言われるとなかなか説明できるものではありません。

私は手術のセンスというものを10年以上研究してきましたが、いまだに『こういうものです』とは説明できません。 この本『動く骨(コツ)手眼足編』は、ヒントになると思います。もう10年ほど栢野先生からご指導いただいていますが、最近、「ああ、なるほど、こうやってるから出来るんだ」というのが身体では理解できるようになってきました

手術に限らず動作をする上でセンスアップを求める人には役に立つ本だ思います。ただ、言葉や図による説明では、どうしてもイメージは伝わりにくいので、少し読んだくらいではどういうことなのか分かりにくいかしれませんね。本当に動作を改善(快然)させたいのであれば、この本を読んだ上で栢野先生のコーチングを受けたりセミナーに参加するのがいいかなと思います。

 

 

 
 

動く骨(こつ) 手眼足編―重力と調和した動きを究める

ベースボールマガシン社

ちなみに、この本の中で、私も紹介されています。(p238-241)

もう、発売されて2年になるそうです。大きな書店なら置いてあると思います。ご覧になってください。

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教えることと学ぶこと

2014-10-14 | 腹腔鏡

私は婦人科医であり、腹腔鏡下手術技術認定医ですが、手術を指導する立場でもあります。講演や縫合結紮セミナーなどで、手術を教えてもいます。

指導していて感じることは、『自分が出来ていないことがわかっていない』ということです。多くの人が、何か知識や技術を上乗せしていくことが、手術の勉強や練習であると考えています。でも、本当に大事なことは、『自分が何が出来ていて何が出来ていないのか知っている』ということです。それが出来て、はじめて、知識や技術が自分の血となり肉となるものだと思います。

出来ていないことを出来ていると思ってしまうと、間違った方向に進んでしまいます。

出来ていることを出来ていないと思ってしまうと、進歩が止まってしまいます。出来ていないと思うことは、一見謙虚ですが、ただ臆病なだけかもしれません。

何が出来て何が出来ていないのか、何が分かって何が分からないのか、正確に認識することができるのならば、特別な努力をしなくても人は少しずつ前に進んでいくことができます。ただし、これは本当に難しいことです。

『良い指導とは生徒が自分の足で立つチャンスを失う事なく導く事だと私は思っています。』

Kaori先生のブログを拝見すると、自分が漠然と考えていたことが正しかったんだと感じます。単に技術を教えるだけではなく、私の生徒が自分の足で立てるように導いていけるような指導ができたらと思います。そして、私も多くのことを学ぶことができると思います。

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よい手術を受けるためにできること 2

2014-05-06 | 腹腔鏡

我々は素人ではありませんから、たとえ少々の肥満患者だからといっても問題なく手術できます。手術前にそれなりの努力によって体脂肪、内蔵脂肪を減らしていただいていれば、さらに苦にならなくなることのほうが多いです。(それでも、脂肪は少ない方が手術操作的には有利)

むしろ、子宮内膜症などの慢性炎症があれば、後腹膜腔は炎症の影響によって脂肪組織が多くなり、手術が難しいのには変わりありません。脂肪組織は電流が流れにくいので電気メスが使いにくく、超音波凝固切開装置を使っても脂肪組織が霧状になって視界の妨げになります。だからといって、鈍的に剥離すると細い血管が断裂しoozing(にじみ出るような小出血)で術野が荒れます。 その上に肥満があれば、手術操作はさらに難しくなり、術野を大きく展開するのが困難なため解剖学的構造を誤認するリスクが増えます。

実際、患者さんに体重を減らすようにお願いすると、いい機会だからと運動をしたりダイエットしたりして体重を相当減らしていただけることがあります。一方、なぜかストレスが溜まるといって体重を増やしてしまう方もおられます。約一ヶ月前の術前検査&説明のときよりも5キロほど体重が増えてしまっている人もおられます。術前検査の体重測定で安心するのでしょうか?でも、入院時も測定しますので、油断は禁物です。手術までは頑張っていただかないと意味がありません。(そういう方は安全な手術を受ける気が無いという風に思えます。)

もっとも困るのは、初診時に体重を少なく申告する方です。実際に測ってみると申告よりも10キロほど多い人もいらっしゃいます。(それって、最近流行の偽装ってやつ??でも、術前には測定しますのでバレてしまいますよ。)

医療現場ではゴマカシは得にはなりませんので、お間違いのないようお願いいたします。

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よい手術を受けるためにできること

2014-04-25 | 腹腔鏡

ときどき、患者さんから「手術までにできることはないですか?」と聞かれることがあります。

もし、体重が重いようだったら、減らしてもらった方がいいです。肥満患者は、全身麻酔のリスクが高くなると言われています。首が短かったり可動域が狭かったりして、気道の確保が難しいことが多く、気管内挿管を行なう上で不利になることがあります。また、人工換気がやりにくく、低酸素状態になりやすい、深部静脈血栓症を発症しやすい、などの問題もあります。

私たちにとって一番問題なのは、手術がやりにくくなることが多いということです。皮下脂肪が分厚いと皮膚を切開してトロッカーを腹腔内に挿入するのが難しいことがあります。また、気腹しても腹壁が持ち上がらないので、腹腔内が非常に狭くて手術操作をしにくいことが多くなります。また、内蔵脂肪が多いと腸についている(腸間膜の)脂肪が邪魔をして手術操作が困難になることがあります。これは、とくに子宮筋腫核出術においては顕著になります。

どの程度の肥満が問題かというと、

BMI 30以上→肥満 35以上→病的肥満 *BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

となり、基本的に良性疾患である程度時間に余裕がある場合は、BMIが30以下になるまでは手術を見合わせておいた方がいいだろうと考えます。

で、肥満傾向のある患者さんには体重を減らすよう、お勧めするわけです。どか食いや間食をしている人は食事制限をするのも大事なんですが、できれば、よく運動していただきたいと思います。とくに有酸素運動をお勧めします。できるだけ長時間ゆっくりジョギングするとか、無理だったら早足で2時間くらい歩くとか。もちろん、ヨガやピラティス、エアロビクスなどもいいんですが、毎日出来ることとなると、走るか歩くかがお手軽で良さそうです。ある程度、筋肉が付けば基礎代謝が亢進するので、自然に体重は減ってくるはずです。

実際、運動習慣のある方、たとえば運動系のインストラクターや舞台に立つ仕事をされている方は、お腹も膨らみやすく(おそらく腹筋も柔らかくて、よく広がる)、内蔵脂肪が少なくて腹腔内が非常に広く感じられます。

手術をする立場としては、皮下脂肪が分厚くて腹腔内が多少せまくなるのは我慢できますが、内蔵脂肪が分厚くて腸や膀胱などが術野に垂れ下がってくるのは、かなりのストレスです。手術まで2~3ヶ月あれば、ある程度は改善できますので、是非努力していただきたいと思います。もちろん、どんな状態でも安全な手術を心がけていますが、合併症の確率を少しでもゼロに近づけるために患者さんにできることもあるのです。

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