ラパロスコピストの夢

大阪梅田で子宮内膜症と闘うラパロスコピストのblog
子宮内膜症、子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術はどこまで進歩できるか?

はじめにお読みください

健保連大阪中央病院に勤務するラパロスコピスト(腹腔鏡術者)のブログです。婦人科腹腔鏡下手術、子宮内膜症、慢性骨盤痛等の治療を専門としています。

このブログでは腹腔鏡下手術、子宮内膜症、子宮筋腫に関する基本的な事柄については解説していません。まず、下記のウェブサイトをご覧になることをお勧めします。
日本子宮内膜症協会
子宮筋腫・内膜症体験者の会 たんぽぽ

手術を希望される方はこちらをご覧ください。

医療相談、ご質問にはお答えしませんのでご了承ください。

おすすめの本はこちら?ブックス・ラパロスコピスト

現代用語の基礎知識 大阪中央病院婦人科編 その5

2007-04-26 | 大阪日記
「しわい」

私の出身地、岡山では、かたい肉(他にスルメやタコなど)がなかなか噛み切れないときに「しわい」という。私の周辺ではタケノコの苦いものも「しわい」と言っていたように思う。これが転じて、私の先輩たちはなかなか硬くて剥離しにくい組織のことを「しわい」と言っていた。(岡山弁では訛ると「しうぇ~」になる。)

私も手術中にときどき「ふぅ~、しわいなぁ~。」とつぶやく。はじめは全然理解してもらえなかったが、最近は、この微妙なニュアンスが理解してもらえるようになった。

では一句、
リュープリン 使いすぎると ちと「しわい」
(お粗末)
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なんで4ヶ所?

2007-04-25 | 大阪日記
先日の回診中のことであった。

「術前の説明では3ヶ所の傷ということだったんですけれど、なんで4ヶ所になっているのですか?」

術前には体外法(3ヶ所)での説明だったようだが、私が体内法(4ヶ所)でしたのだ。体外法の場合、一ヶ所は2~4cmの傷だが、体内法ならどれも1cm以下である。痛みだって違う。

うーん・・・

(体内法の価値を理解してください・・・)
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休診のお知らせ

2007-04-12 | 大阪日記
4月17日は日本産科婦人科学会学術講演会のため、休診させていただきます。ご了承ください。
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一年

2007-04-03 | 大阪日記
大阪にやってきて一年が経過した。この一年で私は400例はオペをしただろうか・・・?大阪はさすがに都会だ。深部や他臓器の子宮内膜症、子宮腺筋症など、コテコテの手術が多かった。(まぁ、愛媛でも少なくはなかったが)

それよりもこの一年の進歩は、二つのテクニックの開発が大きい。

チョコレート嚢胞核出におけるピトレシン生食注入:嚢胞と卵巣実質が剥離しやすく出血も少なくなる。核出操作も止血も容易になる。出血量は軽減し、手術時間も短縮する傾向がある。チョコレート嚢胞の核出時に出血が多くなったとき、縫合や焼灼による止血操作により稀に卵巣実質を傷つけ卵巣機能を低下させることがあるが、このテクニックの導入により卵巣に愛護的な手術が可能となった。

筋腫核出(Total laparoscopic myomectomy)におけるボトムアップテクニックの導入:ボトムアップテクニックとは筋腫を完全に核出する前に縫合を開始し、いわゆるミオーマベッド(筋腫の底)を縫合してしまうテクニックである。筋腫核出時、子宮からの出血が予想外に多くなることがあるが、このテクニックの導入により筋腫核出時の出血がかなり少なくなった。

これにより、よりスムーズで安全な手術が可能になる。術者のストレスも軽減する。まさに画期的な手術テクニックである(と、誰も言ってくれないから、自分で言う)。


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