あるサイトに下記の質問があった。ヒントに従うと解けたが、面白いので紹介する。
[問]x²+ax+b=0が実数解を持つ。それらが|x|>1であるときの条件を求め、それを満たす点a,bを
ab平面に図示せよ(a,bは実数)。
[解] 解を x₁=(-a+√(a²-4b))/2 , x₂=(-a-√(a²-4b))/2 とします。
1. まず、a²-4b≧0 です。b≦a²/4 ・・・・①
ですから、等号の放物線の下側となります。
2. x₁>1 , x₂>1 のとき
-a+√(a²-4b)>2 , -a-√(a²-4b)>2 これを並び替えると
√(a²-4b)>2+a , -√(a²-4b)>2+a
このとき、√(a²-4b)≧ -√(a²-4b) は自明だから、後者だけ成立すればよい。
まず、左辺は0以下だから 2+a<0、つまり、a<-2 ・・・②
上の両辺が負であることに注意(不等号の方向)して2乗すると
a²-4b<4+4a+a² → b>-a-1・・・・③
これで、①②③から図のように、領域ABCが指定できた。ABの線は含まれるが、BCの線とB点は
含まれない。
3. x₁<-1 , x₂<-1 のとき
-a+√(a²-4b)<-2 , -a-√(a²-4b)<-2
これも上の2項と同様に議論できるが簡便のため、両辺に(-1)を掛けて変形すると
-(-a)-√((-a)²-4b)>2 , -(-a)+√((-a)²-4b)>2
となって、2項の条件で、a→(-a)としたものと同じだから、2項の結論の領域とb軸に対称な
a>2 側にある領域 DEFとなる。
4. x₁>1 , x₂<-1 のとき
-a+√(a²-4b)>2 , -a-√(a²-4b)<-2 後者を変形して
-a+√(a²-4b)>2 , a+√(a²-4b)>2
(1) a≧0 のとき・・・④
a+√(a²-4b)≧-a+√(a²-4b) は自明なので -a+√(a²-4b)>2 だけ
満たせばよい。2+a>0なので、-aを移行して両辺を2乗すると
-4b>4+4a → b<-a-1・・・・⑤
したがって、①④⑤により、領域GHIが求まる。
(2) a<0 のとき・・・・⑥
同様に、a+√(a²-4b)>2 だけ満たせばよい。2-a>0 なので、aを移項して、2乗すると
-4b>4-4a → b<a-1・・・・⑦
したがって、①⑥⑦により、領域GHJが求まる。
(1)(2)まとめて、IHJの領域がもとまり、IHJのオレ線は含まれない。
5. x₁<-1 , x₂>1 のとき
-a+√(a²-4b)<-2 , -a-√(a²-4b)>2 前者の両辺に(-1)を掛けると
a-√(a²-4b)>2 , -a-√(a²-4b)>2 となる。さらに
a≧a-√(a²-4b)>2 , -a≧-a-√(a²-4b)>2 つまり a>2かつ、a<-2
となり、このような aは存在しない。以上ですべての条件と領域が求められた。
6. なお、B,E点で、直線は放物線の接線となっている。それは1項で b=a²/4, b=-a-1 からbを
消すと、(a+2)²=0となって、交点が重根となることからも明らか。
以上
[問]x²+ax+b=0が実数解を持つ。それらが|x|>1であるときの条件を求め、それを満たす点a,bを
ab平面に図示せよ(a,bは実数)。
[解] 解を x₁=(-a+√(a²-4b))/2 , x₂=(-a-√(a²-4b))/2 とします。
1. まず、a²-4b≧0 です。b≦a²/4 ・・・・①
ですから、等号の放物線の下側となります。
2. x₁>1 , x₂>1 のとき
-a+√(a²-4b)>2 , -a-√(a²-4b)>2 これを並び替えると
√(a²-4b)>2+a , -√(a²-4b)>2+a
このとき、√(a²-4b)≧ -√(a²-4b) は自明だから、後者だけ成立すればよい。
まず、左辺は0以下だから 2+a<0、つまり、a<-2 ・・・②
上の両辺が負であることに注意(不等号の方向)して2乗すると
a²-4b<4+4a+a² → b>-a-1・・・・③
これで、①②③から図のように、領域ABCが指定できた。ABの線は含まれるが、BCの線とB点は
含まれない。
3. x₁<-1 , x₂<-1 のとき
-a+√(a²-4b)<-2 , -a-√(a²-4b)<-2
これも上の2項と同様に議論できるが簡便のため、両辺に(-1)を掛けて変形すると
-(-a)-√((-a)²-4b)>2 , -(-a)+√((-a)²-4b)>2
となって、2項の条件で、a→(-a)としたものと同じだから、2項の結論の領域とb軸に対称な
a>2 側にある領域 DEFとなる。
4. x₁>1 , x₂<-1 のとき
-a+√(a²-4b)>2 , -a-√(a²-4b)<-2 後者を変形して
-a+√(a²-4b)>2 , a+√(a²-4b)>2
(1) a≧0 のとき・・・④
a+√(a²-4b)≧-a+√(a²-4b) は自明なので -a+√(a²-4b)>2 だけ
満たせばよい。2+a>0なので、-aを移行して両辺を2乗すると
-4b>4+4a → b<-a-1・・・・⑤
したがって、①④⑤により、領域GHIが求まる。
(2) a<0 のとき・・・・⑥
同様に、a+√(a²-4b)>2 だけ満たせばよい。2-a>0 なので、aを移項して、2乗すると
-4b>4-4a → b<a-1・・・・⑦
したがって、①⑥⑦により、領域GHJが求まる。
(1)(2)まとめて、IHJの領域がもとまり、IHJのオレ線は含まれない。
5. x₁<-1 , x₂>1 のとき
-a+√(a²-4b)<-2 , -a-√(a²-4b)>2 前者の両辺に(-1)を掛けると
a-√(a²-4b)>2 , -a-√(a²-4b)>2 となる。さらに
a≧a-√(a²-4b)>2 , -a≧-a-√(a²-4b)>2 つまり a>2かつ、a<-2
となり、このような aは存在しない。以上ですべての条件と領域が求められた。
6. なお、B,E点で、直線は放物線の接線となっている。それは1項で b=a²/4, b=-a-1 からbを
消すと、(a+2)²=0となって、交点が重根となることからも明らか。
以上