特殊相対性理論・電磁気学・数学

物理の暗黒面や面白い問題など。

x^2+ax+b=0の根が|x|>1を満たすときのa,bの範囲を求む

2019-03-03 17:53:47 | 算数
あるサイトに下記の質問があった。ヒントに従うと解けたが、面白いので紹介する。

[問]x²+ax+b=0が実数解を持つ。それらが|x|>1であるときの条件を求め、それを満たす点a,bを
  ab平面に図示せよ(a,bは実数)。

[解] 解を x₁=(-a+√(a²-4b))/2 , x₂=(-a-√(a²-4b))/2 とします。

1. まず、a²-4b≧0 です。b≦a²/4 ・・・・①
 ですから、等号の放物線の下側となります。

2. x₁>1 , x₂>1 のとき
 -a+√(a²-4b)>2 , -a-√(a²-4b)>2 これを並び替えると
   √(a²-4b)>2+a , -√(a²-4b)>2+a

 このとき、√(a²-4b)≧ -√(a²-4b) は自明だから、後者だけ成立すればよい。
 まず、左辺は0以下だから 2+a<0、つまり、a<-2 ・・・②
 上の両辺が負であることに注意(不等号の方向)して2乗すると
   a²-4b<4+4a+a² → b>-a-1・・・・③
 これで、①②③から図のように、領域ABCが指定できた。ABの線は含まれるが、BCの線とB点は
 含まれない。

3. x₁<-1 , x₂<-1 のとき
   -a+√(a²-4b)<-2 , -a-√(a²-4b)<-2
 これも上の2項と同様に議論できるが簡便のため、両辺に(-1)を掛けて変形すると
   -(-a)-√((-a)²-4b)>2 , -(-a)+√((-a)²-4b)>2
 となって、2項の条件で、a→(-a)としたものと同じだから、2項の結論の領域とb軸に対称な
 a>2 側にある領域 DEFとなる。

4. x₁>1 , x₂<-1 のとき
 -a+√(a²-4b)>2 , -a-√(a²-4b)<-2 後者を変形して
   -a+√(a²-4b)>2 , a+√(a²-4b)>2

(1) a≧0 のとき・・・④
  a+√(a²-4b)≧-a+√(a²-4b) は自明なので -a+√(a²-4b)>2 だけ
 満たせばよい。2+a>0なので、-aを移行して両辺を2乗すると
   -4b>4+4a → b<-a-1・・・・⑤
 したがって、①④⑤により、領域GHIが求まる。

(2) a<0 のとき・・・・⑥
 同様に、a+√(a²-4b)>2 だけ満たせばよい。2-a>0 なので、aを移項して、2乗すると
  -4b>4-4a → b<a-1・・・・⑦
 したがって、①⑥⑦により、領域GHJが求まる。

 (1)(2)まとめて、IHJの領域がもとまり、IHJのオレ線は含まれない。

5. x₁<-1 , x₂>1 のとき
  -a+√(a²-4b)<-2 , -a-√(a²-4b)>2 前者の両辺に(-1)を掛けると
  a-√(a²-4b)>2 , -a-√(a²-4b)>2 となる。さらに
  a≧a-√(a²-4b)>2 , -a≧-a-√(a²-4b)>2 つまり a>2かつ、a<-2

 となり、このような aは存在しない。以上ですべての条件と領域が求められた。

6. なお、B,E点で、直線は放物線の接線となっている。それは1項で b=a²/4, b=-a-1 からbを
 消すと、(a+2)²=0となって、交点が重根となることからも明らか。


以上


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