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特殊相対性理論・電磁気学・数学

物理の暗黒面や面白い問題など。

級数Σ( (logn)/n )² の収束判定

2020-07-30 06:36:21 | 解析(極限・級数)

1. まえがき

 級数 Σ( (logn)/n )² の収束を比較定理によって、判定せよという問題があった。

2. 計算

 まず、比較する級数を求めなければならない。そこで、x>0 , p>0 , K>0 として、
   f(x)=log x - Kxp , f(1)=-K < 0・・・・・・・・①
 を考える。この関数が f(x)<0 (x≧1) 減少関数となるか検討する。
   f'(x)=1/x-Kpxp-1  
 であり、f'(x)≦0 となるxの範囲を求めると
   x≧(1/Kp)1/p 
 ここで、K=1/p に選ぶと、x≧1 で、f'(x)≦0 となる。すると①から
   f(x)<0 → log x < Kxp (x≧1)
 を得る。この両辺を2乗して、x² で割ると
   (log x/x)²<K²/x2-2p ・・・・・②
 を得る。p<1/2 にとると、q=2-2p として、q>1 となる。②は
   (log x/x)²<K²/xq (x≧1 , q>1)
 となる。これから、n≧1の時、
   Σ(log n/n)² < ΣK²/nq (q>1)
 を得る。右辺の収束はよく知られているので、掲題の級数も収束する。

3. あとがき

 Σ1/nq (q>1) の収束性は、積分を使ったものがよく知られているから、掲題の級
 数は始めからそうしたほうが簡単で直接的となる。g(x)=(log x/x)² とし、
   g'(x)=2(log x/x)(1/x²-log x/x²)=2(log x/x³)(1-log x) <0 (x>e → x≧3)
 となるので、g(x)は減少関数となる。すると
   Σ[n=3→∞] (log n/n)² < ∫[x=2→∞] (log x/x)²dx < ∫[x=1→∞] (log x/x)²dx
      =[log²x/(-x)][x=∞,1]-∫[x=1→∞] (2log x/x)/(-x) dx
      =0+2∫[x=1→∞] (log x/x²) dx
      =2{ [log x/(-x)][x=∞,1]-∫[x=1→∞] (1/x)/(-x) dx }
      =0+2∫[x=1→∞] 1/x² dx=2
 となり、掲題の級数は有界となり、収束する。

以上



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