特殊相対性理論・電磁気学・数学

物理の暗黒面や面白い問題など。

磁界中の超伝導体棒が平行導体レール上を運動するときの起電力

2022-01-06 20:02:57 | 電磁気学

1.まえがき

 磁界中の導体棒が平行導体レール上を運動するときの起電力はよく知られている。この
 とき、運動導体棒が超伝導体だったらどうなるかという問題があった。

 磁界中の超伝導体の場合はマイスナー効果により、内部には磁界は無く、起電力のもと
 となるローレンツ力が働かない。すると、レンツの法則と矛盾する。
かなり難問だっ
 が考えてみた。



2.考察

 マイスナー効果の原因は、超電導体表面に電流ループが流れて、超伝導体中の磁界 B を
 打ち消す磁界 B'=-B が発生することにある。すると、導体棒が運動するとこの
磁界 B' が
 運動し、誘導電界 E=-v×B'=v×B を発生する。


 つまり、超伝導体の場合はローレンツ力 v×B によるのではなく、誘導電界によって起電
 力が発生している。

 この設問を見たときは焦ったが、レンツの法則と矛盾せずにすんだ

[2022/1/18] 追加
 なお、超伝導体に発生した誘導電界により、電荷が分離して逆電界が発生し、超伝導体
 内部の電界は打ち消される。これは以前の説明と同様となる。

以上



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