Box of Days

~日々の雑念をつらつらと綴るもの也~ by MIYAI

グランジが僕の横を通り過ぎたとき

2006年09月10日 | diary
 起きがけにパール・ジャムを聴く。『Rearviewmirror』。ベスト盤だけあって、さすがにいい曲が揃ってたりする。かっこよくてまいってしまうな。

 僕はグランジをほとんど聴かずに通り過ぎてしまった。ニルヴァーナの『Nevermind』でさえ、一度も聴いたことがない。パール・ジャムの初期のアルバムのいくつかは、発売時に聴いた。『Vs.』とか『Vitalogy』とか。でも、聴き込むことはなかった。多分、サウンドの問題だと思う。あのときは、殺伐としたギターのディストーションが好きになれなかった。その頃の僕は少しロックから離れていて、オーティス・レディングやサム&デイヴなどの古いソウルをよく聴いていた。スティーヴ・クロッパーの多くを語らない、でも音楽を知り尽くしたギター・プレイに心酔していた頃だ。

 だから、グランジなんてお呼びじゃなかった。でも、今聴くといいね。パール・ジャムはすごくいいと思う。

 パール・ジャムの『Ten』もニルヴァーナの『Nevermind』も発売されたのは、確か僕が大学2年生のときだったと思う。今思い返してみても、まったく激しい音を求めていなかった時期だった。大好きなニール・ヤングでさえ、この当時に出たライヴ・アルバムは音がラウド過ぎて好きになれなかった。これも今聴くといいのかな?どうなんだろな。ま、いいや。そんなこんなで、自分とはまじわることなく通り過ぎていったグランジであった。

 そんな僕がまたエッジのたったうるさい音を聴きたくなったのは、大学を卒業して社会人になったときだった。しかし、このときもグランジを聴くことにはやっぱりならなかった。今でもよく覚えている。まだ入社して間もなかった僕は、みんなよりも早く会社に来てあれこれと仕事の準備をしていた。すると少し遅れて出社してきた先輩が、自分の机にかばんも置かずに僕のところまでやってきて、「おい、カート・コバーンが自殺したぞ」と言った。びっくりした。僕が思わず声をあげたため「MIYAIくん、ニルヴァーナ好きなの?」と訊かれた。「いえ、実は聴いたことないんですよ」と僕は答えた。

 それで、結局、今もまだ聴いていない。きっと、このときに聴くきっかけを失ってしまったんだと思う。その代わりといっては語弊があるけど、この年にグリーンデイの『Dookie』が発売され、僕はこの単純明快なポップ・パンクをとても気に入った。翌年に発売されたセカンド・アルバムは発売日に買ったくらいだった。

 すべてがついこの間のことのように思える。でも、もう10年以上前のことなんだね。まいっちゃうね。