EG16の続きです。品詞としての「接続詞」には、どんなタイプがあるのかを、簡単に見てみたいと思います。以下、見ましょう。
(1)John likes dogs and Mary likes cats.
(ジョンは犬が好きだ、そして、メアリーは猫が好きだ。)
(2)John likes dogs but Mary hates dogs.
(ジョンは犬が好きだが、しかし、メアリーは犬が嫌いだ。)
(1)の‘and’「そして」や、(2)の‘but’「しかし」は、接続詞ですが、前半の文と後半の文をそれぞれつないでいます。このように、接続詞は、文と文をつなぐことも可能です。英語の場合、このように、文と文をつなぐ機能をもった接続詞に限定するならば、‘and’や‘but’以外にも、結構な数の接続詞があります。 (語句の接続に関しては、EG16、参照。)
(3)John ate dinner before Mary came home.
(メアリーが帰宅する前に、ジョンは夕食を食べてしまった。)
(4)John ate potato chips when Mary ate beefsteak.
(メアリーがステーキを食べているとき、ジョンはポテトチップを食べていた。)
(5)John ate nothing because Mary hated cooking.
(メアリーが料理嫌いだったので、ジョンは何も食べていなかった。)
(3)の‘before’「~ 前に」、(4)の‘when’「~ とき」、(5)の‘because’「~ なので」も、接続詞として見なされています。確かに、これらの単語の前後には、それぞれ、‘John’を主語にもつ文と、‘Mary’を主語にもつ文がありますから、そういった文と文の接続をしている、という見方が可能です。
(6)Before Mary came home、John ate dinner. (訳同(3))
(7)When Mary ate beefsteak、John ate potato chips. (訳同(4))
(8)Because Mary hated cooking、John ate nothing. (訳同(5))
ところで、(6)~(8)は、基本的に、それぞれ、(3)~(5)と同じ意味をもっています。(6)~(8)と(3)~(5)のカタチの上での違いは、それぞれ、‘John’を主語にもつ文と、‘Mary’を主語にもつ文が、前後で入れかわっていることですが、しかし、もう1つ、違いがあります。
それは、(6)~(8)では、‘before’「~ 前に」、‘when’「~ とき」、‘because’「~ なので」といった接続詞が、文の先頭に位置している、ということです。つまり、接続詞の後には、‘Mary’を主語にもつ文と、‘John’を主語にもつ文が、間に接続詞を置くことなく、2つ立て続けになっている、ということです。
接続詞は、一般的な考え方としては、接続されるもの (文と文) の間に、はさまっているもの、と考えられますが、それは、日本語の接続詞の場合には、常にそうだと言えることであっても、一方、英語の接続詞の場合は、常にそうだとは限らない、ということなのです。
日本語と英語の接続詞の違いで、最も大きな点は、まさに、この点にあると言ってもよく、つまり、英語の接続詞には、日本語の文法を基準にした場合、とても想像がつかないような語順になることがある、ということなのです。ポイントは、接続の仕方が、ちょっと変わっていて、「接続詞+文2+文1」というカタチになるが、意味としては、「文1+接続詞+文2」と同等である、ということですね。
(9)And Mary likes cats、John likes dogs. (×) (訳同(1))
(10)But Mary hates dogs、John likes dogs. (×) (訳同(2))
(9)と(10)は、(1)と(2)の文を語順変更したものですが、両方とも、アウトです。(9)では、(1)の‘and Mary likes cats’の部分が、‘John likes dogs’の前に移動しているのですが、全くもって不可能です。一方、(10)でも、(2)の‘but Mary hates dogs’の部分が、‘John likes dogs’の前に移動しているのですが、これも、全くもって不可能です。
(3)~(8)の‘before’「~ 前に」、‘when’「~ とき」、‘because’「~ なので」といった接続詞は、「文1+接続詞+文2」から、「接続詞+文2+文1」のような語順変更が可能であったのに、一方、(1)の‘and’や、(2)の‘but’は、それが不可能である、ということから、英語では、同じ接続詞であっても、こういった違いから、タイプ分けがなされています。
(11)and (そして)、but (しかし)、or (または)
(12)when (~ とき)、before (~ 前に)、after (~ 後で)、since (~ 以来)、
because (~ なので)、till (~ まで)、until (~ まで)、if (~ ならば)、
whether (~ であろうとなかろうと)、though (~ であるが)、その他
(11)のグループの接続詞は、必ず、文1と文2の間に置かなければならないタイプで、語順変更はありません。一方、(12)のグループの接続詞は、文1と文2の間に置くのを基本としますが、語順変更が可能で、文2が文1の前に出る際は、同時に、接続詞が文2の前に置かれたまま移動しなければならないタイプです。
この語順変更を、言いかえるならば、(12)のグループの接続詞は、カタチの上では、常に、「接続詞+文2」のつながりが崩れることのないタイプである、ということになります。そして、(11)のグループに属する接続詞よりも、その数が圧倒的に多いのも、その特徴となっています。
(13)Mary hates dogs though John likes dogs. (訳同(2))
(14)Though John likes dogs、Mary hates dogs. (訳同(2))
このタイプ分けがあると、似たような意味の接続詞であっても、その振る舞い方は全く違う、ということになります。(13)から(14)への語順変更は、OKですが、それは、(12)のグループに属する接続詞‘though’「~ であるが」が使われているからです。
そこで、(13)と(14)は、意味としては、ほぼ、(2)と同じですが、しかし、(2)で使われている接続詞は、(11)のグループに属する接続詞‘but’なので、(10)のような語順変更がアウトになってしまいます。さらに、注意点としては、(13)の「文1+接続詞+文2」は、(2)では、「文2+接続詞+文1」の逆接続になっていることです。
日本語で考える際、(2)のように、(11)のグループに属する接続詞を使った文は、文の先頭から末尾まで、自然な流れで解釈できますが、しかし、一方、(12)のグループに属する接続詞を使った文は、語順変更が起こった、(14)のような「接続詞+文2+文1」のカタチの方が、むしろ、自然な流れで解釈しやすくなる、という特徴があります。
(3)~(5)の英語と、その日本語訳の流れの対比も、合わせて確認してほしいのですが、(3)~(5)は、文1と文2の対比が、ちょうど逆になるような順序になっています。しかし、一方、(6)~(8)の英語は、日本語訳の流れとうまく合致しているのがわかると思います。
(15)John thinks (that) Mary is selfish.
(ジョンは、メアリーが我がままだと思っている。)
(16)John does not know (whether) Mary is selfish.
(ジョンは、メアリーが我がままかどうか知らない。)
今度は、ちょっとタイプの違う接続詞です。(15)の‘that’「~ だと」や、(16)の‘whether’「~ かどうか」 ((12)のグループの‘whether’「~ であろうとなかろうと」とは、意味が違うことに注意) も、接続詞として扱うことになっています。 (EG41、参照。)
もちろん、文と文の間に置かれているからなんですが、(15)では、どうやら、‘John thinks’と、‘Mary is selfish’が、‘that’によって接続されている、ということになっているようです。(16)でも、同様に、‘John does not know’と、‘Mary is selfish’が、‘whether’によって接続されている、ということになっているようです。
ただ、(15)の‘that’や、(16)の‘whether’が、(11)のグループとも、(12)のグループとも、決定的に異なっている点は、接続詞と呼ぶ割には、あまり、それらしい活躍をしておらず、結構、省略されてしまうことが多い、ということです。(11)や(12)のグループの接続詞は、文1と文2を、意味的に自然なつながりにするために、なくてはならない、必要とされる接続詞です。
しかし、一方、(15)の‘that’や、(16)の‘whether’は、文1と文2をつないでいる、と言うよりは、むしろ、位置的には、文と文の間に現れているので、とりあえず、結果論的に、接続詞と考えておこう、という程度の発想に基づいているものです。ですので、本来は、別に無理して接続詞として扱う必要もないようなタイプのものです。
(17)[ That Mary is selfish ] is known to everyone.
([ メアリーが我がままだということは ]、皆に知られている。)
(18)[ Whether Mary is selfish ] is not important to us.
([ メアリーが我がままかどうか ] なんて、我々には重要なことではない。)
‘that’や‘whether’が、省略ができないケースについては、(17)や(18)のように、文の先頭で使われているような場合など、おおよそ、接続詞としての本来の機能うんぬんとは、無関係な状況で起こります。
これに加えて、(17)の‘that Mary is selfish’や、(18)の‘whether Mary is selfish’は、意味的には、文全体の主語になっているので、‘that’や、‘whether’は、文と文をつないでいる、というよりも、むしろ、ある文を、他の文の中の一部として組み込んでしまうはたらきがある、と見た方が、より本質的で正確な言い方になります。
(15)や(16)の例でも、やはり、‘that Mary is selfish’全体や、‘whether Mary is selfish’全体を、目的語として考え、より大きな文の一部になるように組み込んでいる、と見た方が、より本質的で正確な言い方ですので、やはり、接続をしている、というような印象は希薄です。 (EG41、参照。)
今回のポイントは、語句の接続ではなく、文と文の接続という観点から見た場合、接続詞は、一気に数が増えて、それが、大きく3つのタイプに分かれている、ということです。まず、最も単純と思われる、(11)のようなタイプと、やや日本語の感覚からは異質な(12)のタイプが、英語における主な接続詞ということになります。
しかし、‘that’「~ だと」や、‘whether’「~ かどうか」のように、文を、他の文の中の主語や目的語として機能させるように仕向けるタイプのものも、接続詞という扱いを受ける点で、英語では、かなり、接続の概念そのものが、ゆるく幅広い、と言えます。
これで、接続詞の種類が出揃ったことになります。今回は、品詞という観点で、サラっと紹介している程度なんですが、接続詞がらみの変形などは、結構ややこしいものがあり、なかなか英語学習者泣かせな部分がありますので、別の機会に詳しく見てみたいと思います。
■注 :(11)のタイプは、一般に、「等位接続詞」と呼ばれています。一方、(12)のタイプは、「従属接続詞」と呼ばれています。(13)~(16)の‘that’「~ だと」や、‘whether’「~ かどうか」は、一般に、「従属接続詞」のタイプに分類されていますので、学校で習う文法では、2タイプの分類ということになります。従属接続詞の概念は、「主文」と「従文」の接続という、「主」と「従」の関係で、文が接続されている、ととらえる観点から、そう呼ばれています。
●関連: EG16、EG41
★みんなの英会話奮闘記★ ★英語・人気blogランキング★
(1)John likes dogs and Mary likes cats.
(ジョンは犬が好きだ、そして、メアリーは猫が好きだ。)
(2)John likes dogs but Mary hates dogs.
(ジョンは犬が好きだが、しかし、メアリーは犬が嫌いだ。)
(1)の‘and’「そして」や、(2)の‘but’「しかし」は、接続詞ですが、前半の文と後半の文をそれぞれつないでいます。このように、接続詞は、文と文をつなぐことも可能です。英語の場合、このように、文と文をつなぐ機能をもった接続詞に限定するならば、‘and’や‘but’以外にも、結構な数の接続詞があります。 (語句の接続に関しては、EG16、参照。)
(3)John ate dinner before Mary came home.
(メアリーが帰宅する前に、ジョンは夕食を食べてしまった。)
(4)John ate potato chips when Mary ate beefsteak.
(メアリーがステーキを食べているとき、ジョンはポテトチップを食べていた。)
(5)John ate nothing because Mary hated cooking.
(メアリーが料理嫌いだったので、ジョンは何も食べていなかった。)
(3)の‘before’「~ 前に」、(4)の‘when’「~ とき」、(5)の‘because’「~ なので」も、接続詞として見なされています。確かに、これらの単語の前後には、それぞれ、‘John’を主語にもつ文と、‘Mary’を主語にもつ文がありますから、そういった文と文の接続をしている、という見方が可能です。
(6)Before Mary came home、John ate dinner. (訳同(3))
(7)When Mary ate beefsteak、John ate potato chips. (訳同(4))
(8)Because Mary hated cooking、John ate nothing. (訳同(5))
ところで、(6)~(8)は、基本的に、それぞれ、(3)~(5)と同じ意味をもっています。(6)~(8)と(3)~(5)のカタチの上での違いは、それぞれ、‘John’を主語にもつ文と、‘Mary’を主語にもつ文が、前後で入れかわっていることですが、しかし、もう1つ、違いがあります。
それは、(6)~(8)では、‘before’「~ 前に」、‘when’「~ とき」、‘because’「~ なので」といった接続詞が、文の先頭に位置している、ということです。つまり、接続詞の後には、‘Mary’を主語にもつ文と、‘John’を主語にもつ文が、間に接続詞を置くことなく、2つ立て続けになっている、ということです。
接続詞は、一般的な考え方としては、接続されるもの (文と文) の間に、はさまっているもの、と考えられますが、それは、日本語の接続詞の場合には、常にそうだと言えることであっても、一方、英語の接続詞の場合は、常にそうだとは限らない、ということなのです。
日本語と英語の接続詞の違いで、最も大きな点は、まさに、この点にあると言ってもよく、つまり、英語の接続詞には、日本語の文法を基準にした場合、とても想像がつかないような語順になることがある、ということなのです。ポイントは、接続の仕方が、ちょっと変わっていて、「接続詞+文2+文1」というカタチになるが、意味としては、「文1+接続詞+文2」と同等である、ということですね。
(9)And Mary likes cats、John likes dogs. (×) (訳同(1))
(10)But Mary hates dogs、John likes dogs. (×) (訳同(2))
(9)と(10)は、(1)と(2)の文を語順変更したものですが、両方とも、アウトです。(9)では、(1)の‘and Mary likes cats’の部分が、‘John likes dogs’の前に移動しているのですが、全くもって不可能です。一方、(10)でも、(2)の‘but Mary hates dogs’の部分が、‘John likes dogs’の前に移動しているのですが、これも、全くもって不可能です。
(3)~(8)の‘before’「~ 前に」、‘when’「~ とき」、‘because’「~ なので」といった接続詞は、「文1+接続詞+文2」から、「接続詞+文2+文1」のような語順変更が可能であったのに、一方、(1)の‘and’や、(2)の‘but’は、それが不可能である、ということから、英語では、同じ接続詞であっても、こういった違いから、タイプ分けがなされています。
(11)and (そして)、but (しかし)、or (または)
(12)when (~ とき)、before (~ 前に)、after (~ 後で)、since (~ 以来)、
because (~ なので)、till (~ まで)、until (~ まで)、if (~ ならば)、
whether (~ であろうとなかろうと)、though (~ であるが)、その他
(11)のグループの接続詞は、必ず、文1と文2の間に置かなければならないタイプで、語順変更はありません。一方、(12)のグループの接続詞は、文1と文2の間に置くのを基本としますが、語順変更が可能で、文2が文1の前に出る際は、同時に、接続詞が文2の前に置かれたまま移動しなければならないタイプです。
この語順変更を、言いかえるならば、(12)のグループの接続詞は、カタチの上では、常に、「接続詞+文2」のつながりが崩れることのないタイプである、ということになります。そして、(11)のグループに属する接続詞よりも、その数が圧倒的に多いのも、その特徴となっています。
(13)Mary hates dogs though John likes dogs. (訳同(2))
(14)Though John likes dogs、Mary hates dogs. (訳同(2))
このタイプ分けがあると、似たような意味の接続詞であっても、その振る舞い方は全く違う、ということになります。(13)から(14)への語順変更は、OKですが、それは、(12)のグループに属する接続詞‘though’「~ であるが」が使われているからです。
そこで、(13)と(14)は、意味としては、ほぼ、(2)と同じですが、しかし、(2)で使われている接続詞は、(11)のグループに属する接続詞‘but’なので、(10)のような語順変更がアウトになってしまいます。さらに、注意点としては、(13)の「文1+接続詞+文2」は、(2)では、「文2+接続詞+文1」の逆接続になっていることです。
日本語で考える際、(2)のように、(11)のグループに属する接続詞を使った文は、文の先頭から末尾まで、自然な流れで解釈できますが、しかし、一方、(12)のグループに属する接続詞を使った文は、語順変更が起こった、(14)のような「接続詞+文2+文1」のカタチの方が、むしろ、自然な流れで解釈しやすくなる、という特徴があります。
(3)~(5)の英語と、その日本語訳の流れの対比も、合わせて確認してほしいのですが、(3)~(5)は、文1と文2の対比が、ちょうど逆になるような順序になっています。しかし、一方、(6)~(8)の英語は、日本語訳の流れとうまく合致しているのがわかると思います。
(15)John thinks (that) Mary is selfish.
(ジョンは、メアリーが我がままだと思っている。)
(16)John does not know (whether) Mary is selfish.
(ジョンは、メアリーが我がままかどうか知らない。)
今度は、ちょっとタイプの違う接続詞です。(15)の‘that’「~ だと」や、(16)の‘whether’「~ かどうか」 ((12)のグループの‘whether’「~ であろうとなかろうと」とは、意味が違うことに注意) も、接続詞として扱うことになっています。 (EG41、参照。)
もちろん、文と文の間に置かれているからなんですが、(15)では、どうやら、‘John thinks’と、‘Mary is selfish’が、‘that’によって接続されている、ということになっているようです。(16)でも、同様に、‘John does not know’と、‘Mary is selfish’が、‘whether’によって接続されている、ということになっているようです。
ただ、(15)の‘that’や、(16)の‘whether’が、(11)のグループとも、(12)のグループとも、決定的に異なっている点は、接続詞と呼ぶ割には、あまり、それらしい活躍をしておらず、結構、省略されてしまうことが多い、ということです。(11)や(12)のグループの接続詞は、文1と文2を、意味的に自然なつながりにするために、なくてはならない、必要とされる接続詞です。
しかし、一方、(15)の‘that’や、(16)の‘whether’は、文1と文2をつないでいる、と言うよりは、むしろ、位置的には、文と文の間に現れているので、とりあえず、結果論的に、接続詞と考えておこう、という程度の発想に基づいているものです。ですので、本来は、別に無理して接続詞として扱う必要もないようなタイプのものです。
(17)[ That Mary is selfish ] is known to everyone.
([ メアリーが我がままだということは ]、皆に知られている。)
(18)[ Whether Mary is selfish ] is not important to us.
([ メアリーが我がままかどうか ] なんて、我々には重要なことではない。)
‘that’や‘whether’が、省略ができないケースについては、(17)や(18)のように、文の先頭で使われているような場合など、おおよそ、接続詞としての本来の機能うんぬんとは、無関係な状況で起こります。
これに加えて、(17)の‘that Mary is selfish’や、(18)の‘whether Mary is selfish’は、意味的には、文全体の主語になっているので、‘that’や、‘whether’は、文と文をつないでいる、というよりも、むしろ、ある文を、他の文の中の一部として組み込んでしまうはたらきがある、と見た方が、より本質的で正確な言い方になります。
(15)や(16)の例でも、やはり、‘that Mary is selfish’全体や、‘whether Mary is selfish’全体を、目的語として考え、より大きな文の一部になるように組み込んでいる、と見た方が、より本質的で正確な言い方ですので、やはり、接続をしている、というような印象は希薄です。 (EG41、参照。)
今回のポイントは、語句の接続ではなく、文と文の接続という観点から見た場合、接続詞は、一気に数が増えて、それが、大きく3つのタイプに分かれている、ということです。まず、最も単純と思われる、(11)のようなタイプと、やや日本語の感覚からは異質な(12)のタイプが、英語における主な接続詞ということになります。
しかし、‘that’「~ だと」や、‘whether’「~ かどうか」のように、文を、他の文の中の主語や目的語として機能させるように仕向けるタイプのものも、接続詞という扱いを受ける点で、英語では、かなり、接続の概念そのものが、ゆるく幅広い、と言えます。
これで、接続詞の種類が出揃ったことになります。今回は、品詞という観点で、サラっと紹介している程度なんですが、接続詞がらみの変形などは、結構ややこしいものがあり、なかなか英語学習者泣かせな部分がありますので、別の機会に詳しく見てみたいと思います。
■注 :(11)のタイプは、一般に、「等位接続詞」と呼ばれています。一方、(12)のタイプは、「従属接続詞」と呼ばれています。(13)~(16)の‘that’「~ だと」や、‘whether’「~ かどうか」は、一般に、「従属接続詞」のタイプに分類されていますので、学校で習う文法では、2タイプの分類ということになります。従属接続詞の概念は、「主文」と「従文」の接続という、「主」と「従」の関係で、文が接続されている、ととらえる観点から、そう呼ばれています。
●関連: EG16、EG41
★みんなの英会話奮闘記★ ★英語・人気blogランキング★