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英語脳をつくる!~日本人はいかに効率良く英語を学べるか~

英語学習に関する事いろいろです。日本人がいかにすれば実用英語を身に付けられるか、その最短距離を考察!

英語学習法(41)

2004年12月30日 | 
文を文の中に組み込むやり方です。‘that’節と呼ばれるものを例に取ってみます。以下の日本語、見ましょう。

(1)太郎は信じている。
(2)花子は正直者だ。
(3)太郎は [ 花子は正直者だと ] 信じている。

(1)の中に(2)を組み込むと(3)が完成します。(2)の末尾に「~と」が付くのがポイントですね。では英語ではどうでしょうか。

(4)John believes. (ジョンは信じている。)
(5)Mary is honest. (メアリーは正直者だ。)
(6)John believes [ (that) Mary is honest ]. ([ ジョンはメアリーが正直者だと ] 信じている。)

(4)の中に(5)を組み込むと(6)が完成します。(5)の先頭に‘that’が付くのがポイントですが、これはオプションでもいいのですね。ところで、普通は、「信じる」というような表現は、目的語が必要ですね。

(7)太郎はその噂を信じている。
(8)John believes the rumor. (ジョンはその噂を信じている。)

(7)の「その噂を」の部分と、(3)の「花子は正直者だと」の部分は分布(現れる位置)が一致していますね。同様に、英語の場合、(8)の‘the rumor’と、(6)の‘(that) Mary is honest’の部分は分布が一致しています。つまり、日本語も英語も目的語の位置に文が組み込まれているということがわかります。

もうおわかりかと思いますが、文は目的語として働くことができるんです。目的語になれるということは、一歩踏み込んで考えれば、名詞であるということですので、組み込まれた文は名詞(的)であるとも言えますね。文法の解説書などを読むと「名詞節」というコトバが出てきますが、これのことを言っているんです。名詞として文が使えるということは、主語の位置にも使えそうですね。

(9)The story is our secret. (その話はボクらの秘密だぞ。)
(10)[ That James is a spy ] is our secret. 
   ([ ジェームズがスパイだってことは ] ボクらの秘密だぞ。)

(9)の‘the story’と同じ位置に‘that James is a spy’が分布していますので、やはり名詞として使えるんですね。ただ、主語の位置に文がくる場合、‘that’は省略できない傾向があるので注意して下さい。

これは先頭に主語として組み込まれた文があると思って読んで(聞いて)くれよな、というシグナルとして‘that’を残しておきたいからで、普通、文の出だしでは、組み込まれた側よりも、組み込む側の方が先にくると思って聞き手は聞いているので、一種の、心の準備をしておくように、という指示みたいなものです。ですので、文が目的語として組み込まれているときには省略されていても特に違和感を感じないのですね。

今回は、何だかとても簡単なことをやっているようですが、文を組み込むというシステムを習得すると表現方法にグンと広がりが出てきます。このやり方を単純反復させて長めの文をつくり、意味内容の濃い表現にすることができます。今度は(6)を更に組み込んだ文をつくってみます。

(11)I imagine [ (that)John believes [ (that) Mary is honest ] ].
  (ボクはね、[ ジョンは [ メアリーが正直者だと ] 信じている ] と想像してるん
  だけどね。)

(11)では、「孫」である‘(that) Mary is honest’を中に組み込んだ‘John believes ~’が「子」であるとすると、今度は、その「子」が、組み込まれる側の立場になり、‘I imagine ~’が、それを組み込む側の立場、つまり「親」になっているということですね。

このように文法には、単純なルールを反復させて複雑な表現を可能にしている側面があるので、一見、難しそうに見える文も、実はそんなに大掛かりな仕組みを用いているわけではない場合があります。単純な仕組みの反復こそが英語脳の大きな仕組みの一部であるという例でした。

■注1 :今回扱った、‘that’節は、学校で習う英文法では、「従属節」とか、「従位節」と呼ばれています。それに対して、‘that’節を組み込む側の文を、「主節」と呼んでいます。これは、‘that’節が、組み込む側の文に依存することで成り立っている、という、依存の関係を、比喩的に、「主従」の関係で表現したものです。

■注2 :(10)のような‘that’節を、主語として組み込んだ文は、一応、文法的ではありますが、あまり座りがよくない、と判断される場合があります。この点に関しては、EG84を参照して下さい。


●関連: EG84

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英語学習法(33)

2004年12月18日 | 
EG30の続きです。EG30では、‘when~’「~のとき」などの「時」に関係する表現は、同時に、「条件」を提示する内容になる文であることがわかりました。そこで、今回は、「条件」そのものを表す、‘if ~’「~ ならば」の文との比較をしてみたいと思います。以下、見ましょう。

(1) a. <When I see John tomorrow>、I will tell him the truth. (〇) (=EG30(1))
    (<明日ジョンに会ったとき>、ホントの事言おっと。)
   
   b. <When I will see John tomorrow>、I will tell him the truth. (×) (=EG30(2))
    (訳同上)

(2) a. <If it is fine tomorrow>、we will go on a picnic. (〇)
    (<明日晴れなら>、ピクニックじゃ。)

   b. <If it will be fine tomorrow>、we will go on a picnic. (×) 
    (訳同上)

(1a)が正しく、(1b)がダメな理由は、EG30で定義した通り、時に関係する、<接続詞+文>の中では、これから先のことを言おうとするのに、「未来」の‘will’は用いず、現在時制で表現する、というルールがあるからですが、どうやら、‘if ~’「~ ならば」の文の場合も、(2a)と(2b)を見る限り、‘when~’「~のとき」の場合と同じく、このルールに従うようです。

ここで、確認として、(2a)の場合も、カタチとしては、やはり、(1a)の、<when+文 (I see John tomorrow)>が、他の文である、‘I will tell him the truth’にかかっているのですが、これと同様に、(2a)の、<if +文 (it is fine tomorrow)>も、他の文である、‘we will go on a picnic’にかかるカタチになっているのがわかると思います。このように、「時」を表す、<接続詞+文>のカタチの場合と同じく、「条件」を表す、‘if ~’「~ ならば」も、接続詞であり、<接続詞+文>のカタチになっています。そこで、一応、以下のようなルールが成立します。

(3)「時」や「条件」を表す副詞節中では、これから先のことを言おうとするのに、
   「未来」の‘will’は用いず、現在時制で表現する。

とりあえず、(1a-b)と(2a-b)の文法性に関しては、英文法の解説本などを調べると、(3)のような定義になっていて、これが、スタンダードなものとなっています。定義(3)では、EG30の定義(6)に、「条件」の概念が加わっているのがわかります。ちなみに、「副詞節」というのは、ここでは、< >で括られている表現のことです。 (EG44参照)

しかし、既に、EG30で確認した通り、(3)のように、「時」と「条件」の概念を、別々に述べて、あたかも、それぞれが、独立した項目であるかのように、理解するのは、本質的ではないと思われます。「時」に関係している<接続詞+文>は、過去のことを述べるときとは違って、これから先のことを述べようとする場合は、必然的に、「条件」を含んだ内容になっているからです。ですので、定義(3)の本質は、「条件」の概念が、ベースになっていて、付随的に、「時」に関係する表現も、「条件」の言いかえとして表せる、と見るのが正しいようです。

例えば、これから先、こうなったら、そのときには、かくかくしかじかのことをします、という文においては、ある「条件」にもとづいて、あることをする、と言っているわけですから、「~ とき ・・・ する」の、「~ とき」の部分が、一種の「条件」を提示していると言えます。ですので、そこで、「条件」という概念と、未来の‘will’との関わり合いを考えてみたいと思います。

(4) It will be fine tomorrow. (明日は晴れるだろう。)

(4)は、‘will’が使われていて、OKですが、普通、天気が晴れかどうかというようなことは、完璧な予測が不可能で、「予定」としては成り立ちません。このように、予測が不可能であったり、「予定」として成り立たないような表現は、‘tomorrow’「明日」といった、これから先のことを表す表現をともなうと、普通は、‘will’が必要となります。しかし、以下のような場合もあります。

(5) I will be twenty years old next month. (オレは、来月で20歳だ。)

(5)では、来月で20歳だ、ということを言っていますが、これは完璧に予測が可能です。だから、この場合の‘will’は、「単純な未来」を表現している、といえるのですが、OKなんです。ですので、予測が可能か否かということは、‘will’の出現可能性に対する基準にはなりません。そこで、(4)と(5)を、別の観点から考えると、(4)と(5)は、予測可能性に差はあるわけですが、共通点としては、どちらも、「話者の判断」が含まれている、と言えます。

(6)a. The queen、[ who opens Parliament tomorrow ]、may be detained
    at the airport. (〇)
    (女王様は、[ 明日、議会を開くが ]、空港で拘留されるかも知れない。)

   b. The queen、[ who will open Parliament tomorrow ]、may be detained
    at the airport. (×)
    (訳同上)

(6a)は、関係節である、カギカッコ内で、‘tomorrow’が使われていますが、‘will’のない現在形‘opens’で、OKです。しかし、一方で、(6b)は、関係節である、カギカッコ内で、‘will open’のカタチになっていますが、アウトなんです。

これは、‘will’が、「話者の判断」を含意している確かな証拠となるもので、(6a)は、‘opens’「開く」が、現在形ですが、現在形には、「予定」を含意させることは可能です。そこで、(6a)の現在形‘opens’は、単なる「予定」を表現していますので、女王の議会開催という「予定」が、くつがえされるかも知れない、と話者が「判断」することは、あり得るわけですね。しかし、(6b)では、話者自身が、‘will’を使って、女王の議会開催を確信するという、「判断」を下しているのに、一方で、それが妨害されるかも知れない、と「判断」するのは、意味的に矛盾することになります。

(7) It is fine tomorrow. (×) (訳同(4))

(7)は、(4)の‘will be’を、現在形‘is’にかえてみましたが、アウトです。これは、もちろん、天気を「予定」として組むことなど不可能だからです。これから先の天気を述べる場合は、「話者の判断」が含まれるのが当然と言えます。ここから、(5)の‘will’を考えると、話者が、生年月日を間違えていないなら、当然、来月で20歳になる、と確信する「判断」を下していると言えます。

ですので、結論として言えるのは、予測可能であるような「単純な未来」は、「話者の判断」という概念とは、お互いに独立した別個の概念であり、かつ、必ずしも、お互いが矛盾を引き起こすものではない、ということです。ですので、(5)にあるように、予測可能な単純未来でも、「話者の判断」が入り込むことは十分にあり得ます。

ここで、定義(3)にもどって考えると、「条件」の概念は、「話者の判断」含む‘will’を排除する、と言えるでしょう。(2a)がOKなのに、一方、(7)がアウトです。そして、(2b)がアウトなのに、一方、(4)がOKです。こういった逆説的なことが起こる原因は、「予定」としては成り立たない、「話者の判断」が必ず含まれる天気の予測に対して、「話者の判断」を排除した意味を、「条件」という概念が要求しているからに他なりません。

つまり、「条件」という概念は、「話者の判断」とは矛盾を引き起こす概念だと言えます。英文法の解説本にあるような定義(3)は、実は、ただ単に、英語学習者が、未来は‘will’で表現する、とだけ認識している場合が多いので、それにつられないようにするために、注意点を述べているに過ぎないもので、本来、正しい認識は、「条件」の概念は、「話者の判断」を排除する、というものです。定義(3)では、それを、「現在時制で表現する」とこっそり、言いかえているんですね。

(8) a. <If Mary must know John's affair>、she will go mad. (×)
    (<メアリーがジョンの浮気を知っているに違いないなら>、発狂モンでしょうね。)

   b.<If Mary knows John's affair>、she will go mad. (〇)
    (<メアリーがジョンの浮気を知っているなら>、発狂モンでしょうね。)

(9) a. <If John may be in his office>、I will go there. (×)
    (<ジョンが事務所にいるかも知れないなら>、そこまで行きますよ。)
   
   b. <If John is in his office>、I will go there. (〇)
    (<ジョンが事務所にいるなら>、そこまで行きますよ。)

(8a)がアウトなのは、もちろん、話者の強い推量 (つまり、「話者の判断」) を表す‘must’「~ にちがいない」が、< >内で使われているからです。さらに、(9a)もアウトですが、これも、もちろん、話者の推量 (つまり、「話者の判断」) を表す‘may’「~ かも知れない」が、< >内で使われているからです。

そこで、‘must’「~ にちがいない」や、‘may’「~ かも知れない」が、定義(3)に含まれていないのは、なぜなのかと言うと、(8a)や(9a)は、対応する日本語訳を見てもわかる通り、もともと日本語にしても、おかしいと感じられるからなんですね。日本語としては、(8b)や(9b)の日本語訳の方が自然な表現ですからね。ですので、始めから、英語学習者は、正しく、(8b)や(9b)の英語を使うだろうから、カン違いする可能性は低い、と考えられているわけですね。

今回のポイントは、英文法の定義(3)は、実は、典型的な日本人向けの注意書きのようなもので、本来の定義とは異なる、ということです。EG30では、「時」と「条件」の概念が、副詞節の中で重なり合うものである、という観察をした後、「条件」の概念に1本化される、ということを見ました。

さらに、今回、その「条件」の概念は、未来の‘will’というよりも、むしろ、「話者の判断」を排除する概念であることを見ました。この一般化の正しさは、(8a-b)と(9a-b)の各ペアの文法性からも支持されると思います。そして、助動詞‘will’は、(5)のような例ですら、純粋に単なる未来を表現しているのではなく、大なり小なり、「話者の判断」が混じっているということも注意点です。これは、未来のことは、現在や過去のこととは違って、「事実」としては成り立たないという、至極当然のことからくる帰結だからです。

■注1 :She'll be happy <if you will help her with her homework>.「<宿題やるのを手伝ってくれたら>、彼女は喜ぶでしょうね。」のように、<if+主語+動詞 ~>の主語が、自分でやろうと思えばできることに関しては、「主語の意志」を表す‘will’を使うことが可能です。ここから、(6b)の関係節、‘who will open Parliament tomorrow’ の中にある‘will’は、「話者の判断」ではなく、「主語の意思」、つまり、「女王様の意思」を表現して、「明日、議会を開くつもりでいるが」、という解釈ならば、OKにすることができます。

■注2 :よくある、定義(3)の詳しい説明として、定義(3)の副詞節の内容は、「確定」されたことを述べている、というものがありますが、以下の例からは、説得力に欠ける説明だと思われます。‘<If it is possible that John is in his office>、I will go there.’「<ジョンが事務所にいる可能性があるなら>、そこまで行きますよ。」、という文は、(9a)から、「話者の判断」のみを取り除いた、「可能性」に言及している文、と言えますが、OKになります。このように、「話者の判断」になりさえしなければ、「確定」されていない内容を表現する文であっても一向に構いません。


● 関連: EG29EG30EG44

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英語学習法(30)

2004年12月14日 | 
EG29の続きです。‘when~’「~のとき」の使い方の注意点です。これから先のこと、未来のことを言おうとする場合も、‘when~’が使えますよね。以下、見ましょう。

(1)<When I see John tomorrow>、I will tell him the truth. (〇) 
  (<明日ジョンに会ったとき>、ホントのこと言おう。)

(2)<When I will see John tomorrow>、I will tell him the truth. (×)
  (訳同上)

(1)と(2)の違いは、< >内の‘will’の有無しかありません。明日のことだから、確実に、「未来」のことなんですけど、‘will’がある(2)が、ダメなんです。これは厄介ですが、当面は、‘when~’が疑問詞の「いつ」ではなく、明らかに、「~のとき」の意味をもつ場合は、そういうものなんだなと思って、(1)のような文で反復練習をするのがよいと思います。

って、それじゃ無責任だ、と言われてしまうので、とりあえず、説明らしきことを申しますと、‘when ~’「~ とき」は、もちろん、「時」に関係する表現ですね。このような場合、その、「~ とき」の、「 ~ 」の部分には、「未来」を表す‘will’が入り込めない、というルールがあるんです。そこで、とりあえず、「時」に関係している他の表現も、見てみたいと思います。

(3) a. I will finish it <before you come home>. (〇)
   (<あなたが帰る前に>それを済ましておきます。)

   b. I will finish it <before you will come home>. (×) (訳同上)


(4) a. Wait here <until I return>. (〇) 
    (<戻って来るまで>ここで待ってて。)

   b. Wait here <until I will return>. (×) (訳同上)


(5) a. Please lend the book <after you read it>. (〇) 
    (<読んだ後で>その本貸してよ。)

   b. Please lend the book <after you will read it>. (×) (訳同上)

(3a-b)~(5a-b)の各ペアでの、‘before~’「~ の前に」、‘until~’「~ まで」、‘after~’「~ の後で」は、‘when~’「~ とき」と同じく、「時」に関する表現ですね。これら、「時」に関係している表現は、全て、EG29で述べたように、‘when’「~ とき」と同じような使い方をする、特殊な接続詞です。

そして、(3a-b)~(5a-b)の各ペアにおいて、(a)がOKで、(b)はアウトになっています。この理由は、(2)がアウトになる理由と全く同じで、‘when ~’と同じく、「時」に関係する接続詞を用いているからなんです。そこで、EG29で説明したのは、‘and’「そして」や、‘but’「しかし」などとは、性質の異なる接続詞があり、<接続詞+文>で、1つのカタマリを成す表現方法が英語にはある、ということでした。そういった接続詞が、「時」に関係のある表現だと、そのカタマリの中では、未来を表す‘will’は使えない、ということになっています。

ところで、これら、「時」に関する接続詞の中身を、もう少し、詳しく見てみると、ある一定の傾向があることに気付きます。例えば、これから先、こうなったら、そのときには、かくかくしかじかのことをします、という文においては、言いかえれば、ある「条件」にもとづいて、あることをする、と言っているわけです。ですから、‘when ~’「~ とき」を使って、「~ とき ・・・ する」を表現する際は、「~ とき」の部分が、一種の「条件」を提示していると言えます。

そこで、(1)の場合は、「明日ジョンに会う」という、条件が成立したら、そのときは、という解釈になる、ということですね。そして、同様に、(3a)の、‘before~’「~ の前に」、(4a)の、‘until~’「~ まで」、(5a)の、‘after~’「~ の後で」も、‘when~’「~ とき」と同じく、一種の「条件」を提示していると言えます。

(3a)だと、< >内で、この先、「あなたが帰る」という条件が成立したら、その前に、ということになります。(4a)では、< >内で、この先、「私が戻って来る」という条件が成立したら、そのときまで、ということですね。(5a)では、< >内で、この先、「あなたがその本を読む」という条件が成立したら、その後で、ということになります。

つまり、なぜか、「時」に関係する、<接続詞+文>のカタマリを成す表現には、常に、「条件」という概念が、付きまとうのです。このことに関しては、もう少し、詳しく見ていく必要がありそうなので、別の機会に回しますが、とりあえず、以下に、今回、明らかになったルールを述べておきます。

(6)時間に関係する、<接続詞+文>の中では、これから先のことを言おうとするのに、
   「未来」の‘will’は用いず、現在時制で表現する。

今回のポイントは、これから先のことを言おうとするのに、なぜか、未来を表す助動詞‘will’を用いることができなくなるようなケースがある、ということです。そして、このようなことが起こる文法的な要因は、EG29で扱った、<接続詞+文>というカタマリをつくって、他の文にかかる、日本語の接続詞にはない、特殊な接続詞にあります。

そして、さらに、この<接続詞+文>のカタマリの中の接続詞が、意味的に、「時」に関係する表現である場合、結果的に、そのカタマリとなる文は、「条件」を提示する内容になっていて、これが、未来を表す‘will’を排除するのは、偶然そうなっているとは思われない何かがある、ということです。この「条件」の概念と、未来の‘will’との関わりは、また別の機会に詳しく見ていきたいと思います。 (EG33に続く)

■注1 :今回の、‘when ~’「~ とき」の文の中での、‘will’の有無に関しては、「いつ」の意味になる疑問詞‘when’との区別が重要です。‘I don't know when John will come.’「いつジョンが来るかわからない。」の文はOKになります。この場合、明らかに、疑問詞‘when’「いつ」が使われているので、このような場合は、未来の‘will’を用います。

■注2 :今回扱った、<when+文>の部分を、文法的には、「副詞節」と言います。詳しくは、EG44を参照して下さい。


● 関連: EG29EG44

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英語学習法(27)

2004年12月11日 | 
EG25の続きです。「同格節」です。以下、見ましょう。

(1)John believes [ that Mary is honest ]. (ジョンは [ メアリーが正直者だと ] 信じている。)
(2)John's belief [ that Mary is honest ] ([ メアリーが正直者だという ] ジョンの信念。)

(1)の文は、動詞‘believe’「~ と信じている」が、‘that’節を目的語として取っています。一方、(2)ですが、抽象名詞‘belief’「信念」の直後に、‘that’節がピッタリとくっ付いています。(1)も(2)も、両方とも、‘that’節の内容は同じで、‘Mary is honest’「メアリーが正直者だ」です。

ここで、(1)と(2)の差異ですが、比較してみて明らかなように、お互いの意味は、ほぼ同じであり、あえて、違いは何かと言われれば、それは、意味というよりも、むしろ、動詞‘believe’と名詞‘belief’という、品詞にもとづいた文法的な違いの方が大きいと思われます。

(1)の動詞‘believe’を中心として、‘John’は主語であり、‘that’節は、目的語ですが、一方、(2)の名詞‘belief’の直後にある‘that’節は、同格節であり、「抽象名詞+‘that’節」のカタチとなっています。そして、‘belief’の前には、所有格のカタチをした‘John's’があります。ですので、(2)のカタチは、「所有格+抽象名詞+‘that’節」というカタチをしています。

つまり、「動詞‘believe’→名詞‘belief’」の変形 (語形変化) にあわせるカタチで、文法の側でも適切な変化が起こった、ということですね。ポイントは、(2)の所有格‘John's’が、(1)での主語に相当する役割を果たし、一方、‘that’節が、(1)での目的語に相当する役割を果たしている、ということです。

一般に、同格節は、「抽象名詞+‘that’節」のカタチで、抽象名詞の具体的内容を‘that’節によって補足するという手段が、文法の側で許されている、ということに最大の特徴があるのですが、(1)をもとにして、(2)のような変形があると考えると、ある程度は、同格節が起こり得る許容範囲を絞り込むことが可能です。

(3)John criticizes Mary. (〇) (ジョンは、メアリーを批判している。)

(4)John criticizes [ that Mary is dishonest ]. (×)
  (ジョンは [ メアリーは不正直だと ] 批判している。)

(5)John's criticism [ that Mary is dishonest ] (×)
  ([ メアリーは不正直だという ] ジョンの批判)

(3)はOKですが、一方、(4)はアウトとされています。‘criticize’「~ を批判する」という動詞は他動詞であり、目的語を取ることはできますが、それは、単純な名詞のみであり、‘that’節は (例え、「名詞」節と言えども) 許されないという制約があります。これは、もうそういうものだと覚えておく以外に方法はありません。

そして、‘criticize’「~ を批判する」という動詞は、語形変化によって、‘criticism’「批判」という抽象名詞をつくりだすことが可能ですが、(5)のように、「抽象名詞+‘that’節 (同格節)」のカタチで使うとアウトになります。つまり、抽象名詞ならば、何でも直後に‘that’節 (同格節) を続けることができるわけではない、ということになります。

(2)のような同格節はOKですが、一方、(5)のような同格節はアウトである、といった事実から、こういった基準は、どうやら、動詞の語形変化から、派生的に得られる抽象名詞の場合、そのもととなった動詞の語法が基準になって、同格節が取れるか否かの可否が決まる、ということのようです。

(6)John tends to talk about scandals. (〇)
  (ジョンは、スキャンダルを話題にする傾向がある。)

(7)John tends [ that he talks about scandals ]. (×) (訳同上)

(8)John's tendency to talk about scandals. (〇)
  (スキャンダルを話題にするというジョンの傾向)

(9)John's tendency [ that he talks about scandals ]. (×) (訳同上)

(6)と(7)のコントラストから明らかなように、動詞‘tend’は、後に‘to’不定詞をともなうことが決まっていて、‘that’節を取ることができません。そこで、「動詞‘tend’→名詞‘tendency’」のように、語形変化が起こった場合、(8)のように、そのまま、‘tendency’「傾向」に、‘to’不定詞を後続させることは可能ですが、一方、(9)のように、‘that’節を後続させることは不可能です。

これは、もちろん、抽象名詞であるならば、何にでも‘that’節を後続させることによって、その具体的内容を補足することができる、というわけではなく、そのもととなった動詞が‘that’節を取り得るかどうかが、同格節を取れるか否かの可否の基準になっているからです。

(10)John is aware [ that Mary is dishonest ]. (〇)
  (ジョンは [ メアリーが不正直だと ] 気付いている。)

(11)John's awareness [ that Mary is dishonest ]. (〇)
  ( [ メアリーが不正直だという ] ジョンの自覚)

(10)は、‘aware’「気付いている、自覚している」が形容詞ですが、何に気付いているのか、という意味的な補完が必要とされる点で、その対象が‘that’節として現れることが許されている形容詞です。 (ある述語が意味的な補完を要するため、本来、副詞として考えられるものを必須要素として取り込んでいるケースについては、EG46をはじめとする「前提の概念」全般を参照。)

ですので、(10)はOKになるわけですが、そこから、「形容詞‘aware’→名詞‘awareness’」というような、形容詞からの語形変化で派生される抽象名詞からも、‘that’節が同格節として後続できるか否かの可否が決定可能です。

つまり、(11)のように、抽象名詞‘awareness’が、同格節として‘that’節を後続させることができるのは、(10)を基準にしているからである、と言えます。このことから、動詞が目的語として‘that’節を取れるかどうかという場合に限らず、形容詞であっても、‘that’節が取れるものならば、その語形変化から得られる抽象名詞は、同格節として‘that’節を後続させることができるという、より広い一般化が可能であることになります。

しかし、もっと広い視野に立つならば、(6)から(8)の派生がOKであるという事実があり、その‘to’不定詞も具体的内容の補足をしているわけですから、‘to’不定詞も、意味的には同格節の一種であり、何も‘that’節のみが同格表現であると限定する必要はない、と考えられます。

要するに、抽象名詞に対して、「~ という」のような日本語の側から、‘that’節を補う発想をもつよりも、少し手間はかかりますが、該当する抽象名詞がどのような成り立ちであるのか、その派生経緯を予め知っておくことの方が重要である、と言えます。 (この発想と類似する構文は、EG52、参照。)

今回のポイントは、‘that’節による同格節は、見た目ほどには単純ではない、ということです。つまり、抽象名詞に対して、安易に、「~ という」のような日本語で対応させて、‘that’節を後続させるとアウトになる場合がある、ということです。

このような間違いを上手く回避するには、その抽象名詞のもとのカタチである述語が、後続させる表現として、どのようなカタチを文法的に許しているのか、その派生経緯を遡って考えてみる必要があります。また、同格表現は、‘that’節のみに特権が与えられているわけでもなく、実質的には(8)のような‘to’不定詞も、意味的には、同格表現と言える点で、そのカタチには様々な種類があることも予想されます。

‘that’節以外の同格表現の種類については、またの機会に扱ってみたいと思います。

■注 :同格節としての‘that’節が取れる抽象名詞を判別する上で、最も難しいケースとしては、ある述語からの派生とは思われないような抽象名詞の場合です。数としては、そう多くはありませんが、例としては、‘idea’「考え」、‘effect’「主旨、要点」、‘story’「話」、‘news’「知らせ、ニュース」、‘law’「法則」などがあります。

●関連: EG25EG46EG52

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英語学習法(25)

2004年12月11日 | 
今回、「同格節」というものを扱います。以下、見ましょう。

(1)John denies the rumor. (ジョンは、そのうわさを否定している。)

(1)の文では、‘rumor’「うわさ」という単語が使われていますが、「うわさ」は、抽象名詞であり、それが、どのような内容をもったうわさであるのかは、それ自体からは不明です。そこで、その「うわさ」に対して、具体的な内容を補足する方法があります。

(2)John denies the rumor [ that Mary dated Tom ] .
  (ジョンは、[ メアリーがトムとデートしたという ] うわさを否定している。)

(2)のように、‘rumor’の直後に‘that’を置いて、その後で、‘rumor’の具体的内容として、‘Mary dated Tom’「メアリーがトムとデートした」、というような文を付け足す、というやり方です。つまり、「‘that’節」と呼ばれるものが、具体的な内容を要する抽象名詞の直後に続くだけなので、単純と言えば単純です。 (‘that’節については、EG41、参照。)

この具体的内容の‘that’節は、一般に、「同格節」と呼ばれており、それが補足すべき相手となる抽象名詞にピッタリとくっついていることが基本となるので、例えば、(2)の‘rumor’が、移動変形などによって、どこか別の場所に位置変更したとしても、そのまま付いていくことになります。

(3)The rumor is denied by John. (そのうわさは、ジョンには否定されている。)

(4)The rumor [ that Mary dated Tom ] is denied by John.
  ([ メアリーがトムとデートしたという ] うわさは、ジョンには否定されている。)

(3)は、(1)の受身文ですが、(1)で、‘deny’「~ を否定する」の目的語だった‘rumor’が、(3)では主語になっています。そこで、‘that Mary dated Tom’のような具体的内容の‘that’節、つまり、同格節は、やはり、‘rumor’の直後に置かれますので、結果として、主語位置に置かれることになります。

要するに、抽象名詞と、その具体的内容を補足する同格節は、1つに合体しているとも言える状態であり、それは意味的な面からも考えても、自然なものと思われます。ただし、1つに合体しているとは言っても、その文法的な主導権は、抽象名詞の側にあります。

(5)John talked about the rumor [ that Mary dated Tom ]. (〇)
  (ジョンは、[ メアリーがトムとデートしたという ] うわさについて話した。)

(6)John talked about the rumor. (〇)
  (ジョンは、そのうわさについて話した。)

(7)John talked about [ that Mary dated Tom ]. (×)
 (ジョンは、[ メアリーがトムとデートしたこと ] について話した。)

まず、(5)ですが、「抽象名詞+同格節」である、‘the rumor that Mary dated Tom’が、前置詞‘about ~’の目的語になっており、OKである、という事実を踏まえて、(6)と(7)のコントラストを考えてみます。そこで、(6)はOKですが、一方、(7)はアウトです。

一般に、単なる名詞や名詞句は、前置詞の目的語となることが可能なので、名詞句‘the rumor’が、前置詞‘about ~’の目的語である(6)がOKになるのは、当然ということになります。一方、‘that’節は、特殊なケースを除いて、前置詞の目的語になることが不可能とされていますので、‘that Mary dated Tom’が、前置詞‘about ~’の目的語である(7)がアウトになることも、また、当然と言えます。

ここで、(5)がOKになるのは、「抽象名詞+同格節」である、‘the rumor that Mary dated Tom’では、名詞句‘the rumor’が、主導権を握っているからであり、故に、前置詞‘about ~’の目的語として適合する、という考え方が成り立ちます。

これを言いかえれば、「かかるもの (従)」と「かかられるもの (主)」という依存関係が、「抽象名詞+同格節」の中には存在していて、抽象名詞の側が、「かかられるもの (主)」であり、一方、同格節の側が、「かかるもの (従)」、という関係になっていると言えます。つまり、「抽象名詞+同格節」は、1つに合体して、それ全体が抽象名詞を核とした名詞句になっている、と考えられます。 (名詞句については、EG19、参照。)

ところで、同格節は、名詞にかかる、という性質をもっていることから、よく、同様に、名詞にかかる性質をもった関係節との類似性が問題になったりしますが、一応、文法的には、同格節は、関係代名詞を用いた関係節とは、決定的に異なる点があります。 (関係代名詞の基本については、EG24、EG26、参照。)

(8)the rumor [ that John talked about the scandal ] (〇) 
  ([ ジョンが、そのスキャンダルを話題にしたという ] うわさ)

(9)the rumor [ that John talked about _ ] (〇)
  ([ ジョンが _ 話題にした ] うわさ)

(8)は、カギカッコ内の‘that John talked about the scandal’が、同格節となっていますが、一方、(9)では、カギカッコ内の‘that John talked about _’が関係節となっています。これら両方の節における違いは、一目瞭然で、前置詞‘about ~’の目的語が、あるかないかです。 (前置詞をともなう関係代名詞については、EG54、参照。)

そこで、(8)の同格節は、主語も目的語もしっかりそろっていて、特に、空家 (空所) となるような箇所はありませんが、一方、(9)の関係節は、前置詞‘about ~’の目的語が欠けており、不完全な文になっています。これは、関係節 (カギカッコ内) の先頭に位置する関係代名詞と、下線部の位置 (つまり、目的語の位置) のような空家が、密接なつながりをもっているためです。

(9)の場合は、‘that’が使われていますが、一般に、関係代名詞 (‘who’、‘which’、など) は、文の中の、ある要素が、それに置きかわって関係節の先頭まで移動することがルールとなっていますので、その結果として、当然、関係節の中には、どこかにその空所が残されることになっています。これが、関係代名詞による関係節が不完全な文となる原因です。

この場合、関係代名詞に置きかえられたもとの表現は、関係節によって「かかられるもの」 (一般に、「先行詞」と呼ばれているもの) に該当する表現であるのが通例ですので、(9)の場合、もともと下線部の位置を占めていた表現は、‘rumor’に相当する表現であったことは簡単にわかります。つまり、おおよそ、(6)のような文が変形して、(9)の関係節がつくられた、ということになります。

ですので、(8)の場合、‘about ~’の目的語が‘the scandal’なのに対して、一方、(9)の場合、‘about ~’の目的語は、もともと、‘scandal’とは違うものである、ということになり、空所とその空所を補う表現を見つけるプロセスの分だけ手間がかかりますので、関係節の方が、いくぶん、ややこしい成り立ちになっています。

同格節と関係節の間には、このように、空所の有無といった違いはあるものの、しかし、共通点としては、どちらも、名詞にかかるという性質があるわけですから、かかられる側の名詞を含めて全体的には、同格節と関係節は、共に名詞句である、と言えます。

今回のポイントは、抽象名詞の具体的内容を補足説明するために、‘that’節が、特別に、その抽象名詞にかかることが可能になるケースがある、ということです。このような‘that’節は、「同格節」と呼ばれ、(9)のような関係節とは、空所の有無に関して、文法上、決定的な違いがあるものの、かかられる側の名詞を含めて全体的には、どちらも名詞句としての扱いになる点は同じです。

今回は、同格節に関しての初歩ということで、基本的な解説しかしていませんが、もう少し他の変種も扱う必要がありそうなので、別の機会にでも、扱ってみたいと思います。

■注1 :同格節の厄介な点は、抽象名詞ならば、何にでもかかることができる、というわけではない、という点です。例えば、‘tendency’「傾向」という抽象名詞の場合、‘John has a tendency [ that he talks too much ].’「ジョンは、おしゃべりが過ぎる傾向がある。」、というような表現はアウトで、その代わりに、‘John has a tendency to talk too much’というように、‘that’節以外の同格表現を使わなければなりませんので、‘that’節の同格節が使える抽象名詞かどうか、逐一、調べてから使うようにすることをお奨めします。

■注2 :同格節も、関係節も、共に、名詞にかかっている、という点からは、形容詞のように機能している節、ということになりますから、どちらも、「形容詞節」という呼び方もあります。


●関連: EG19EG24EG26EG41EG54

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