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英語脳をつくる!~日本人はいかに効率良く英語を学べるか~

英語学習に関する事いろいろです。日本人がいかにすれば実用英語を身に付けられるか、その最短距離を考察!

英語学習法(02)

2004年12月11日 | 品詞
品詞という概念についてです。以下、見ましょう。

(1)走る、飛ぶ、寝る、生きる、立つ

(1)にあるような日本語の語群は、ある共通性をもっていると言えます。それは、例えば、「トムは ~」という表現に続けることが可能である、ということです。「トムは走る」、「トムは飛ぶ」、などといったようにです。そして、(1)の語群を、文法の世界では、「動詞」と呼んでいます。

(2)忙しい、すばらしい、醜い、賢い、ひどい

今度は、(2)にあるような日本語の語群ですが、これらも、(1)の語群と同じ共通性をもっていると言えます。やはり、「トムは ~」という表現に続けることが可能で、「トムは忙しい」、「トムはすばらしい」、などといったようにです。では、(2)の語群も、「動詞」と呼べるかというと、そうではありません。(2)の語群は、文法の世界では、「形容詞」と呼ばれています。

(1)と(2)の語群は、どちらも、「トムは ~」という表現に続けることが可能であるにもかかわらず、「動詞」と「形容詞」というように、別々の分類を受けているわけです。じゃ、(1)と(2)は、それぞれ、どこに、独立した共通点があるのか、ということになりますが、それは、語尾の部分にある、と言えそうですね。

(1)の「走る」は、「走るー」と語尾を伸ばして発音すると、その語尾の音が、「う」になります。同様に、「飛ぶー」、「寝るー」、「生きるー」、「立つー」など、他の語も、語尾を伸ばして発音すると、その語尾の音が、「う」になります。しかし、一方、(2)の語群は、語尾を伸ばして発音しても、「う」の音にはなりません。

そのかわり、(2)の語群は、語尾が全部、「い」で終わっている、という共通点があります。これで、(1)の語群と(2)の語群では、それぞれに独立した共通点があるのが発見されました。そんなわけで、日本語の場合、動詞と形容詞の違いは、語尾の「音」にあると結論付けることになってしまいましたが、この識別方法が、英語にストレートに当てはまるのか、ということになります。

(3)run (走る)、fly (飛ぶ)、sleep (寝る)、live (生きる)、stand (立つ)
(4)busy (忙しい)、wonderful (すばらしい)、ugly (醜い)、smart (賢い)、terrible (ひどい)

(3)の語群は、それぞれ、(1)の日本語の語群 (動詞) に対応した英語が並んでいます。そして同様に、(4)の語群は、それぞれ、(2)の日本語の語群 (形容詞) に対応した英語が並んでいます。もちろん、一目瞭然ですが、「ランー」、などと伸ばして発音しようが、「フライー」などと伸ばして発音しようが、どうにも、語尾になど、共通点なんてありそうもないのがわかります。

つまり、英語(3)と英語(4)の語群を分ける、それぞれの独立した共通点を、語尾の「音」になど求めることは不可能なんですね。じゃ、そもそも、英語では、品詞なんて概念が存在するのか、という話になってしまいますし、さらに、(3)と(4)の場合って、分類できるのか、ということになるんですが、これが、辞書などで調べると、ちゃんと、(3)は全部、動詞で、一方、(4)は全部、形容詞というように、品詞によって、きれいに分かれているんです。

(5)Tom runs. (トムは走る。)
(6)Tom is busy. (トムは忙しい。)

そこで、今度は、(3)と(4)の語群の単語の前に、それぞれ、‘Tom’という表現を置いてみましたが、(5)の動詞‘run’の場合は、別の単語を介することなく、前に‘Tom’を置けますが、一方、(6)の形容詞‘busy’の場合は、そうではなく、‘is’を介さなければ、‘Tom’を前に置けません。もちろん、(3)の単語に関しては、全て、‘Tom’を直接、前に置けます。そして、一方、(4)の単語は全て、‘is’を介さなければ、‘Tom’を前に置けません。

この‘is’は、文法的には、「‘be’動詞」という名前がついていて、ここから、‘is’は動詞の1つとして扱われていることがわかります。つまり、日本語とは違って、英語の場合、形容詞は、動詞とセットで使わなければ、文にすることができないわけですね。

こういったことを考えると、日本語の動詞や形容詞は、個々の単語がもつ共通の特徴 (語尾の音) から、即座にどちらであるかを分類できるのに対して、一方、英語の動詞や形容詞は、個々の単語自体がもつ共通の特徴がなく、どちらであるかを、即座に分類できない、ということになります。

この品詞分類のしやすさという点では、ハッキリ言ってしまえば、日本語の方が優れたコトバであり、英語は、動詞と形容詞の違いを、辞書などで確かめてから、逐一暗記するということしなければなりません。

しかし、全くもって暗記オンリーでしか対応できないものなのかというと、そうでもありません。大ざっぱには、(4)に示されているとおり、日本語と英語の動詞、形容詞には、「意味」の上での対応が見られるからです。つまり、意味的な側面からは、大方、日本語と英語は、同じ品詞で対応しているんですね。

ですので、日本語の動詞である場合は、英語でも、動詞であることが多く、そして、日本語の形容詞である場合は、英語でも、形容詞である場合が多いわけです。ただ、絶対視することは禁物なんですが。では、以下を見ましょう。

(7)want (欲しい)
(8)different (違う)

(7)の、英語‘want’は、辞書では、動詞として扱われていますが、日本語の「欲しい」は、語尾が「い」ですから、形容詞です。一方、(8)の英語‘different’は、辞書では、形容詞として扱われていますが、日本語の「違う」は、「ちがうー」と伸ばすと、「う」になりますから、動詞です。ですので、(7)や(8)のように、品詞がきれいに対応しているわけではないケースもあります。

今回のポイントは、動詞と形容詞から見た、日本語と英語の品詞の概念の違いです。どちらにも品詞という概念は、とりあえず、存在するものの、その在り方に関しては、お互いに、随分と異なる識別方法が用いられている、ということです。

辞書などなくても、動詞や形容詞が即座に判断できる日本語と、一方、そうはいかない英語、という大きな違いはありますが、初歩的なやり方として、まず辞書などで調べてから、例文といっしょに記憶していくというのが、実用面の能力を高める上でも、大切です。ここは、初心者の方には辛いところですが、踏ん張りどころですね。

■注 :日本語ほどの一般性はありませんが、英語にも、特定のグループに関しては、動詞や形容詞に、共通した語尾がないわけでもありません。‘realize’「悟る」、‘organize’「編成する、構成する」、‘apologize’「謝罪する」、などの‘-ize’という語尾は、動詞であることを示す目印になりますし、一方、‘beautiful’「美しい」、‘wonderful’「すばらしい」、‘shameful’「恥ずかしい」、などの語尾である‘-ful’は、形容詞であることを示す目印になります。

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英語学習法(01)

2004年12月11日 | 語順
英語と日本語の違いについてです。以下、見ましょう。

(1)トムは、リンゴを食べる。
(2)Tom eats an apple. (訳同上)

日本語(1)と、英語(2)は、どちらも同じ意味をもっています。しかし、対応する表現の語順という点では、違いがありますね。英語の‘Tom’も、日本語の「トム」も、どちらも文の最初にきていますが、2番目は違う表現になっていて、英語では‘eats’、日本語では「リンゴ」となっています。ですので、当然、3番目の表現は、英語では‘an apple’、日本語では「食べる」となります。

つまり、英語と日本語は、何かを言おうとして文をつくると、同じ意味でも、それぞれの語順が異なってしまうコトバである、と言えます。これは英語を学ぼうとする際に、日本語と比較して、誰でも実感することだと思います。しかし、語順がそれほど重要なのかというと、そうでもなさそうだと思えることもあります。

(3)トムは食べる、リンゴをね。

(3)のように、「食べる」を2番目にもってきて、3番目に「リンゴ」を置くことで、(1)の語順を変えてやれば、英語(2)の語順と同じになりますから、こういったことを考えるならば、語順なんて、あまり重要ではない、と考えたくなります。しかし、以下のような例はどうでしょうか。

(4)Tom an apple eats. (×) (訳同(1))

英語(4)では、日本語(1)の語順にあわせて、‘an apple’を2番目、そして、‘eats’を3番目にもってきたわけですが、何と、これがダメで、アウトになってしまう、ということなんですね。ですので、こういったことから考えても、英語の語順は、日本語の語順ほどには緩くない、と言えそうです。

(5)リンゴを食べる、トムがね。
(6)An apple eats Tom. (リンゴは、トムを食べる。)

今度は、日本語(5)と英語(6)を、比較してみます。(5)と(6)は、語順に関しては、どちらも同じです。(5)の「リンゴ-食べる-トム」の順番と、(6)の‘an apple-eats-Tom’の順番は、それぞれ一致していますからね。しかし、英語(6)の意味は、ちょっと変です。というのも、(6)が表現している意味は、トムがリンゴに食われてしまう、という異常な事態であって、決して、(5)に対応した意味にはならないからです。

(7)John kicked Tom. (ジョンは、トムを蹴った。)
(8)Tom kicked John. (トムは、ジョンを蹴った。)

さらに、(7)と(8)を比較してみて下さい。(7)における‘John-kicked-Tom’の語順は、ジョンがトムを攻撃しているのであって、決して、トムがジョンを攻撃している意味にはなりません。一方、(8)における‘Tom-kicked-John’の語順は、トムがジョンを攻撃しているのであって、決して、ジョンがトムを攻撃している意味にはなりません。

つまり、英語における語順は、ことの他、文の表す意味に対して貢献度が高いということになります。しかし、このような、日本語と英語の語順における重要度の違いは、どういったことが原因で起こることなんでしょうか。ここで、少し違った角度から、日本語の語順について考えてみたいと思います。

(9)ワタシ、ジョン、ケッタ。
(10)ジョン、ワタシ、ケッタ。

今度は、(9)や(10)のような日本語ですが、例えば、日本に来たばかりで、あまり日本語に慣れていない外人さんなどが話す日本語のよくある典型的な例ですね。そこで、(9)を聞いた瞬間、普通、直感的には、「私がジョンを蹴った」、というように意味を取ると思いますが、一方、(10)を聞いた瞬間、普通、直感的には、「ジョンが私を蹴った」、というように意味を取ると思います。

しかし、(9)や(10)を、よく考えてみると、やっぱりどっちの意味なんだろうか、自信をもって答えることはできなくなってしまいます。ここで、気づくのは、やはり、「ワタシ」や、「ジョン」の後に、「~ は」や、「~ を」を付けて、意味関係をハッキリとさせたい、ということですね。

ですので、日本語の場合、ある程度は、標準的な語順に準拠して意味を取るということが、可能ではありますが、それよりも、やはり、「~ は」や、「~ を」を付けた方が、それぞれの単語を、安全に明確な意味関係で結びつけることが可能です。そして、こういった、「~ は」や、「~ を」の働きがあるからこそ、日本語の語順は、比較的、緩い制限しか受けていないのだと思われます。

しかし、一方、英語は、‘an apple’や、‘Tom’や、‘John’の後に、「~ は」や、「~を」を付ける仕組みをもっていないコトバですから、その代償として、どうしても、語順に対する依存度が高くなってしまう、というわけですね。こういった日本語と英語の相異点は、言いかえるならば、日本語は、文全体を見なくても、「~ は」や、「~を」を見ただけで、それぞれの単語の果たす役割がわかるのに対して、一方、英語の場合は、それぞれの単語が果たす役割が、文全体の中の相対的な位置付けからしかわからないということです。

今回のポイントは、英語の語順が文の中で果たす役割です。英語は、日本語以上に、語順に対してシビアなコトバなのです。日本語の感覚から言わせてもらえば、「~ は」や、「~を」のように、それだけで、ズバッと意味の対応関係を表せる専用ツールがないところが、何とも頼りないコトバなんですが、しかし、「語順の固定」、によって意味を決定するというシステムも、慣れてしまえば、案外、そんなに難しいことではありません。

と言うよりも、語順が固定されている分だけ、単純なパターン化につながり易いという側面もあるわけですから、単純な文の表現力を身に付ける上では、理想的なカタチの在り方、とも言えるわけですね。ともあれ、最初は、慣れが大事だということですね。

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