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英語脳をつくる!~日本人はいかに効率良く英語を学べるか~

英語学習に関する事いろいろです。日本人がいかにすれば実用英語を身に付けられるか、その最短距離を考察!

英語学習法(119)

2006年09月10日 | 命令文
今回、命令文です。以下、見ましょう。

(1)Study English every day. (英語は毎日勉強しなさい。)
(2)Don't study English every day. (英語なんて毎日勉強するなよ。)

(1)は命令文ですが、特徴は、主語のない文で、動詞の原形で始まるところにあります。つまり、動詞のカタチが原形のままなので、とても簡単です。命令文は否定のカタチも決まっていて、(2)のように、(1)の先頭に‘don't’を加えるだけです。 (‘do not’というカタチにしてもOKです。)

(3)You study English every day. (あなたは、英語を毎日勉強する。)
(4)You don't study English every day. (あなたは、英語を毎日勉強しない。)

そこで、(3)は、(1)の先頭に二人称の‘you’「あなた」を補ったものですが、逆に言えば、(1)は、(3)から‘you’を消去したものと言えます。一方、(4)は、(2)の先頭に二人称の‘you’「あなた」を補ったものですが、やはり、逆に言えば、(2)は、(4)から‘you’を消去したものと言えます。

(5)Wash yourself every day. (体を毎日洗いなさい。)
(6)Don't wash yourself every day. (体は毎日洗わないで。)

(5)と(6)は、命令文の目的語に再帰代名詞‘yourself’が現れていますが、(1)~(4)で考えたとおり、命令文の主語がもともとは‘you’であり、それが消去されているのならば、この目的語‘yourself’の出現は当然のことと言えます。 (EG95、EG96、参照。)

(7)Wash him every day. (〇) (彼の体を毎日洗いなさい。)
(8)Wash himself every day. (×) (訳同上)

(7)と(8)のコントラストからわかるように、命令文の目的語として、代名詞‘him’の出現はOKですが、一方、再帰代名詞‘himself’は、アウトになります。再帰代名詞は、目的語として現れる場合、主語と一致するものでなくてはなりません。逆に、代名詞は、目的語として現れる場合、主語と一致するものであってはなりません。このことから、やはり、命令文の潜在的な主語は、‘you’であると考えられます。 (EG100、EG101、参照。)

(9)You wash yourself. (〇) (あなたは自分の体を洗う。)

(10)You wash him, (〇) (あなたは彼の体を洗う。)
(11)You wash himself. (×) (訳同上)

つまり、命令文の動詞が三人称・単数の‘-s’を語尾に伴わず、常に原形のカタチであったり、一方、命令文の否定形が‘doesn't’ではなく、don't’であったりするのは、その潜在的な主語として、二人称の‘you’の存在があり、それが影響している結果だと言えます。

(12)Wash yourselves every day . (〇) (あなたたちは、体を毎日洗いなさい。)

(12)は、命令文の目的語として複数形の再帰代名詞‘yourselves’が現れていますが、OKです。ここから、単数であるか複数であるかを問わずに、二人称であれば潜在的に命令文の主語と見なせるという結果になります。

そこで、よく考えてみれば当たり前のことなんですが、命令という行為は、実際に話しかける相手に対して行うものですから、どうしても二人称「あなた、あなたたち」が主語となって行う動作が妥当であり、一方、三人称「彼、彼ら、彼女、彼女ら」は話しかける相手ではないので、命令という行為自体が成り立たないわけですね。

(13)Somebody help me. (〇) (誰か助けて。)
(14)Somebody helps me. (×) (訳同上)

命令文には、(13)のように、二人称ではない‘somebody’「誰か」のような表現が、一見、主語のように振る舞っているものもあるため、カン違いしやすいのですが、(13)をよく見てみると、動詞‘help’が三人称・単数の語尾‘-s’を取っていなくてもOKであり、逆に、(14)のように、動詞‘help’が三人称・単数の語尾‘-s’を取っていると、命令文としてはアウトになってしまいます。 ((14)は、ただの平叙文としてならOKです。)

(15)John、help me with my homework. (ジョン、宿題を手伝ってよ。)
(16)John helps me with my homework. (ジョンは私の宿題を手伝います。)

(15)の‘John’は、(16)の主語‘John’とは異なり、呼びかけとして使われています。このような例からもわかるとおり、一応、(13)の‘somebody’も、呼びかけという行為の対象になっているわけですから、この点においては、(13)の‘somebody’も、(15)の‘John’も、二人称「あなた、あなたたち」の特徴となっている前提、つまり、常に話しかける相手が前提になるという特徴を共有しています。

ここから発展的に考えれば、命令文は、その話者が話しかけることが可能な、または、話しかけられると話者が想定している範囲の相手を潜在的な主語とした表現であると考えられます。例えば、無人島に置き去りにされた人物が、(13)を発話した場合は、誰かが近くにいるかも知れないので、とにかく、そのような人に呼びかけるつもりで、‘somebody’を使っている場合であると言えます。

(17)Open the door、will you ? (ドアを開けてくれないかな。)
(18)John、open the door、will you ? (ジョンはドアを開けてくれないかな。)

(17)と(18)は、付加疑問文として命令文を使っている場合ですが、主語が現れていない標準的な命令文である(17)では、‘will you’が付加されています。そして一方、(18)では、呼びかけとして、‘John’が現れていますが、この‘John’は、二人称を使うべき状況に準拠して用いられていますので、やはり、‘will you’が付加されてOKになります。

今回のポイントは、命令文の基本です。命令文は、一般に主語が現れないという特徴があるため、その潜在的な主語を補うとしたら、どのようなものになるかということを考えてみました。その基本は、単数・複数のどちらであっても、二人称‘you’であり、仮に二人称以外の表現が主語として現れたとしても、その使用は二人称の特徴に準拠したものになります。

今回は、命令文のカタチの上で最も基本的なことを扱いましたが、その理解としては、今回の内容で十分だと思われます。しかし、命令文は、意味的な面においては、ちょっと厄介な側面があるので、また別の機会に扱うことにしたいと思います。

●関連: EG95EG96EG100EG101

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