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英語脳をつくる!~日本人はいかに効率良く英語を学べるか~

英語学習に関する事いろいろです。日本人がいかにすれば実用英語を身に付けられるか、その最短距離を考察!

過去記事改訂のお知らせ

2005年01月31日 | その他
【05年7月から、コラムの改訂を進めています】

昨年暮れから、サイト運営を開始して、4月~7月中旬あたりは、季節労働が入っておりました故、更新ペースが鈍っておりましたが、また、7月から、少しずつ時間ができつつあります。8月~9月は、また、サイト運営に精力的に時間が割ける状態になります。

「英語脳!」も、開始当初は、コラムの執筆が多かったんですけど、何だか、今、読み返してみると、随分と、尊大な書き方しとったな~、と思います。「~ だ」、「~ である」調のコトバ使い、やたらと多いし (笑)。

そんなわけで、ちょっとずつ、コラムの書き直しをしております。増補改訂というほどではありませんが、以前よりも、読む際の不快感は軽減していきたい、と思っていますので、どうか、また、読んであげて下さい。少しだけ、ネタを追加した記事もあります。どうぞ、よろしく、お願いします。



EG33を、2005年5月7日に増補改訂致しました。■
EG30を、2005年5月7日に増補改訂致しました。■
EG29を、2005年3月2日に増補改訂致しました。■
EG39を、2005年2月28日に増補改訂致しました。■
EG26を、2005年2月2日に増補改訂致しました。■
EG24を、2005年1月31日に増補改訂致しました。■
EG21を、2005年1月21日に増補改訂致しました。■
EG31を、2005年1月13日に増補改訂致しました。■
EG23を、2005年1月12日に増補改訂致しました。■

英語学習法(EG)シリーズを読んでいただいてありがとうございます。

最近いただいたEGシリーズに関するコメントなどをもとに、各EGの説明文を増やすなどの改訂作業をしております。可能な限り、幅広い層の方たちの英語学習に対応するために、EGシリーズをより理解しやすいように改める作業を随時していきたいと思っています。そこで、読者の他の方にも、EGシリーズをお読みになっていただいて、この部分を是非、もっとわかりやすく、などのコメントをいただければ幸いです。

過去記事に関する、増補・改訂作業を今後も進めてまいりたいと思います。よろしくお願いします。

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英語学習法(50)

2005年01月29日 | 不定詞
また、不定詞の副詞用法です。‘enough’とセットになるものです。以下、見ましょう。

(1)John is tall. (ジョンは背が高い。)

「高い」という表現は主観的な表現です。Aさんにとっての、「高い」と、Bさんにとっての、「高い」は、常に、数値的に、ピタリと一致するとは限りません。人それぞれの常識やら、価値観やらで、「高い」が決まるので、我が国では、170cmからが、「高い」ということに定める、などという、法律でも制定されなければ、「高い」は、客観的な表現にはなり得ません。そこで、以下、見ましょう。

(2)John is tall <enough to reach the ceiling>.
  (ジョンは、<天井に届くほど>背が高い。)

(2)のようにすれば、主観的な、「高い」に対して一応の基準が示せます。‘enough to’の不定詞を(1)に、ピタンとくっつけるだけでOKです。‘enough to’は、いわゆる、副詞用法の不定詞の変種ですが、このように主観的な表現に対して、一定の基準を示す手段として活躍します。 (副詞用法の不定詞に関しては、EG42、参照。)

(3)He is smart <enough to invent a time machine>. 
  (アタマイイのなんのって<タイムマシン発明するほど>だよ。)

(4)He runs fast <enough to keep up with the Porsche>. 
  (ヤツは<ポルシェに付いていけるほど>足が速いぞ。)

(5)He is rich <enough to own a Gundam>. 
  (アイツは<ガンダムを一機所有してるくらい>金持ちなんだ。)

「頭が良い」、「速く走る」、「金持ちだ」も、主観表現ですので、それが、どの程度なのかを、情報として後付けできます。つまり、‘enough to’を付け足してやることで、一応のイメージができるような具体性を帯びた文にしてやることができるんですね。文法的な注意点としては、‘enough to’は、一応、基本的には副詞用法の不定詞なんですが、名詞につくこともあります。

(4) a noise enough to wake the dead. (死人すら起きてしまうほどの騒音)

「騒音」は名詞ですが、意味的には、その「うるさい」程度が問題になりやすい、という点で、主観的です。そして‘enough to’の‘enough’には、文法的には、形容詞としての働きもあります。ですので、(4)のような表現が可能です。‘enough’が形容詞としてはたらく場合は、‘enough’の前置きも可能です。ただし、ちょっと、意味に違いがでるようですので、注意して下さい。

(5)a. enough money to lead a happy life. 
    (幸せな生活を送るに余裕たっぷりのお金)
   
   b. money enough to lead a happy life. 
    (とりあえず幸せな生活を送るには困らないだけのお金)

「お金」は量 (金額) が問題となりやすい点で、主観的ですね。(5a)だと、‘enough’と‘to lead a happy life’が、‘money’によって寸断されており、‘enough’単体が、直接‘money’にかかっている感じがするためか、不定詞との連携性があまり強く感じられず、むしろ、‘enough money’を1つのかたまりに取ってから、後付けで、‘to lead a happy life’がくっついている感じがします。事実、‘enough money’の直後に、少しポーズを入れたようなイントネーションになります。

(5b)だと、‘enough to lead a happy life’が一続きになっていて、‘enough’と‘to lead a happy life’のつながりが、強く感じられるため、「程度」をしっかり表現してくれるようになります。この場合も‘money’の直後に、少しポーズが入りますが、(5a)と違う点は、後続する表現が‘enough’を含め、‘enough to lead a happy life’にカタマリ感があり、‘money’が孤立している感じがあるということです。それと、もともとが、あまり主観的と感じられない表現には、‘enough’を単体で、名詞の前に置いて使うことができません。

(6)a. He was man enough to try it. (〇) (それを試みるとは男らしいやつだ。)
   b. He was enough man to try it. (×) (訳同上)

(6b)の‘enough man’「十分な男」(?)だけを取り出して、意味を考えても、あまりよくわかりません。つまり、カタマリ感がないわけです。つながり具合としては、やはり‘enough to try it’の方を、1つのカタマリとして捉えた、(6a)の方が良く感じます。

そもそも、‘man’「男」の場合、男じゃなきゃ女、女じゃなきゃ男、みたいに、二者択一式な、客観的側面の方が、色濃くでやすい表現なので、‘noise’「騒音」のように、「程度」が問題になりにくいんですが、イメージをふくらませて、男らしさ、という点に焦点を当てれば、何とか程度を問題にできる、という感じになります。

しかし、それでも、「十分な男」、という表現だけからでは、そこまでのイメージは、普通、なかなか、わかないものです。つまり、主観に依存しやすい表現、しにくい表現、というものがあるということですね。ここら辺りのイメージのしやすさ、しにくさを基準にして、カタマリ感の、「ある・ない」、が決定されますので、人によって、判断がゆれやすい、とも言えます。ちなみに、(7)みたいな感じなら、OKになります。

(7)enough men to make a woman satisfied in her choice.
  (選ぶ上での数としては、女が満足するほど十分な数の男)

(7)では、男の「数」を問題にしているという点で、その数が、どのくらいかという、程度表現が可能です。つまり、複数形になると、即座に、‘enough’との相性が良くなるわけです。これは、もちろん、‘enough’「十分な」の意味が、「数」に対しては、もとから相性が良いためです。

つまり、複数形に対しては、‘enough’は、常に安心して使えるということになります。他にも、‘enough to’は辞書をみると、何かと細かい説明や用法がありますが、ここまで知っていれば、もう十分、実用に耐えられるレベルです。

今回のポイントは、‘enough to’の不定詞は、ある主観表現に対して、それがどの程度なのかを具体的に述べたいときに、威力を発揮するということです。あまり、「主観・客観」を考える、というようなことを強調して教わることないためか、英語が苦手だと感じている人たちは、ある表現に対しての「主観性・客観性」に、なかなか意識が向かないようです。これはコトバの意味に関わるだけでなく、文法性をも左右する、重要な基準となることがよくありますので、ちょっと意識してみることを、お薦めします。

● 関連: EG42

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英語学習法(49)

2005年01月26日 | 変形
EG47では、英語の疑問詞は、文の先頭に位置する性質があることを見ました。今回は、その性質について、ちょっと発展的に見てみたいと思います。以下、見ましょう。

(1)<トムはメアリーを見たとき>、自分の母を思い出した。
(2)<トムは誰を見たとき>、自分の母を思い出したのかい?

日本語である、(1)から出発して、(2)では、「誰」という疑問詞を使って、その疑問文をつくってみました。(1)から、(2)の疑問文は、全く問題なくつくれます。日本語の場合、疑問詞を使って疑問文をつくるには、英語とは違って、移動する必要はなく、そのまま、もとの位置に留まっていてもよいわけですね。

(3)Tom remembered his mother <when he saw Mary>. (訳同(1))

今度は、英語(3)ですが、日本語(1)に対応しています。(1)の「メアリー」は、「~ を見た」の目的語になっていますね。ですので、(3)でも、‘Mary’が、‘saw’の目的語です。< >の表現は、例の、「副詞一族」の一味で、副詞節になっています。では、以上を踏まえて、日本語(2)に対応する英語をつくってみたいと思います。 (副詞節に関しては、EG44、参照。)

(4)Who did Tom remember his mother <when he saw _ >? (×) (訳同(2))

ん?どうやら、(4)はアウトになる、ということらしく、ちょっと意外な感じはあるんですが、英語には、「文を組み込む側」と、「文に組み込まれる側」という、違いはあるものの、意味に応じて、確かに、この二者、いずれかの文の先頭に疑問詞が移動する、というルールがありました。 (EG47、参照。)

まず、(2)の意味から考えると、それに対する答え方は、「はい」や、「いいえ」で答えるようなものではありません。「メアリーだよ」、というような、疑問詞に対して、直接答えるような感じの疑問文です。

ですので、(4)で、疑問詞‘who’が、文の最も先頭、つまり、‘Tom remembered ~’の先頭まで移動していても、「疑問詞に対して、直接答えることを要求するような疑問文の場合は、疑問詞が最も先頭に移動する (位置する)」、というルールに違反していることにはならないはずです。 (EG47の(13)、参照。)

では、(4)がアウトなのは、何が原因なんだ、ということになるわけですが、実は、英語には、疑問詞の移動とは、全く関係のないところで、(4)をアウトにしてしまうような、全く別個に独立したルールがあります。

(5)副詞節の内部からは、いかなる要素も、その外に移動してはならない。

と、まあ、こんな感じのルールが英語にはあるらしいんですね。つまり、疑問詞の移動そのものが、どうとかではない、ということです。(4)では、‘who’が、副詞節である、< >内から、その外に飛び出して、文の先頭に移動しています。つまり、(4)は、ルール(5)に、もろに違反しているので、アウトになってしまった、ということですね。

実は、このルールは、学校の英文法では、教わることがないものですので、普通に英語を学習している人が知らないのは当然なんです。では、ルール(5)が本当かどうか、他の例で検証してみましょう。

(6)Tom dated Cathy <before he dated Mary>.
   (<トムはメアリーとデートする前に>キャシーとデートした。)
  
(7)Tom dated Cathy <after he dated Mary>.
   (<トムはメアリーとデートした後>キャシーとデートした。)

(6)は、<before ~>「~ する前に」の副詞節をもつ文です。一方、(7)は、<after ~>「~ した後で」の副詞節をもつ文です。(6)と(7)の副詞節である、< >の内部から、‘Mary’を疑問詞‘who’に変えて、その外に移動させてみます。

(8)Who did Tom date Cathy <before he dated _ > ? (×)
   (<トムは誰とデートする前に>キャシーとデートしたんだろうか。)
  
(9)Who did Tom date Cathy <after he dated _ > ? (×)
   (<トムは誰とデートした後>キャシーとデートしたんだろうか。)

やはり、ルール(5)の予測する通り、(8)も(9)もアウトになってしまいました。やはり、ルール(5)は、英文法のルールとして、成立するみたいですね。

特に、日本語の感覚で考えていると、(2)のような日本語や、(8)や(9)の日本語訳のような文は、日常的に自然に発話しているんで、こういった日本語を、学校の英文法で習った範囲内で英語にすると、どうしても、(4)、(8)、(9)といった英語をやってしまうと思います。

今回のポイントは、英語には、語句の移動を妨げるような「障壁」、とでもいうべきエリアが存在することです。こういった、移動に対する障害要因は、実は、英語には数多く存在していて、ルール(5)のような規則は、ほんの一例にすぎません。

日本語の場合だと、文の中の特定の要素を移動する、というのは、比較的、オプションとしてのものが多いので、移動させてはいけない、となれば、動かさずに、ジッとしていればよい、ということになるだけですが、英語の場合、疑問詞のように、動かすこと自体が、ルールとして定められていることがあるので、とにかく、移動させないと、何も始まらないことがあるんですね。

しかし、その一方で、ルール(5)のような、移動を妨げる、「障壁」となるエリアが存在するわけですから、英語は、相反する要素を兼ね備えた、実にヘソ曲がりな言語である、と言えます。こういった、英語のヘソ曲がり性は、実用的な英語を学ぶ上では、絶対に知っておく必要がありますので、「英語脳」的には、重要な概念と見なします。もちろん、今後も、英語に内在している、この「障壁」の概念を扱っていきますので、確実にものにしていきましょう。

● 関連: EG44EG47

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英語学習法(48)

2005年01月23日 | 変形
EG47の続きです。疑問詞の移動と口語英語に関するお話です。以下、見ましょう。

(1)I want to kiss Lucy. (ルーシーにキスしたい~。)
(2)I wanna kiss Lucy. (訳同上)

口語英語では、(1)の、‘want to’「~ したい」が、(2)のように、‘wanna’(「ゥワナ」という感じの発音) という、1語に縮約されてしまうことが、よくあります。これを、「‘wanna’縮約」と呼ぶことがありますが、こういった表現は、誰でも、割と簡単に覚えてしまいますので、英語を使い慣れてくると、自然と口をついてでてくるようになります。ところで、以下の文を見てみましょう。

(3)Who do you wanna kiss Lucy? (×) (誰にルーシーとキスして欲しいの?)

ん?(3)はアウトですか?ちょっと意外ですが、確かに、英会話などでは、‘want to’は、‘wanna’になることが、よくあるので、(3)は、もとのカタチが、‘want to’ではない、何か別の単語ではないか、と疑ってみたくなりますが、別に、(3)の‘wanna’は、もとのカタチが、‘want to’とは別物ということではありません。

(4)Who do you want to kiss Lucy? (〇) (訳同(3))

(4)は、(3)と同じ意味で、OKになります。ですので、(3)がアウトになった原因は、(3)の‘wanna’は、もとのカタチは、‘want to’ではない、ということではなく、(4)から(3)に移る過程で、‘want to’→‘wanna’という、縮約がおこったためだ、ということになります。

ここで、(4)が、疑問詞‘who’を使った、疑問文であることに着目したいと思います。EG47では、日本語と違って、英語の場合、疑問詞による疑問文をつくるには、その疑問詞が、文の先頭に移動していなければならないことを見たわけですが、まず、以下の文を見ましょう。

(5)I want John to kiss Lucy. (私は、ジョンにルーシーとキスして欲しいのよ。)

まず、(4)の疑問文に対して、(5)のような答え方をしたとします。この文では、‘John’という表現が、‘want’と‘to’の間にはさまっていますね。ここで、簡単にわかると思いますが、(5)は、以下のような‘wanna’を使った縮約文に変えることはできません。

(6)I wanna John kiss Lucy. (×) (訳同(5))

ここから、(6)の、「‘wanna’縮約」がアウトなのは、‘John’という表現が、‘want’と‘to’の間にはさまっているからだと、ハッキリ言えると思います。そこで、再び、(4)に戻って、(4)の‘who’が、どこから文の先頭に移動してきたのか考えてみます。

(7)Who do you want _ to kiss Lucy? (〇) (訳同(3))

(7)は(4)と同じ文ですが、(4)の‘who’が、どこからやってきたのかを示す下線が加えてあります。この下線部は、(5)の‘John’が、‘want’と‘to’の間にはさまっているのと同様に、‘want’と‘to’の間にはさまっていますね。

これで、もう、(3)がアウトになった原因がおわかりですよね。注意点は、(5)の文は、‘want to 不定詞’「~ したい」の構文ではなく、‘want A to 不定詞’「A に ~ して欲しい」の構文を使っているということです。この構文での、Aにあたる疑問詞‘who’の移動によって、(4)は、表面上、‘want to’のカタチをした構文を使っているように見えているだけなんです。

つまり、(7)からハッキリわかるように、例え、‘want’と‘to’の間に何もないように見えていたとしても、そこに、もともとは何かがあった「形跡」が感じ取られるような場合は、「‘wanna’縮約」はおこってはならない、ということになります。英語には、こういったワナがしかけられていることがあるのです。(← く、クダらん・・・。) ついでに、以下も確認しておきましょう。

(8)Who do you wanna kiss _ ? (〇) (アンタ、誰にキスしたいの?)

(8)の「‘wanna’縮約」は、OKですが、これは、もちろん、‘want A to 不定詞’「A に ~ して欲しい」の構文ではなく、‘want to 不定詞’「~ したい」の構文が使われていて、‘want’と‘to’の間には、もとから、何もないからですね。‘who’は、もとは、他動詞である、‘kiss ~’「~ にキスする」の目的語の位置から、文の先頭に移動しています。

今回のポイントは、実は、「‘wanna’縮約」 (‘want to’→‘wanna’) という、会話英語によくおこる現象を、疑問詞の移動という、文法現象と絡めて考えてみることによって、英文法と口語英語の、切っても切り離せない接点を語ることにあります。

(3)のような文において、「‘wanna’縮約」がおこってはならない、という知識は、文法の学習以外によって得ることは不可能なわけで、会話英語の重要性を主張する場合、それに反比例する形で、文法の学習をないがしろにしていたのでは、どうしても片手落ちになるという、恰好の材料として、(3)のような現象を扱ってみたのです。

口語表現は、丸暗記で対処するのがベストだと、よく言われているし、また、そのように簡単に納得しがちですが、ちょっとした文法が絡んで、そのまま使うことができなくなることも、よくあります。特に英語は、移動などの変形が関わってくると、そこら辺りにアウトになる原因が集中しやすくなります。上手な英会話を習得するためにも、慎重になるべきところですね。

●関連: EG47

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英語学習法(47)

2005年01月19日 | 変形
疑問詞を使った文を扱います。以下、見ましょう。

(1)Tom saw Mary (トムはメアリーを見た。)
(2)Who saw Mary? (誰がメアリーを見たの?)
   
(1)からつくられた疑問文(2)ですが、簡単ですね。ただ、主語の‘Tom’を、‘who’に変えただけです。これで(2)が完成しますので、ただ単に、単語の入れ換えだけで、疑問詞‘who’を使った疑問文が完成します。ところで、(2)と比べると、ちょっとした変化はあるものの、以下も簡単ですね。

(3)Who did Tom see? (トムは誰を見たんだい?)

今度は、目的語の‘Mary’を‘who’に変えて疑問文をつくってみましたが、過去形だった‘saw’「~ を見た」が、原形の‘see’になってしまいました。代わりに、過去の助動詞‘did’が、現れて、‘Tom’の前にきています。これは過去形の動詞‘saw’が、過去を表す要素‘did’と分離をおこして、もとの原形動詞‘see’にもどった(‘saw’ → ‘did’+‘see’)、と考えてよいでしょう。

そして、(2)と同じく、(3)でも文の先頭に‘who’がきています。(3)が、(2)とちょっと違っているところは、目的語の‘Mary’が‘who’になったあとで、文の先頭に移動する、という操作がプラスされているところですね。

このように、ざっと見た感じでは、(1)のように、主語 (Tom) と目的語 (Mary) をもつ文から、それぞれを疑問詞にして、疑問文をつくると、必ず、その疑問詞は文の先頭にこなければならないことがわかります。主語の疑問詞の場合は、そのまま、主語を疑問詞に置き換えれば、疑問文が完成し、一方、目的語の場合は、動詞と助動詞の分離に加えて、わざわざ、その目的語を文の先頭まで移動させることをしなければなりません。

実は、これは、日本語との大きな違いです。日本語はそんな目的語の移動などなくても自然な疑問文はつくれます。(1)の日本語と比較して、(2)の主語疑問詞の日本語をつくる場合でも、(3)の目的語疑問詞の日本語をつくる場合でも、ただ単に、「誰」に置き換えをしただけで、語順に変更はおこっていませんね。ここで、ちょっと発展的に、以下を見ましょう。

(4)John thinks [ that Tom saw Mary ]. 
   (ジョンは、[ トムはメアリーを見たと ] 思ってるよ。)

(5)John knows [ that Tom saw Mary ]. 
   (ジョンは、[ トムはメアリーを見たの ] 知ってるよ。)

EG41では、「文を文の中に組み込む」やり方を学びました。(4)と(5)では、カギカッコの表現が、それぞれ、‘I think ~’と、‘I know ~’の中に組み込まれているわけですね。そこで、英語の疑問詞は、文の先頭に常に位置するという現象が本当かどうか見てみたいと思います。

(6) Who does John think [ that Tom saw _ ] ? (〇) 
   (ジョンは、[ トムは誰を見たと ] 思ってるのかな。)

うん、やっぱり、‘Mary’を‘who’に変えた場合、それを文の先頭に移動した(6)がOKですね。ここで注意してほしいのは、英語の場合、文を文の中に組み込むときには、「組み込まれた側」の中では、通常、動詞と助動詞の分離(‘saw’ → ‘did’+‘see’)はおこらないということです。代わりに、「組み込んだ側」で、動詞と助動詞の分離(‘thinks’ → ‘does’+‘think’)がおこります。次を見ましょう。

(7)Who does John know [ that Tom saw _ ] ? (×) 
   (ジョンは、[ トムは誰を見たか] 知ってるのかな。)

ん?‘think’が‘know’に換わったら、今度はダメになってしまいました。これは、なぜなんでしょうかね。ここで、ちょっと、(6)と(7)の疑問文の意味を考えてみたいと思います。(6)に対して答えるときは、どんな答え方になるかと言えば、「メアリーだよ。」というような、‘who’に対して、直接答える感じになると思います。

しかし、一方、(7)の場合は、‘Yes、he does.’「うん、知ってるさ。」や、‘No、he doesn't.’「いや、知らんだろ。」、はOKですが、「メアリーだよ。」、と、‘who’に対して、直接答えるような感じにはならないと思います。このような場合、以下のような疑問文でなければOKになりません。

(8)Does John know [ who Tom saw _ ] ? (〇) (訳同(7))

(8)では、組み込まれた文の中で、‘who’が移動していますね。このとき、疑問詞は、‘that’の位置に割り込むカタチを取りますので、‘that’には消えてもらうことになっています。このように、「はい」か、「いいえ」で答える疑問文では、疑問詞が文の先頭に移動できず、組み込まれた側の文の中で、その先頭に移動するに留まります。逆に、「はい」や、「いいえ」で答えることができない疑問文では、疑問詞が文の先頭(組み込んだ側の先頭)まで移動してこなければなりません。

(9)Does John think [ who Tom saw _ ] ? (×) (訳同(6))

(6)はOKでしたが、やはり、組み込まれた文の中で、‘who’が移動している(9)はダメですね。ポイントはやはり、「はい」か、「いいえ」で答えるのか、それとも、疑問詞に対する直接的な答えになるのかです。ところで、これまで見た例以外に、どちらでもOKな場合もあります。今度は、「組み込む側」の動詞に、‘say’を使ってみましょう。

(10)John says [ that Tom saw Mary ]. 
   (ジョンは [ トムはメアリーを見た ] と言ってるよ。)

(11)Who does John say [ that Tom saw _ ] ? (〇) 
   (ジョンは [ トムは誰を見たと ] 言ってるかい。)

(12)Does John say [ who Tom saw _ ] ? (〇) 
   (ジョンは [ トムは誰を見たか ] 言ってるかい。)

(11)は、「メアリーだよ。」と答えればOKですね。一方、(12)は、「うん、言ってるよ。」か、「いや、言ってない。」というような答え方になると思います。以上、見てきたように、英語の疑問詞は、移動することはするんですけど、その着地点としてどこを選ぶかは、その疑問文の意味によって変わってきますので、十分な注意が必要です。ここで、以下のようなルールが成立します。

(13)英語の場合、疑問詞(who、what、when、where、how、等)を用いた文では、
   「はい」か「いいえ」で答えるような疑問文ならば、疑問詞は、「組み込まれた側」
   の文の先頭にくる。一方、疑問詞に対して直接答えるような疑問文ならば、
   疑問詞は、「組み込んだ側」、つまり、文の最も先頭にくる。

ルール(13)は英語特有の規則で、これが、なかなか難しく感じられるのは、やはり、日本語の疑問詞は、基本的に移動しないということが原因なんですね。上で見てきた日本語訳を見ていただければわかると思いますが、「誰」の移動が全然ありません。

今回のポイントは、英語の疑問詞が、文の先頭に常に位置するかどうかをみたわけですが、文を文の中に組み込むというシステムがコトバにはあるから、「組み込まれた側」まで考慮に入れれば、その範囲内では、文の先頭に移動していると言ってもよいでしょう。つまり、英語の疑問詞は、「組み込む側」と「組み込まれた側」の、どこかの文の中では、常に先頭に位置していなければならないということですね。(これに関する、ちょっとした例外は、EC19を参照して下さい。)

● 関連: EC16EC19EG41

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「お悩み解消BOX」に答えてみました

2005年01月16日 | その他
ここ最近、勢いに任せて「英語学習法(EG)」を書きまくってましたが、記事が増えてきて、過去記事に言及しなきゃならない場合が増えてきました。そこでやっぱり、ちゃんとリンクしとかないと、使いづらくてマズイっすね~と思って、リンクのやり方勉強してみたら、意外と簡単にできてしまって拍子抜けしちゃいました。いや、その、今までほったらかしにしていた分を一気に全部やる作業は大変だったんですけどネ(汗)。せっかく読んで頂いてる皆さんに申し訳ないですんで。PCってその気になりゃ、まさしく、‘user- friendly’なんですね(嬉)。

実は、EGシリーズ以外にも、いろいろと英語に関することを扱いたいと思っているんですけど、何か良い企画はないかな~なんて考えております。皆さまにも何かアイデア等ございましたら、よろしくお願いします。

んで、今回、各EGの関連項目をリンクさせる作業をしていて、やり方がわかったから、ついでに、ってわけでもないんですけど(笑)、「英語ドクターが贈る・みんなの英会話奮闘記」というサイトに登録してるんですが、「お悩み解消BOX」 というコーナーがあって、「英語脳をつくる!」も質問に答えています。

テーマは、以下の通りです。

第1回: 「キレイな発音を身につける学習法ありますか?」
      (emptycategory の名前で答えています。)
第2回: 「ゼロから単語の勉強をするためのオススメ本はありますか?」
      (「英語脳をつくる!」の名前で答えています。)

興味おありの方は是非とも覗いてみて下さい。

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英語学習法(46)

2005年01月14日 | 前提の概念
EG45の続きです。EG45では、「前提」の概念を導入して、文における単語のつながり具合をみたわけですが、この概念を用いると英語の面白い側面を発見することができます。以下、見ましょう。

(1)John died in Japan. (ジョンは日本で亡くなりました。)
(2)John lives in Japan. (ジョンは日本に住んでいます。)

EG45では、‘die’「死ぬ」のような動詞は、主語に生命をもったものがくることが「前提」になると言いました。(1)でも、それは変わりません。しかし、それ以外は「前提」とはならない表現なので、‘in Japan’「日本で」のように、どこで死亡したのか、というような「場所」は、「前提」とはならないわけです。

(2)では動詞の‘lives’「住む」が、そういった行為を行うものとして、主語‘John’を取っていますね。ですので、‘John lives’で、「ジョンは住んでいる」になりますが、それだけだと、ちょっと何かもの足りません。「住む」という表現は、やはり、どこどこに住む、というように「場所」がないと、座りが悪い感じになります。ですので、(2)のように、‘~ lives in Japan’とすれば、「~ は日本に住んでいる」となって、スッキリした感じがします。

ここで、(1)と(2)のカタチを見てみると、どちらも、「主語+動詞+前置詞+名詞」のカタチをしていて、違いがないことがわかります。これを、ちょっと学校の先生風に説明してみると、以下のような感じになるんじゃないでしょうか。

(3)‘die’も‘live’も自動詞だから、目的語は取らない。だから、(1)も(2)も、
   「S (主語)+V (動詞)」の、いわゆる、「第1文型」になり、‘in Japan’は、
   「前置詞+名詞」で、副詞句だから、‘died’や、‘lives’にかかる修飾語
   になる。 (副詞句については、EG44、参照。)

学校で英文法を習うときの、(1)や(2)に対する説明としては、(3)のような説明は、ごくスタンダードなもので、要するに、(1)の場合も、(2)の場合も共に、‘in Japan’は、副詞句として扱うから同じ構文だ、と言っているわけです。

しかし、EG45でやったように、「前提」という概念から単語の結びつきを見る方法を導入すると、見た目のカタチが同じだからという理由で、(1)や(2)のような文は、決して同じ性質をもっているとは言えません。

「英語脳」的な観点からみる限り、真の副詞句と言えるようなものは、(1)の‘in Japan’であり、一方、(2)の‘in Japan’は、決して副詞句とは呼べないようなものです。「前置詞+名詞」のカタチをしているからといって、そこから即座に、文法的に同じステイタスをもつと言っていては、以下のような場合に説明がつかなくなります。

(4)In Japan John died. (〇) (訳同(1))
(5)In Japan John lives. (×) (訳同(2))

(4)では、(1)の‘in Japan’を文の先頭に移動してみたのですが、これはOKです。一方、(5)でも、(2)の‘in Japan’を文の先頭に移動したのですが、何と、ダメになってしまいました。ここから言えそうなのは、‘live’「住む」と ‘in Japan’のつながりは強いが、一方、die’「死亡する」と ‘in Japan’のつながりは弱いということです。

これは、もちろん、‘live’「住む」は、意味的な「前提」として「場所」を要求する動詞なのに対して、‘die’「死亡する」は、意味的な「前提」として「場所」など要求せず、ただ単に、必要に応じて、そういったものを付けたり付けなかったりすればよいからです。

(6)a. Ieyasu Tokugawa lived in the 17th century. (〇) 
    (徳川家康は17世紀に生きていました。)
   b. In the 17th century Ieyasu Tokugawa lived. (〇) (訳同上)

‘live’には、「住む」以外に、「生きている」の意味もありますが、「生きている」の場合は、意味的に、生命をもったものが主語であればよく、他の要素を「前提」とはしません。ですので、(6a)のような文では、‘in the 17th century’を、純粋に副詞句として扱ってもよく、‘in the 17th century’を文の先頭に移動した(6b)が、OKとなります。ちなみに、(5)の場合も同様に、もし、「ジョンは日本に住んでいます。」ではなく、「ジョンは日本で生きています。」の解釈にするのなら、OKになるんですね。

今回のポイントは、EG45に引き続き、語句の関連付けのあり方に、「前提」という概念を導入することだったわけですが、この概念は、「英語脳」における重要なキーワードとなります。この認識が備わっていると、コトバの習得に対して敏感にセンスがはたらくようになり、英語を学習する上での効率が各段に向上します。「前提」の概念は、コトバの様々な側面で文法的な影響を与えており、その証拠としての一例を今回は示しました。

このような概念は、一般に、学校の授業では教わることがないため、結果として、(3)のような説明から、なかなか脱却することができず、(4)と(5)のような例に出くわすと、とたんに無力になってしまうという、もろい一面があります。「前提」の概念は、実は、EG42で、不定詞の副詞用法を扱う際にちょっと触れていたものです。今後も「前提」の概念を扱って、他の効果も検証していきますので、お楽しみに。

●関連: EG42EG44EG45

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英語学習法(45)

2005年01月10日 | 前提の概念
主語とか、動詞とか、目的語って何なんでしょうね。ちょっと考えてみると面白いことがあるかも知れません。以下、見ましょう。

(1)John died. (ジョンは亡くなりました。)
(2)John reads a book. (ジョンは本を読みます。)

(1)も(2)も簡単ですね。(1)の場合、‘died’が「亡くなった」になるわけで、動詞ですけど、主語は生き物であればOKですよね。「屋根裏が亡くなった」では意味が通りませんからね。「亡くなる」は、生命を持つものがその生命を失うことを意味しますから、生命を持つものでなければ主語になれません。

次に(2)ですが、‘reads’は、日本語の「読む」に対応します。「読む」というのも動詞ですが、「読む」という表現は「読む」という動作を行う人がいて初めて成り立つ表現です。その動作を行う人は主語になりますね。だから、「ジョンは読む」というようになります。

それから、「読む」は対象を必要とします。「読む」という動作は何を対象としているか。「黄色を読む」としても意味不明です。なぜ意味不明かと申しますと、もちろん「黄色」は読めないからなんですけど、くどくど説明すると、「黄色」は固体じゃないから手で触ることができないし、文字も印刷されてないし、という感じで要するに「読む」には不適合な表現なわけです。

「読む」は、文字として目で見て、何か情報を伝えているようなものでなければ、対象にすることができない表現なんですね。「本」だとそういった対象になるから、「本を読む」というのは自然なわけです。こういう風に、「読む」は予め目的語となれる意味的な対象が決まっています。

言い方を変えれば、「読む」は、あること (この場合、読めるもの) を前提としている表現であるとも言えますね。だから、(1)や(2)の単語のつながりは個々の単語が持つ「前提」に照らし合わせてつながり具合の良し悪しが決まるんですね。次を見ましょう。

(3)John died at three. (ジョンは3時に亡くなりました。)
(4)John reads a book at three, (ジョンは3時に本を読みます。)

(3)も(4)も、別に意味はおかしくないんですけど、(3)の‘died’「亡くなった」は、時間を前提とした表現でしょうか。死亡時刻を調べれば、それが何時かはわかるでしょうけど、常に死亡時刻が必要かと言えば、あってもなくても表現上は困らないもの、という感じがします。死亡時刻でも、死亡理由でも、死亡場所でも、必要に応じてつければいいし、必要でなければつけなくてもいい。

ただ、「死亡」という概念は生命が失われるという前提があるから、そういった意味で、主語に生命を持つものが必要になるだけですね。(3)も同じです。‘reads’「読む」という行為は、時間、理由、場所、その他などは必要に応じてつければいいだけで、前提にはなりません。ただ、「読む」という動作を行う人と、「本」、「新聞」、「雑誌」などの、いわゆる「対象」が前提になるだけですね。

単語のつながり具合は、このように、「前提」が基準になっている場合がほとんどです。そこで、そういった基準から、①・必要なものか、②・あってはならないものか、③・あってもなくてもいいものか、が決まります。しかし、実は英語の場合、そういった「前提」の概念が、カタチにうまく表現として現れないこともあるコトバなんです。

(5)a. The train reached Tokyo. (〇) (その電車は東京に到着しました。)
   b. The train reached at Tokyo. (×) (訳同上)

(6)a. The train arrived Tokyo. (×) (訳同(5a))
   b. The train arrived at Tokyo. (〇) (訳同(5a))

正しい文である(5a)と(6b)は、同じ意味なんですけど、カタチの上では違いがあって、‘reached’は、直後に名詞の‘Tokyo’があります。(6b)の場合は、‘arrived’の後に、直接‘Tokyo’を置かずに、前置詞の‘at’を置いてから、‘Tokyo’を続けます。「到着する」は、もちろん、行き着く先が「前提」となる表現ですから、(6a)みたく、いちいち‘at’なんか要らないんじゃない、って言いたくなりますが、有無を言わさず要るものは要るんです。それが英語なんですね。

よく、前置詞の謎を解明したぞ、と言わんばかりの英語関係の解説本を見かけますが、どんなに頑張って無理やり説明しようとしても、ムダなことなんです。意味的に(5a)=(6b)なんだから、(6b)の前置詞を取るカタチを説明したところで、じゃ、前置詞がない(5a)はどうなるんだ、という話になるだけです。つまり、(5a-b)の説明すれば(6a-b)が反例となり、逆に(6a-b)を説明すれば、(5a-b)が反例になるだけですから、ここは、‘reach ~’=‘arrive at ~’と素直に覚えるのが賢明です。

今回のポイントは、基本的な例をあげて、動詞を中心とした場合、それが意味的に前提としている表現として、主語と目的語があると述べました。しかし英語には、意味とカタチの対応の仕方に、ズレがある場合もあるので、それが英語学習を困難にしている原因の1つであるということを示したわけですが、見方を変えれば、そのズレの部分がどういったところにあるのか見極めがつけば、安心感がある分、学習上の不安を軽減することはできるということです。

そして、‘arrive at ~’のように意表をついて前置詞をともなうような表現は、頻繁に使う表現に多く、数もそう多くはないので、そんなに苦労もするわけではありません。素直に覚えるべきところは覚えましょう、ってことですね。

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英語学習法(44)

2005年01月06日 | 副詞
「節」と「句」の違いについてです。「副詞句」と「副詞節」に限定して扱ってみます。以下、見ましょう。

(1)I lived in Japan <forty years ago>. (<40年前>日本に住んでいたよ。)
(2)I lived in Japan <when I was young>. (<若い頃>日本に住んでいたよ。)

(1)の<forty years ago>を<when I was young>と入れ替えると、(2)が完成します。ここから、<forty years ago>と<when I was young>は文法的には (カタチの上では) 同じステイタスを持っていると言えそうです。 (EG39、参照)

(1)の<forty years ago>が、副詞的役割を担っていることから、<when I was young>も副詞と言うことができます。しかし副詞と言っても、‘I was young’の部分が文になっていますから、こういうときは、「副詞節」という特別な呼び方にしようという区別があります。

(3)現在形・過去形・未来形のいずれかをもつ文を「節」と呼ぶ。

(3)から、<when I was young>は過去形の‘was’をもつから「節」だけど、(1)の<forty years ago>は動詞そのものがないので、節とはならないということです。じゃ、動詞があっても、(3)に該当しないものはどんなものでしょうか。平たく言うと、動詞のカタチが不定詞や‘-ing’、そして過去分詞 (受身文の‘-ed’形) といったものであるということができます。

(4)John was running. (ジョンは走っている。)
(5)Mary was respected. (メアリーは尊敬されている。)
(6)I wanted to do that. (それやってみたかったのよ。)

(4)も(5)も、‘be’動詞が過去形の‘was’となっていて、これは「節」ということになります。このとき、‘running’や‘respected’自体は、「現在・過去・未来」を決定する動詞ではありませんので、節である条件(3)には該当しませんから、注意して下さい。(6)も、‘to do ~’は不定詞なので、節の条件は満たしませんが、‘wanted’が過去形で節の条件を満たしています。それと助動詞をもつ文は、それだけで即座に節となります。

(7)Mary may not know Tom has an affair. 
  (メアリーはトムの浮気を知らないかもね。)

(8)Mary must know Tom has an affair. 
  (メアリーはトムの浮気を知っているに違いない。)

(7)や(8)のように助動詞‘may’や‘must’、その他をもつ文は節と言い切って構いません。今度は「句」と呼ばれるものを見ましょう。

(9)the day before yesterday (一昨日)、last night (昨夜)、
  in the morning (午前中)、this afternoon (今日の午後)、one day (ある日)

実は、「句」の識別はとても簡単です。(9)は適当に複数の単語から成る表現を集めただけなんですが、「句」は複数の単語から成っていて、意味的に、ある1つのカタマリに感じられればそれでよい、という程度のものです。ただし、それは、(3)の条件に当てはまらないようなもの、つまり、「節」でないことが条件になります。ですので、もちろん、(9)の表現は、全て副詞句として使えます。

ここで、(2)の副詞節<when I was young>に戻って、なぜ、これが副詞節と呼ばれるのか、もうおわかりかと思います。副詞表現の現れる位置に置かれる、ということに加えて、かつ、‘was’をもっているからですね。類例を見ましょう。

(10)I will go there <before you go>. 
   (<君が行く前に>ボクがそこに行くよ。)

(11)Mary went away <while I was sleeping>. 
   (<オレが寝ている間に>メアリーは去ってしまった。)

(12)Tom has studied Japanese <since he was a student>. 
   (<学生の頃から>トムは日本語を勉強している。)

(10)~(12)の< >内の表現は、(10)が現在形の‘go’、(11)が過去形の‘was’、(12)も過去形の‘was’をもっていて、かつ、< >の部分が文の骨格にはなり得ず、副詞的にはたらいています。(10)~(12)は、< >の表現を取り除いても、一応、文として独立することができますからね。 (EG39、EG40、参照。)

今回のポイントは、副詞にもカタチの上では、様々なタイプがあるということです。数は3タイプで、①・1つの単語で表現されるスタンダードな「副詞」、②・(1)の<forty years ago>や、(9)の類例のように、2つ以上の単語から成る場合は「副詞句」、そして、③・(2)の<when I was young>を始めとする、(10)~(12)の< >内の表現のように、(3)の条件を満たす「副詞節」です。 (ちなみに、副詞用法の不定詞は、(3)の条件は満たさず、かつ、複数の単語から構成されているという点で、②の副詞句の扱いになります。EG42、参照。)

実際に耳にする英語の中では、副詞類の出てくる割合は非常に高いので、ポイント学習として取り上げましたが、カタチの上でのタイプ分けによって、一見、複雑そうに見える表現も一括りに扱えることがわかったと思います。実は、①・副詞、②・副詞句、③・副詞節、という3タイプで見分けるものの、結局は、全て同じ仲間、つまり、「副詞類」であることがわかります。

副詞類はいろんな変種があり、それこそ一大ファミリーを形成していると言ってもよく、「副詞一族」とでも呼んでやってよいくらいのものです。副詞一族のタイプ分けは、初歩的なものでありながら、かなり重要です。これが識別できるようになれば、英語がグッと簡単にわかるようになりますので、早めの習得がキモとなります。

■注 :(3)の中で述べている、「未来形」ですが、本来、そのような概念は、あまり正確な言い方ではありません。今回の場合、‘will’などの助動詞を用いたカタチであると認識しておけばよい、という程度のものです。

● 関連: EG29EG30EG33EG39EG40EG42

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英語学習法(43)

2005年01月03日 | 不定詞
不定詞も主語をもつことができます。学校では習わないようなことも含めて、「英語脳」的には重要なことがありますので、取り上げてみたいと思います。以下、見ましょう。

(1)Tom solved this problem. (トムがこの問題を解いたんだ。)

(1)は、‘Tom’が主語で、以下の‘solved this problem’が述語になりますね。では、(1)と関連させて、次に、‘to’不定詞を使った表現を見てみましょう。

(2)It is impossible to solve this problem. (この問題を解くのは、不可能だね。)
(3)It is impossible for Tom to solve this problem. (トムがこの問題を解くのは、不可能だよ。)

(2)のように、‘to’不定詞の‘to solve ~’は、特に、主語に当たるものをもってはいませんが、必要に応じて主語を付けることができます。それが(3)です。カタチは、「‘for’~‘to’不定詞」にしてしまえばOKで、‘for Tom’が、‘to solve this problem’に対する主語の役割を果たすということですね。

注意点としては、‘for Tom’を日本語に訳す際は、「トムが」の他に、「トムにとって」というものもありますが、不都合がなければ、どちらでもOKです。ただし、以下のような文には、注意が必要です。

(4)It is unpleasant for Ally for Billy to date Georgia.
(5) a. アリーにとって、ビリーがジョージアとデートするのは不愉快だ。 (〇)
   b. ビリーにとって、アリーがジョージアとデートするのは不愉快だ。 (×)

(4)では、‘for ~’が2つ現れていますが、このように、「for A for B to不定詞」のカタチになった場合は、(5a)のように、必ず、「A にとって B が・・・するのは」、というように解釈しますので、(5b)のように、「B にとって A が・・・するのは」、という解釈は絶対にダメです。そして、以下のような文も要注意です。

(6)There are many flies in the kitchen.
  (台所にハエがいっぱいいるな。)

(7)It is unpleasant for there to be many flies in the kitchen.
  (台所にハエがいっぱいいるなんて不愉快だな。)

(6)のような、‘there is/are ~’の文を、(7)のように、「‘for’~‘to’不定詞」の構文に組み込むこともできます。このときの‘for there’は、もはや、日本語に訳しようがありませんので、ただ単に、カタチの上で必要だから主語として組み込まれたのだ、と理解しておけばよいわけです。

(8)For Ally it is unpleasant for Billy to date Georgia.
(9)a. アリーにとって、ビリーがジョージアとデートするのは不愉快だ。 (〇)
   b. ビリーにとって、アリーがジョージアとデートするのは不愉快だ。 (×)

ここで、(4)の文を少しだけいじって、(8)のようにしてみましょう。(8)では、「for A for B to不定詞」の、‘for A’に当たる‘for Ally’が、文の先頭に位置しています。しかし、(4)の意味を取るときと同じで、解釈は全く変わりませんね。では、(10)はどうでしょうか。

(10)For Billy it is unpleasant for Ally to date Georgia.
(11)a. アリーにとって、ビリーがジョージアとデートするのは不愉快だ。 (×)
   b. ビリーにとって、アリーがジョージアとデートするのは不愉快だ。 (〇)

(10)では、(4)の「for A for B to不定詞」の‘for B’に当たる、‘for Billy’が文の先頭に位置しています。しかし、何と、今度は解釈が変わってしまいました。(11a)がアウトで、一方、(11b)がOKになってしまいました。つまり、アリーとジョージアの同性愛という、ちょっとアブノーマルな解釈じゃなきゃダメなんです。ここから、「for ~ to不定詞」の構文には、文法上の重要なルールがあることがわかります。

(12)「‘for’~‘to’不定詞」の構文からは、「~ にとって」の意味に
   解釈できる‘for ~’だけが、切り離し可能である。

では、(12)が本当に成り立つかどうか、他の文でも検証してみましょう。(3)で、‘for Tom’の日本語訳は、「トムが」でも、「トムにとって」でもよい、と言いました。そこで、(3)を、以下のように変化させてみます。

(13)For Tom it is impossible to solve this problem. (〇)
  (トムにとって、この問題を解くのは不可能だよ。)

(13)では、(3)をいじって、‘for Tom’を文の先頭に移動させましたが、これはOKです。この場合は、「トムが」と、「トムにとって」の、2つの解釈のうち、「トムにとって」の解釈の方を優先させればよいだけですね。では、(7)を、以下のように変化させた場合は、どうでしょうか。

(14)For there it is unpleasant to be many flies in the kitchen. (×)
  (台所にハエがいっぱいいるなんて不愉快だな。)

やっぱりダメです。‘for there’に 対して、「~ にとって」の解釈は、そもそも無理ですからね。「‘there’にとって」なんて、意味不明で、全くわかりません。というわけで、(12)は、文法のルールとして、しっかり成立するようです。

今回のポイントは、‘to’不定詞にも、明示的に主語を表現してやることができる、ということでしたが、‘for ~’という、ちょっと、紛らわしいカタチを取っているので、解釈に注意が必要な場合がある、ということです。

しかも、‘for ~’は、通常、代名詞が現れる際に、ハッキリとわかるように、‘for him’や、‘for her’といった、いわゆる、「目的格」のカタチで現れるので、初心者のヒトにとっては、‘to’不定詞の「主語」になる、と言われても、ピンとこないことがあると思います。

しかし、今回のように、‘for ~’が2つ並んで同時に出現するケースは、まさに、それら2つの‘for ~’が、似て非なるモノであることからくるものであることが、今回、明らかになったと思います。ですので、どちらのタイプの‘for ~’であるかは、文の意味をしっかり理解した上で、ということになります。

実は、他にも、‘for ~’ではないカタチを取るものもありますが、それに関しては、またの機会にでも。

■注 :今回、(6)、(7)、(14)に、用いられている、‘there’、については、「そこに」、という日本語訳を、当てはめることはできない、ということに関しては、EG74を、参照して下さい。

●関連: EG74

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謹賀新年です。

2005年01月02日 | その他
謹んで初春のお慶びを申し上げます。
今年もよろしくお願い申し上げます。

年の暮れから元旦にかけて極寒の中、参拝に行ってきました。

On the last evening of the year 2004、after I finished writing one of my EG articles、I realized that my car was wholly covered with snow thanks to the sudden heavy snowfall on the day. It could not be helped. I began to wash the snow away from my car although I imagined that I might be killed by the terrible coldness during the job.

After finishing the hell of a job、I peacefully (???) went for a drive to Yokohama.
The roads were partially icy、so I had to pay more attention to my driving than usual. The city was beautifully illuminated with the special lighting for the upcoming new year.

After eating dinner I went to a shrine at Kamakura in order to worship. I was a little bit tired、but decided to wait for the first sun of the new year to rise. At 7:15、I finally saw the first sunrise of this year、2005 at the seashore of Kamakura.

On my way home I was sure that I would be killed in the car accident because I was much more tired this time than the night before last. In addition、I was caught in the heavy traffic jam、which I did not expect would occur in such a place、but somehow I came back home safe and sound. I came back alive!

こんな感じで、ややヘトヘト気味に新しい年明けとなりましたが(笑)、皆さんいかがでしたか?

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