英語脳をつくる!~日本人はいかに効率良く英語を学べるか~

英語学習に関する事いろいろです。日本人がいかにすれば実用英語を身に付けられるか、その最短距離を考察!

英語学習法(12)

2004年12月11日 | 品詞
EG02、EG03、EG10、EG11に続いて、英語の品詞です。「助動詞」と呼ばれるものについてです。以下、見ましょう。

(1)You may read the book. (その本、読んでもよいですよ。)
(2)May I read the book ? (その本、読んでもよいですか。)

(1)と(2)の‘may’「~ してもよい」という単語が、助動詞と呼ばれるものです。助動詞は、その名のとおり、動詞を補助する動詞であり、必ず、他の動詞と共に使われます。ですので、(1)と(2)では、‘read’「~ を読む」という動詞を補助するために使われている、と考えられます。

そして、助動詞は、(2)のように疑問文をつくる際に、その文の主語の前に移動して、結果的に、主語と助動詞の語順が入れかわります。ですので、平叙文である(1)と、疑問文である(2)では、主語と助動詞の位置関係が逆になっていますね。

(3) a. John can read the book. (ジョンは、その本を読める。)
   b. Can John read the book ? (ジョンは、その本を読めますか。)

(4) a. John should read the book. (ジョンは、その本を読むべきです。)
   b. Should John read the book ? (ジョンは、その本を読むべきですか。)

(5) a. John must read the book. (ジョンは、その本を読まねばなりません。)
   b. Must John read the book ? (ジョンは、その本を読まねばなりませんか。)

(3a-b)の‘can’「~ できる」、(4a-b)の‘should’「~ すべきだ」、(5a-b)の‘must’「~ しなければならない」も、(1)や(2)の‘may’「~ してもよい」と同じく、全て助動詞です。そして、(3a-b)~(5a-b)の各ペアの(b)からわかるように、主語と助動詞の語順変更が、疑問文をつくる上でのルールであることも、(2)と何ら変わりありません。

(6)‘May I read the book ?’-‘Yes、you may.’
   (「その本読んでもよいですか。」-「はい、いいですよ。」)

(7)You may not read the book. (その本を読んではいけません。)

(6)は、疑問文での答え方ですが、‘yes’「はい」の後は、「主語‘you’+助動詞‘may’」のように、助動詞で終わらせるカタチになっています。そして、(7)は、否定文ですが、助動詞‘may’の直後に、‘not’が現れています。やはり、このような、疑問文の答え方や、否定文のカタチが、一般に、助動詞の特徴であると言われています。

(8)John has to read the book. (訳同(5a))
(9)Does John have to read the book ? (訳同(5b))

そこで、(8)ですが、(8)の‘has to’は、(5a)の‘must’の置きかえとして使われています。意味としては、(8)と(5a)は、細かい点を抜きにすれば、大ざっぱに、ほぼ同じです。ですので、この点、‘has to’も、助動詞と見なしてもよさそうなものですが、一方で、(9)を見ると、疑問文のつくり方が、単純に、主語‘John’と‘has to’の語順変更ではなく、かわりに、‘does’が文の先頭に現れています。

(10)John reads the book. (ジョンは、その本を読みます。)
(11)John does read the book. (訳同上)

そこで、(10)ですが、‘reads’というように、‘read’の後に、‘-s’が付いています。一方、(11)は、(10)の文全体を強調するような文ですが、‘does’が、現れて、そのかわりに、‘read’の後あった‘-s’が消滅しています。つまり、(10)と(11)の比較からは、「‘read’+‘does’→‘reads’」という考え方ができそうです。

(12)Does John read the book ? -‘Yes、he does.’
   (「ジョンは、その本を読みますか。」-「はい、読みますよ。」)

(13)John does not read the book. (ジョンは、その本を読みません。)

(12)の疑問文は、もちろん、(10)をもとにしていますが、やはり、‘does’の出現によって、‘read’は、‘-s’がつかないカタチになっています。ついでに、その答え方を見ると、「主語‘he’+‘does’」で文を終わらせるカタチになっています。一方、(13)の否定文でも、‘does’の出現によって、‘read’は、‘-s’がつかないカタチになっています。

そこで、(10)のような、「‘read’+‘does’→‘reads’」の変形を、例外的に、‘does’固有の特徴と考えれば、(11)~(13)の‘does’は、(1)~(7)で示された助動詞のルール (①・疑問文のカタチ、②・その答え方のカタチ、③・否定文のカタチ) に、全て従っていることがわかります。

(14)John does have to read the book. (訳同(5a))

(15)‘Does John have to read the book ?’-‘Yes、he does.’
   (「ジョンは、その本を読まねばなりませんか。」-「はい、そうですね。」)

(15)John does not have to read the book. (ジョンは、その本を読むには及ばない。)

ここで、(8)と(9)の‘has to’に戻って考えると、どうやら、「‘have to’+‘does’→‘has to’」であると結論付けるのが、正しい見方ではないかと思われます。(14)は、(8)の文全体が強調されたカタチであり、(15)は、‘has to’の疑問文の答え方であり、(16)は、‘has to’の否定文ですが、これら全てが、‘does’の出現によって、‘has’ではなく、‘have’が現れる結果となっています。

こういったことを、統一的に説明するには、‘has to’は、結局のところ、‘must’と意味がほぼ同じだからと言っても、真の意味での助動詞ではなく、‘read’と同じ、一般動詞であり、その一方で、‘does’を助動詞と見なすことで、その助けを借りて、①・疑問文のカタチ、②・その答え方のカタチ、③・否定文のカタチ、をつくるしかないということになります。

今回のポイントは、英語の品詞でも、割とその定義があやふやな感じのある助動詞の定義についてです。最も一般的と思われる普通の定義は、今回扱った、‘may’、‘can’、‘should’、‘must’、‘does’などのように、その後に動詞の原形がくる、といった感じのもので、要するに、「助動詞+動詞の原形」、で理解するといったものです。

もちろん、初歩的な観点からは、そういった定義でも、十分に実用的だと思われますし、助動詞の数自体は、そう大して多いわけでもありませんから、あれこれ考えるのが面倒なら、マルっと暗記してしまってもよいようなものです。

しかし、長期的な視野に立って、英語を自在に使えるようにするためには、ある程度は精度の高い判別基準を知っておいた方が、やはり得策であることは間違いないと思われますし、助動詞を使った英語表現は、日常的にも、頻度が圧倒的に高い割には、結構、雑に扱われている印象があるのも確かです。助動詞の品詞としての見方は、また次回に続きをやりたいと思います。

●関連: EG02EG03EG10EG11

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