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英語脳をつくる!~日本人はいかに効率良く英語を学べるか~

英語学習に関する事いろいろです。日本人がいかにすれば実用英語を身に付けられるか、その最短距離を考察!

英語学習法(76)

2005年04月18日 | 分詞
EG75の続きです。分詞構文です。以下、見ましょう。

(1)<Shocked at the news>、Lucy passed out.
  (<その知らせにショックを受けて>、ルーシーは気絶してしまった。)

(1)は、‘shocked at ~’の表現が、「~ にショックを受けて」、という意味になって、‘Lucy passed out’「ルーシーは気絶してしまった」、にかかっています。この‘shocked’は、過去形、過去分詞のどちらか、ということになるんですけど、結論から言うと、過去分詞です。

(2)Lucy was shocked at the news. (ルーシーは、その知らせにショックを受けた。)

(2)にあるように、「ショックを受ける」という表現は、‘A is shocked’というカタチで表して、「A はショックを受ける」という意味になります。本来、‘shock’という動詞は、‘shock A’で、「A にショックを与える」という意味になる他動詞なので、‘A is shocked’という、受身文のカタチにして、「A はショックを与えられる」、としてから、その平たい日本語の言いかえとして、「Aはショックを受ける」となるわけですね。

そこで、(1)の‘shocked at the news’の部分と、(2)の文を見比べてみると、‘Lucy was ~’の表現を除けば、同じ表現であることがわかると思います。ですので、受身文から、「主語+‘be’動詞」を取り除いて、いきなり‘-ed’から始まるカタチにしてやると、(1)のような使い方ができるんですね。(1)の‘shocked’が、過去分詞であると言ったのは、そういった経緯によるものです。類似した文として、以下の例を見ると、それがハッキリとわかると思います。

(3)<Beaten by a bank robber>、Lucy passed out.
  (<銀行強盗に打ちのめされて>ルーシーは気絶した。)

(3)では、‘beat-beat-beaten’「~ を打ちのめす」という活用をする動詞の過去分詞‘beaten’を用いていますが、構文的には、‘Beaten by a bank robber’の部分は、(1)の‘shocked at the news’と全く同じものです。ところで、(1)では、‘shocked at the news’が、‘Lucy passed out’にかかっている、と言いましたが、ということは、‘shocked at the news’は文の骨格にはならない表現である、ということになりますね。つまり、(1)の過去分詞は、副詞的な過去分詞であると言ってもよいでしょう。(3)の‘beaten’も、もちろん同様です。

そこで、EG75では、副詞的な‘-ing’のカタチである、分詞構文を扱いましたが、実は、この副詞的な過去分詞も、分詞構文の仲間なのです。つまり、分詞構文とは、基本的には、現在分詞‘-ing’や、過去分詞‘-ed’といった分詞を、副詞として使用する表現方法なのです。

さらに、EG75では、‘-ing’の分詞構文には、カタチとなって現れている主語がないので、それがかかる他の文の主語にその主語を求める、といった決まりごとがあるのを見ました。過去分詞の分詞構文もそれと同じルールに従います。

まず、(1)の文では、ショックを受けたのはルーシーですが、気絶したのもルーシーですね。つまり、(1)の‘shocked’は、(2)にあるように、本来、‘Lucy’を主語としている文がもとになっている、と考えてもよいと思います。(3)の文でも、銀行強盗に打ちのめされたのはルーシーですが、気絶したのもルーシーです。ですので、そこから、(3)の‘beaten’も、カタチとしては目に見えないけど、本来は、‘Lucy’を主語に取っていると解釈されるわけですね。

コトバは、述語があれば、必ず、その主語がある、と考えるのが普通ですので、まさに、分詞構文の特徴は、その本来あるはずの主語が、カタチとなって現れていないところにある、と言ってもよいでしょう。そこで、分詞構文の場合は、その目には見えない、カタチとなって現れてはいない主語を、どこか別の場所に求める、ということになっているのです。ですので、ここから、‘-ing’の場合と、過去分詞の場合とで、その主語として、どのようなものが可能であるかを、練習して慣れることが、英語脳的には重要となってきます。

(4)<この港から見ると>、あの船は小さな城にみえるね。
(5) a. <Seen from this harbor>、that ship looks like a small castle. (〇)
   b. <Seeing from this harbor>、that ship looks like a small castle. (×)

(4)の日本語を分詞構文で表現するとします。そこで、英語としては、(5a)が正しく、(5b)が間違い、ということになります。この手の分詞構文は、よく、ペーパー試験の問題としても見かけることがありますが、英語の主語・述語の関係に、あまり慣れていない日本人の心理を巧妙に突いた問題と言えます。

まず、(4)の日本語から、「~ 見ると」となれば、日本語としては能動文ですから、あたかも、(5b)の‘seeing’の方が適格ではないのか、という印象があり、まさか、受身文をベースにした(5a)の過去分詞‘seen’が正しいなどとは考えないわけですね。

これは、日本語は、< >の表現がかかる相手となる文に対して、厳密に主語は主語として対応させるということに、特にこだわらないコトバだからであり、そして、(4)の場合、「この港から見られると」、というような受身文の日本語にしてしまうと、英語の受身文とは違って、「迷惑・被害」という余分な意味が出てしまい、「この港から見ると」という表現と比べて、不適切に感じられてしまうからです。

(6) a. That ship is seen from this harbor. (あの船はこの港から見られる。)
   b. We see that ship from this harbor. (私たちは、あの船をこの港から見る。)

(6a)は、受身文であり、‘that ship’「あの船」が主語になっています。一方、(6b)は能動文であり、‘that ship’が目的語になっています。ここから、(5a)の‘that ship looks like a small castle.’の主語が、‘that ship’であることを考えると、同じく、‘that ship’を主語に取っている(6a)が、分詞構文のベースとしては適格であることがわかります。一方、(6b)の主語は、‘we’「私たち」であり、もちろん、(5b)の主語‘that ship’と同じではないので、そこから、(5b)のような分詞構文をつくることはできず、不適格となります。以下も、類似した表現ですね。

(7)メアリーと比べると、ジョンはそれほど慎重ではないね。
(8) a. <Compared with Mary>、John is not so careful. (〇)
   b. <Comparing with Mary>、John is not so careful. (×)

(8a)は、過去分詞‘compared’を使っていて、正しい英語ですが、一方、(8b)は、‘-ing’のカタチ‘comparing’を使っていて、間違いになります。これを正しく判断するのを妨げているのは、やはり、(7)の日本語で、「メアリーと比べると」の部分が能動文になっているからです。

(9) a. John is compared with Mary. (ジョンはメアリーと比較される。)
   b. We compare John with Mary. (私たちは、ジョンをメアリーと比較する。)

(9a)は、受身文‘A is compared with B’「AはBと比較される」からつくられた文ですが、‘John’(=A)が主語になっていて、(8a)の、‘John is not so careful’の部分と主語が一致しますね。ですので、‘compared with Mary’の表現を使った(8a)は、適格なのです。一方、能動文‘X compare A with B’「Xは、AをBと比較する」からつくられた(8b)は、‘we’(=X)が主語なので、‘John is not so careful’の部分と主語が一致しませんから、不適格ということになります。

ここで、(9a)の日本語訳を見てほしいのですが、受身文として表現された日本語は、「ジョンは ~ される」となっていて、どこか、ジョンにとって、「迷惑・被害」の含意があるのが感じられます。ところが、(9a)の英語の受身文の場合、そのような含意はなく、ただジョンとの比較の対象が、メアリーであることが示されているにすぎません。

ですので、(9a)の日本語訳のような、余計な意味をもつ表現は、避けられるものなら避けたいので、(8a)の英語に対して、(7)のような日本語にした方が、「メアリーと比較されると」よりも、座りがよい表現になるわけです。(5a)の英語に対する、(4)の日本語も、やはり、同じことが言えます。

こういった日本語と英語のカタチの上での表現方法が、同じ解釈の中でブツかり合って、能動文(日本語)に対して、受動文(英語)というように、お互いに対応するカタチが取れない場合、英語はとても難しく感じられます。しかし、考え方として、一定の法則に従っていることが理解できさえすれば、それほど扱いは難しいものではありません。

今回のポイントは、過去分詞のカタチを取る分詞構文ですが、やはり、‘-ing’の分詞構文と同じく、副詞的なはたらきをもっている、ということと、依存する(かかる)他の文の主語に、その主語を求めるということです。この点は、お互いの共通点となります。

そして、過去分詞の分詞構文は、その成り立ちが、受身文からくるものなので、その点、性質が異なる日本語の受身文とは、対応する訳が、能動文・受身文で正反対になる傾向がある、ということです。おそらく、日本人にとっては、この点が、最大の注意点となるでしょうから、練習あるのみです。これで分詞構文の基本的な理解は終わったわけですが、他の派生的な分詞構文に関しては、また別の機会にでも。

■注1 :それほどあまり見かけることはないのですが、過去分詞のカタチをとる分詞構文は、受身文の性質をもっているので、そこから、「‘be’動詞+過去分詞」の分詞構文、‘being+過去分詞’となることもあります。つまり、単純に、過去分詞のアタマに‘being’が付加されている、とだけ理解しておけばよいものです。

■注2 :日本語の受身文、「~ れる、~ られる」は、ある程度、それ自体が、「迷惑・被害」を含意する傾向がありますが、英語の受身文は、それ自体で、「迷惑・被害」を表現するというようなことはなく、一般的な常識や、受身文の主語がどのような立場のものであるか、といった構文自体の性質とは違った観点から、「迷惑・被害」が表現されます。これに関しては、EG68を参照して下さい。


●関連: EG68EG75

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英語学習法(75)

2005年04月15日 | 分詞
分詞構文と呼ばれている‘-ing’のカタチの基本を扱います。以下、見ましょう。

(1)Tom reads a book. (トムは本を読む。)
(2)Tom listens to music. (トムは音楽を聴く。)

(1)と(2)をつないで、1つの文にしてみたいと思います。その方法はいろいろありますが、1つの方法として、動詞の‘-ing’のカタチを使ったものがあります。

(3)Tom reads a book <listening to music>. (<音楽を聴きながら>、トムは本を読む。)

(3)の‘listening’は、もちろん、(2)の動詞‘listen’「聞く」が、‘-ing’を末尾に付けることによって、カタチを変化させたものです。この‘-ing’のカタチに対する日本語訳は、「~ ながら」となっています。つまり、あることをしながら、一方で、別のことをしていることを表すときに、便利な表現ですね。

(4)John sings <walking on the street>. (<通りを歩きながら>、ジョンは歌う。)

(5)They ran away <crying>. (<泣きながら>、ヤツらは逃げていった。)

(6)Mary watchs TV <eating breakfast>.
  (<朝食を食べながら>、メアリーはテレビをみる。)

(4)~(6)において、やはり、「~ ながら」という表現は‘-ing’のカタチを付け足してやることで、表現できることがわかると思います。ですので、「~ ながら」を英語で表現してやるのは、とても簡単なんですね。ここで注意点ですが、こういった、‘-ing’の付け足しでは、意味として、「~ ながら」だけが表現されるわけではありません。

(7)<Seeing the snake> I was very scared.
   (<そのヘビを見ると>とても怖かった。)

(8)<Turning to the left> you can find a red house.
   (<左に曲がると>赤い家が見つかりますよ。)

(9)<Drinking too much> John fell asleep on the street.
   (<飲みすぎて>ジョンは路上で寝てしまった。)

(10)<Accepting what you insist> I want you to accept mine too.
   (<君の主張は受け入れるけど>ボクのも受け入れて欲しい。)

(7)~(10)を見てもわかるように、付け足しの‘-ing’には、いろんな意味があります。「~すると」、「~して」、「~ので」、「~けど」、などありますね。そこで、一体、何種類くらいの日本語訳を覚えたらいいんだ、と考え込んでしまいますが、別に、ふさわしい日本語訳を暗記して、カチっと対応させる、などということは、考えなくてもよいと思います。

こういった‘-ing’の解釈は、文全体の意味や、その他の文脈から判断して、最も自然な意味になるようにもっていきさえすればよいだけで、特に、どういった意味に取らなければならない、というような決まりごとはありません。明らかに変だな、と思われる意味にならないように注意して、最も自然な意味になっていれば、大丈夫です。

それよりも、少々厄介なのは、(3)にあるように、(2)の動詞‘listen’を、‘-ing’のカタチに変えたときに、主語の‘Tom’がなくなっていることです。このように、基本的には、分詞構文の‘-ing’は、動詞でありながら、主語をもっていない、ということから、その主語は、どのようにして判別したらよいのか、ということが問題になります。そこで、(3)の文では、音楽を聴いているのは誰か、と考えると、もちろん、トムですね。トム以外の人物ではないということです。つまり、トムは、‘read’の主語でもあり、同時に、‘listening’の主語でもある、ということです。

今度は、(4)~(6)を考えてみます。(4)で、ジョンは、もちろん、‘sing’の主語であるわけですが、同時に、‘walking’の主語でもあるわけです。(5)では、‘they’「ヤツら」が、‘run away’の主語ですが、同時に、‘crying’の主語でもあります。(6)では、メアリーが、‘watch’の主語ですが、同時に、‘eating’の主語でもあります。

こんなふうに、付け足しの‘-ing’は、目に見えるカタチでの主語をもっていないので、他の文の主語を、解釈上の主語として借りてくることになっているのがわかります。これが、付け足しの‘-ing’、つまり、分詞構文の基本的なルールということになります。それと、この、‘-ing’の付け足し、という文のつくり方において、そういった‘-ing’は、文法的には、どのような扱いになるか、ということですが、さすがに、「付け足し」というだけあって、この種の‘-ing’は、副詞として扱うことになっています。 (EG39、EG40、EG44参照)

つまり、分詞構文の正体は、副詞的‘-ing’と言ってもよく、そこから、当然、文の骨格にはなり得ません。ですので、語順に関しては、比較的、自由度が高く、依存する文の前でも、後でも、くっ付くことができます。(3)~(6)では、‘-ing’が、依存する文の後に位置していますが、一方、(7)~(10)では、‘-ing’が、依存する文の前に位置しています。そういったことで、やはり、‘-ing’が置かれる位置が、前の方がよいか、後の方がよいかは、文の意味に応じて選ばれるということになります。

例えば、(8)の文では、左に曲がってから、その後で、赤い家が見つかる、という順番になりますから、‘turning to the left’は、‘you can find a red house’の前にあった方がよい、ということになりますね。これは、(8)と似たような意味を表す以下のような文(11a)とは、ちょっと使い勝手が違ってきます。

(11)a. You can find a red house <if you turn to the left>. (訳同(8))

   b. <If you turn to the left> you can find a red house. (訳同(8))

(11a)では、< >の副詞節である表現が、文の末尾に位置していますが、そのような語順は、別に逆であってもよく、(11b)のように、< >の表現が文の先頭にあっても構いません。これは、前後の文において、それぞれが担う意味の役割が、もとからハッキリしていて、語順変更しても、意味の解釈に支障が出ないからです。

‘if ~’「~ ならば」が、アタマにくっ付いている文は、<if+主語+動詞 ~>というように、1つのまとまりを成して、副詞節となります。もちろん意味も、副詞的‘-ing’とは違って、それ自体を見てわかるので、その点、さして語順は重要ではないわけですね。

しかし、付け足しの‘-ing’の場合は、それ自体を見た段階で、意味が決まっているのではなく、その他、文全体を考慮したり、文脈を考慮したりしてから、適切な意味に取るという作業が必要になってきますので、極力自然な語順を選ばなければなりません。

そこで、一般的な傾向としては、(3)~(6)のような、「~ ながら」の意味になる、付け足しの‘-ing’は、文の先頭にも末尾にも現れますが、(7)~(10)のような意味の‘-ing’は、文の先頭に置かれます。しかし、どちらのケースでも、文の中に割って入るときもあります。文の中に割って入る場合は、一般的には、‘-ing’の主語と解釈される表現の直後である位置が普通です。

(12)Tom、<listening to music>、reads a book. (訳同(3))
(13)John、<drinking too much>、fell asleep on the street. (訳同(9))

今回のポイントは、分詞構文と呼ばれる、‘-ing’のカタチをした、付け足しの副詞表現です。こういった‘-ing’は、(11a)や(11b)にあるような、< >の副詞節のように、それ自体で意味がハッキリしているわけではないので、意味によっては語順に注意しなければなりません。

そして、‘-ing’自体に、ハッキリと目に見えるカタチで主語が付いているわけでもないので、‘-ing’が依存する(かかる)他の文の主語に、その主語を求めなければならない、という点で、思いのまま勝手自由に付け足す、ということを許すものでもありません。あと、分詞構文には、その仲間として、他のカタチもありますが、その紹介は、別の機会になります。

■注 :‘Mary worked hard、<finishing the job in two days>.’「メアリーは、がんばってはたらいて、2日でその仕事を終わらせた。」、のように、「結果」を表す分詞構文の、‘-ing’もあります。もちろん、語順は、意味の流れに従って、文の末尾に置かれます。

●関連: EG39EG40EG44

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