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英語脳をつくる!~日本人はいかに効率良く英語を学べるか~

英語学習に関する事いろいろです。日本人がいかにすれば実用英語を身に付けられるか、その最短距離を考察!

英語学習法(44)

2005年01月06日 | 副詞
「節」と「句」の違いについてです。「副詞句」と「副詞節」に限定して扱ってみます。以下、見ましょう。

(1)I lived in Japan <forty years ago>. (<40年前>日本に住んでいたよ。)
(2)I lived in Japan <when I was young>. (<若い頃>日本に住んでいたよ。)

(1)の<forty years ago>を<when I was young>と入れ替えると、(2)が完成します。ここから、<forty years ago>と<when I was young>は文法的には (カタチの上では) 同じステイタスを持っていると言えそうです。 (EG39、参照)

(1)の<forty years ago>が、副詞的役割を担っていることから、<when I was young>も副詞と言うことができます。しかし副詞と言っても、‘I was young’の部分が文になっていますから、こういうときは、「副詞節」という特別な呼び方にしようという区別があります。

(3)現在形・過去形・未来形のいずれかをもつ文を「節」と呼ぶ。

(3)から、<when I was young>は過去形の‘was’をもつから「節」だけど、(1)の<forty years ago>は動詞そのものがないので、節とはならないということです。じゃ、動詞があっても、(3)に該当しないものはどんなものでしょうか。平たく言うと、動詞のカタチが不定詞や‘-ing’、そして過去分詞 (受身文の‘-ed’形) といったものであるということができます。

(4)John was running. (ジョンは走っている。)
(5)Mary was respected. (メアリーは尊敬されている。)
(6)I wanted to do that. (それやってみたかったのよ。)

(4)も(5)も、‘be’動詞が過去形の‘was’となっていて、これは「節」ということになります。このとき、‘running’や‘respected’自体は、「現在・過去・未来」を決定する動詞ではありませんので、節である条件(3)には該当しませんから、注意して下さい。(6)も、‘to do ~’は不定詞なので、節の条件は満たしませんが、‘wanted’が過去形で節の条件を満たしています。それと助動詞をもつ文は、それだけで即座に節となります。

(7)Mary may not know Tom has an affair. 
  (メアリーはトムの浮気を知らないかもね。)

(8)Mary must know Tom has an affair. 
  (メアリーはトムの浮気を知っているに違いない。)

(7)や(8)のように助動詞‘may’や‘must’、その他をもつ文は節と言い切って構いません。今度は「句」と呼ばれるものを見ましょう。

(9)the day before yesterday (一昨日)、last night (昨夜)、
  in the morning (午前中)、this afternoon (今日の午後)、one day (ある日)

実は、「句」の識別はとても簡単です。(9)は適当に複数の単語から成る表現を集めただけなんですが、「句」は複数の単語から成っていて、意味的に、ある1つのカタマリに感じられればそれでよい、という程度のものです。ただし、それは、(3)の条件に当てはまらないようなもの、つまり、「節」でないことが条件になります。ですので、もちろん、(9)の表現は、全て副詞句として使えます。

ここで、(2)の副詞節<when I was young>に戻って、なぜ、これが副詞節と呼ばれるのか、もうおわかりかと思います。副詞表現の現れる位置に置かれる、ということに加えて、かつ、‘was’をもっているからですね。類例を見ましょう。

(10)I will go there <before you go>. 
   (<君が行く前に>ボクがそこに行くよ。)

(11)Mary went away <while I was sleeping>. 
   (<オレが寝ている間に>メアリーは去ってしまった。)

(12)Tom has studied Japanese <since he was a student>. 
   (<学生の頃から>トムは日本語を勉強している。)

(10)~(12)の< >内の表現は、(10)が現在形の‘go’、(11)が過去形の‘was’、(12)も過去形の‘was’をもっていて、かつ、< >の部分が文の骨格にはなり得ず、副詞的にはたらいています。(10)~(12)は、< >の表現を取り除いても、一応、文として独立することができますからね。 (EG39、EG40、参照。)

今回のポイントは、副詞にもカタチの上では、様々なタイプがあるということです。数は3タイプで、①・1つの単語で表現されるスタンダードな「副詞」、②・(1)の<forty years ago>や、(9)の類例のように、2つ以上の単語から成る場合は「副詞句」、そして、③・(2)の<when I was young>を始めとする、(10)~(12)の< >内の表現のように、(3)の条件を満たす「副詞節」です。 (ちなみに、副詞用法の不定詞は、(3)の条件は満たさず、かつ、複数の単語から構成されているという点で、②の副詞句の扱いになります。EG42、参照。)

実際に耳にする英語の中では、副詞類の出てくる割合は非常に高いので、ポイント学習として取り上げましたが、カタチの上でのタイプ分けによって、一見、複雑そうに見える表現も一括りに扱えることがわかったと思います。実は、①・副詞、②・副詞句、③・副詞節、という3タイプで見分けるものの、結局は、全て同じ仲間、つまり、「副詞類」であることがわかります。

副詞類はいろんな変種があり、それこそ一大ファミリーを形成していると言ってもよく、「副詞一族」とでも呼んでやってよいくらいのものです。副詞一族のタイプ分けは、初歩的なものでありながら、かなり重要です。これが識別できるようになれば、英語がグッと簡単にわかるようになりますので、早めの習得がキモとなります。

■注 :(3)の中で述べている、「未来形」ですが、本来、そのような概念は、あまり正確な言い方ではありません。今回の場合、‘will’などの助動詞を用いたカタチであると認識しておけばよい、という程度のものです。

● 関連: EG29EG30EG33EG39EG40EG42

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英語学習法(40)

2004年12月29日 | 副詞
EG39・副詞の基本の続きです。EG39では意味の面から副詞を判断するだけでなく、形式の面からも副詞を判断することの重要性を説いたわけですが、さっそく以下、見ましょう。

(1)I am at home. (家にいるよ。)

(1)の‘home’は‘at home’で使われていますね。前置詞の後には名詞がくるというルールもありますし、普通は‘home’=「家」で覚えているので、名詞のイメージが強いんですが、(2)はどうでしょう?

(2)a. Let's go home.(〇) (帰りましょう。)
   b. Let's go to home.(×) (訳同上)

ん?(2a)が正しく、(2b)が誤りであるのは、(1)の帰結からは矛盾しています。まず考え方として、(2a)からは、‘go’には他動詞(目的語を取る動詞)としての用法があるかなと推測しますが、(3)を見る限り、そう考えてもあまり良い答えにはならないようです。

(3)Let's go to the station.(〇) (その駅に行ってみよう。)

(3)では、「前置詞(to)+名詞(the station)」が‘go’の後にありますので、やはり‘go’に自動詞(目的語を取らない動詞)としての性質は生きているようです。ここは、‘go’よりも、むしろ‘home’に原因があると考えた方が良さそうです。

(4)I fell down on my way to the station.(〇) (駅に行く途中で転んだ。)
(5)I fell down on my way home.(〇) (帰宅する途中で転んだ。)

(4)と(5)の対比から‘to the station’と‘home’が入れ換えの対象になっていることがわかります。では、‘home’には特別に前置詞を含んだ表現法があると考えてはどうでしょうか?そうすると(6)がダメな理由がわかりますね。

(6)I fell down on my way to home.(×) (訳同(5))

このように、一見、名詞的な感じがするものの、実は前置詞の役割も含んだ擬似副詞(とでもいうんでしょうか?)が英語には存在します。‘home’は、(1)のように、ある場所に既に存在していることが主張される場合に名詞としての優先権が発生するのです。(2a)と(5)の類例を見ましょう。

(7)go overseas (海外に行く)、go abroad (海外へ行く)、go there (そこへ行く)、
   come here (ここに来る)、等

(7)の表現は動詞との間に前置詞が付くことはないので要注意です。こういった表現は、大体は、向かう場所に関するものが多いんですが、時間に関するものもあります。

(8)Yesterday's paper (昨日の新聞)
(9)I studied English <yesterday>. (昨日、英語を勉強した。)

(8)では‘yesterday’が明らかに名詞ですが、(9)では、「主語(I)+動詞(studied)+目的語(English)」が文の骨格となっていて、<yesterday>が副詞として扱われています。これは慣れている人が多いと思いますから簡単ですね。

(10)a. I ate bread <this morning>.(〇) (今朝、パンを食べた。)
   b. I ate bread <in this morning>.(×) (訳同上)

(10a)は割と見慣れているのですが、書いたり話したりするときは思わず(10b)をやってしまいますね。これは、‘in the morning’「午前中」との混同からくるようです。以下はどうでしょうか。

(11)There were a lot of people in the room. (その部屋には大勢の人がいた。)
(12)a. A car is <a lot> faster than a bicycle. (クルマは自転車よりずっと速いぞ。)
   b. A car is <much> faster than a bicycle. (訳同上)

(11)は、‘a lot of ~’「たくさんの」で覚えている人が多いと思いますが、‘a lot’の部分は名詞的に感じられます。事実、名詞なんですが、そういった先入観を持つと、(12a)の‘a lot’が、(12b)のように、‘much’(比較級に付いて「はるかに」の意味)で置き換えができるような副詞であることに気付きにくいんですね。

(13)I am <twenty years> old. (オレはもう二十歳だ。)

‘I am ~ years old.’の年齢を表す表現は暗記してしまってる人が多いんですが、(13)の< >の部分は実は、「程度」を表現する副詞で、「主語(I)+be動詞(am)+補語(old)」の骨格となる文に、「今までどの程度生きているか」を表現する副詞として、年数、<~ years>を入れることになっているのです。ここでもやはり、「骨格とそれに依存するもの」といった依存関係がありますね。

EG39では、文中の「依存関係」、すなわち、骨格とその骨格に依存するもの(副詞やそれに類するもの)の相対関係を形式的な面から見抜くことは大切だと言ったのですが、今回は新たなポイントとして、基本となる骨格に対して依存する側のものには、形式上のトリックが存在する場合があるのを見ました。一見、名詞のように見えても副詞のように振る舞う表現があるんですね。

英語の仕組みに関しては、こういった注意点を1つ1つしっかり確認して基礎固めをしていけば、比較的、短期間で英語脳の大方は完成してしまいます(←マジですか?)。やっぱり、あれこれと不安を抱えながら英語を話すよりも、自信を持って話したいですもんね。自分の英語を自己分析する力を養いましょう。

●関連: EG39

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英語学習法(39)

2004年12月28日 | 副詞
副詞の基本です。まず、日本語との違いから出発します。以下、見ましょう。

(1)<速く>走る

日本語の場合、形容詞の「速い」が活用して、「速く」になれば、(1)にあるように、動詞にかかることができるようになります。これを、国文法では、「連用形」になる、とか言いますが、基本として、英語には、そもそも、そのような発想がありません。そういった事情で、連用形の「速く」に相当するものを、英文法の品詞分類では、「副詞」と呼んでいます。ですので、最初から、日本語の連用形のような活用自体がなく、副詞は、もとから、副詞として存在しています。

それと、英語における副詞の役割は、もちろん、(1)の日本語のように、動詞にかかる、というような側面もあるのですが、加えて重要となるのが、基本となる文型、つまり、英語の「骨格」となるカタチに依存するということです。英語の副詞は、あれやこれや、深く考察するとややこしい機能をもっていますが、識別の仕方として、文のカタチから見た場合は、比較的、簡単に見分けることができます。

(2)Tom runs. (トムは走る。)
(3)Tom runs <fast>. (トムは<速く>走る。)

(3)の< >の部分が副詞です。(2)は、主語‘Tom’「トム」と、動詞‘runs’「走る」から成る文ですが、これに、何らかの付加情報を加えたいときに、(3)の<fast>のように、副詞が活躍します。副詞は、あくまでも、文の骨格となるものに対して、付加的な情報を提供する役割を担っているだけなので、何かに依存する (かかる) ことが前提となる表現です。ですので、(2)のような、骨格となる文が前提となって、初めて、副詞が存在する価値を認められることになります。それと、あともう1つ、決まりごとがあります。

(4)Tom is a runner. (トムが走者である。)
(5)Tom is a fast runner. (トムが速い走者である。)

(4)の‘runner’「走者」に対して、付加的な情報、‘fast’「速い」を加えると、(5)になりますが、その機能がちょっと異なります。(3)では、<fast>「速く」が、‘runs’「走る」に、依存して (かかって) いるのに対して、(5)では、‘fast’が、‘runner’に依存して (かかって) います。‘runner’は名詞ですが、英文法のルールでは名詞にかかるものを副詞とは見なしません。(5)の‘fast’は形容詞としての扱いを受けます。そこで(6)が成立します。

(6)副詞は名詞や、それに類するものにかかることはない。
  名詞(類)にかかるのは形容詞である。

副詞は、もとからある文の情報を、さらに濃くするためにあるので、よりかかる対象が必要である、ということに加えて、(6)にあるような、副詞と形容詞の機能上の違いを認識していれば、もう基本は、OKです。

(7)John was kicked. (ジョンは蹴っ飛ばされた。)
(8)John was <strongly> kicked. (ジョンは<強く>蹴っ飛ばされた。)

受身文 (EG35、参照) は、もとになる能動文からの変形ですが、(7)のように、「主語 (John)+‘be’動詞 (was)+過去分詞 (kicked)」が、構成材料となってつくられるのが基本ですので、そういった材料は、英文の骨格なわけです。ですので、(8)を見たときに、<strongly>は、受身文の骨格とはならず、副詞だなと、すぐにわかりますね。(8)では、<strongly> は、意味的に‘kicked’に依存して(かかって)います。

(9)Tom runs <<very> fast>. (トムは<<とても>速く>走る。)

(9)は、(3)に、更なる情報を付加した文です。単なる「速く」よりも、「とても速く」の方が、意味内容が濃いですもんね。(9)の場合、<very>が<fast>にかかっています。<very>は文の骨格に使われる材料ではありません。そして通常は名詞にかかることもありません。つまり、副詞であり、<<very> fast>では、副詞‘very’「とても」が、副詞‘fast’「速く」にかかっているわけです。ルール(6)は、副詞が副詞に依存する関係を妨げるものではありませんので、(9)がOKなんですね。

(10)Mary got the ring. (メアリーはその指輪を手に入れた。)
(11)<Fortunately>、Mary got the ring. 
  (<運良く>、メアリーはその指輪を手に入れた。)

(10)では、「主語 (Mary)+動詞 (got)+目的語 (the ring)」で、文の骨格となりますので、(11)の<Fortunately>「運良く」が、付加情報となり、副詞です。この場合、ポイントは、<Fortunately>の及ぶ勢力範囲です。(3)、(8)、(9)では、副詞が、意味的に文中の一部に依存するケースでしたが、(11)では、<fortunately>の意味が、文全体に依存しています。つまり、‘Mary got the ring.’全体を依存の対象としているのです。これは、意味的な面から、大体見当がつくでしょうから、ここでは、副詞の勢力範囲は、意味に応じて広がることがあると理解しておけばOKです。

と、ここまで言って、以上のような例からだと副詞は一見、簡単そうに見えるんですが、それは日本語的な感覚で意味の面からのみ処理していれば、大体わかってしまうことがあるからです。こういったわけで、それで理解は十分と勘違いしてしまうケースがよく見受けられます。

しかし、英語の場合、意味だけでなく形式 (カタチ) 的な面からも、判断する練習が大事です。英語の、副詞と文の骨格の識別は、日本語以上に、その文法性に密接に関わってくるので、練習を怠ると、結果として、かなり中核的な部分で、英語脳の形成が破綻してしまいます。

今回のポイントは文中の「依存関係」、すなわち、骨格と、その骨格に依存する副詞の、相対関係をカタチの面から見抜くことにあります。英語では、この関係を見抜く練習をした方が、意味的な面から勘にたよって判断するよりも格段に上達が早いことは上級者ほどよくわかっていることなのです。ここで手抜きは絶対にしないようにして下さい。他のポイントは、またの機会にでも。

■注1 :英語の副詞にも活用がないわけではありません。ただし、‘fast、faster、fastest’のような、比較級・最上級での活用になりますので、国文法における、「連用形」のような活用とは、無関係なものになります。

■注2 :学校で習う場合は、副詞は、基本5文型(文の骨格となるもの)、「S+V」、「S+V+C」、「S+V+O」、「S+V+O+O」、「S+V+O+C」のいずれにも属さないもの、というような教わり方をします。これら、骨格となる文型、(基本5文型)自体が短くても、付加されている副詞要素の、多い・少ないが、文の長短を決定している場合がありますので、この点、注意が必要です。


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