D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

Fates('07)/Erik Mongrain

2009-03-20 20:45:13 | acoustic guitarist
というわけで、先日の前振りから本日の本番へと話を進めましょう。
いつもお世話になっているgwさんに教えて頂いたErik Mongrain(エリック・モングレイン)と言う方を紹介します。
アコースティックギタリストなんですが独自のスタイルを持った方です。

'80年4月12日カナダのモントリオール出身・・現28歳てとこでしょうか。
14歳の頃、まずガットギターを手に入れ演奏を始め、程なくエレクトリックギターに転向。
ハードックやブルーズ、プログレなど大体我々と同じような趣向の道を歩んできたようですね。
程なくアコースティックギターに回帰し、Don RossやMichael Hedgesらに大いなる衝撃を受けます。
そんな経緯を経て得たのが“ラップ・タッピング・スタイル”と呼ばれる独特の奏法だとのこと。
先日のJeff Healeyとも似てるようでまた違ったスタイルなんですよね。
・・まるで琴を弾くかの如くって感じですね。


【Erik Mongrain : pic from his official website】

本日の作品“Fates”は、彼のデヴュー作として自身のウェブで'06年にリリースされたものだそうです。
いわゆる新メディア世代のミュージシャンというのかな。
そして、この作品にも収録されてる曲のライヴヴィデオが評判を呼び、一気にブレイクしたそうです。

personnel:
Erik Mongrain(aco-g)
strings section on#10:no credits ,however!

この作品は、基本的にソロギター作品です。
#10のみストリングスが入ってますが、多分数人で演った室内楽じゃないのかな。
美しい響きですね・・すばらしい。

通しで彼のギターをよく聴いてみれば、色んな弾き方をしてるようです。

tracks:
1.PercussienFa
2.Fates
3.La Derniere Pluie
4.Fusions
5.Geometrie D'une Erreur
6.Mais Quand?
7.AirTap!
8.Confusion #8
9.Interpretations
10.I Am Not

先述したgwさんちで紹介頂いた折に拝見したヴィデオというのは#7“AirTap!”でした。
“何これ・・スッゲ〜!”
この奏法のインパクトが余りにも凄かったので、私はアルバム全体でもこのスタイルで通してるものと勝手に思い込んでました。
早速手配し、何度も聴いてみました。
しかし・・なんかおかしい。

邦盤のディストリビューションは、京都のPooh横丁さんが独自に展開されている“Slice of Life Records”というインディーズレーベルなんです。
そこからリリースされた日本語の解説資料を米盤に封入してるヴァージョンてのがあって、私は運良くその入手が叶いました。
その解説の内容が、また濃い濃い。(笑)
文中でも触れられてますが、この作品の基本はオープンチューニングの両手タッピングでなされた演奏のようです。
つまり、ヘッジスと同様のスタイルが基本ということです。
実は、ラップ・タッピングでなされたのは#1“PercussienFa”と#7“AirTap!”の2曲のみだったんです。

・・どうりでねェ、納得。

彼の音楽は、煌びやかなハーモニクスのシャワーって感じですね。
きれいな空気の粒子感まで思い起こさせるような静謐なサウンドです。
ワウンドされた低音弦のビリつくトーンまでが音楽に昇華されてます。

ヘッジスが残した音楽・・私にとってはギターの音に限定されるのかもしれませんが・・は冷気を帯び荒涼とした音でした。
しかし、モングレインの音楽は自然の息吹そのものって感じ。
明るく若々しいイメージに満ち溢れています。
たとえば、#5“Geometrie D'une Erreur”なんてのも曲想は明らかに冬なんですが、サビメロで使ってるハーモニクスの響きに春の訪れみたいなものが感じられたりするんですね。
この辺は、彼のパーソナルな部分を色濃く映し出しているんじゃないかと推測します。

そのほか、ヘッジス以外の影響も多々感じられます。
ストローク主体の#4“Fusions”、スラップ炸裂の#8“Confusion #8”なんてPetteri Sariolaみたいだし。
分散和音やクラシカルな和音を生かした#6“Mais Quand?”なんてまるでPierre Bensusanみたいですしね。
まるでハープのような幻想的な音使いの#9“Interpretations”なんてのもWilliam Ackermanなどを彷彿させます。

色んな才能を肌で感じ吸収しながら進化してきたモングレインは、やはり只者ではないと思います。
色々批評は聞こえて来ますが気にしない。
今後もそのしなやかな感性を更に磨いて、今以上に素晴らしい音楽をどんどん聴かせてほしいですね。

久々に心が洗われるような音楽に接することができましたよ。(笑)

ジャンル:
音楽
キーワード
タッピング ハーモニクス インディーズレーベル きれいな空 チューニング ディストリビューション ストリングス ガットギター エレクトリックギター アコースティックギター
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2 コメント

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ご無沙汰です (gw)
2009-05-02 09:22:15
ご無沙汰です。
しばらくブログから遠ざかっていたせいもあって
こんなに遅くなっちゃいました・・・(苦笑)。

僕のはなんか勢いで書きましたが
elmar35さんの記事は書き手の感性がすごく伝わってくる文章ですね。
とくに「モングレインの音楽は自然の息吹」ってあたりからが凄く好きです。
僕も音楽を聴いていると色んな風景を思い浮かべたりしますが
文章に起こすときは忘れちゃっていることが多かったり・・・(笑)。

本当に色々な人に接してもらいたい音楽ですよね。
gw様 (elmar35)
2009-05-06 06:36:22
コメントありがとう御座います。
こちらこそ、留守してましてお返事が遅くなり失礼しました。
・・お褒めに預かり恐縮です。(汗)
いやいや、勢いであれだけ書ければ充分じゃないですか。(笑)
私はどうしても時間がかかっちゃうんで、いらんことまで付け足しちゃうだけかもです。
いずれにせよ、gwさんの紹介無しにはモングレインを知りえなかったという事が非常に重要であります。
感謝に堪えません、ありがとうございました。(多謝!)

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